アイ・マーキュリーキャピタル「投資枠50億円」の詳細:CVCの視点②

Pocket

スクリーンショット 2013-07-22 12.48.442013年7月1日からミクシィ社は投資子会社アイ・マーキュリーキャピタルを通じてスタートアップへの投資を加速させていくと発表した。ミクシィ社は過去には写真アプリDECOPICで知られるコミュニティファクトリーへ投資し、ヤフー社への売却へ繋げている実績もある。総額50億円の予算とも報じられるミクシィ社の新規投資だが、その実態は如何に。アイ・マーキュリーキャピタル投資担当の新和博氏に話を伺った。

新規投資50億円はM&Aも視野に入れた予算

「50億円規模」の投資の詳細を伺った。

■アイ・マーキュリーキャピタル投資事業概要

・投資基準:時価総額10億円未満、出資金額1億円未満、出資比率20%未満。この基準を超える場合は、ミクシィ社より投資

・投資ラウンド:シードではなくアーリーを好む(サービスがローンチしていて1度目の仮説検証が済んでいる段階)

・出資比率:10-15%を中心に検討したい

・予算50億円の多くはM&A用と考えている。

「投資後に手を貸さないというスタンスではなく、mixiというSNSで培った知見を元に、サービスのコンセプトや施策について、一緒にディスカッションしていきたいと考えています。マネタイズを急かすのではなく、主要KPIの進捗を追うスタイルを取っていきます。なお、mixiとのシナジーに関しては、投資段階では必須としていません(新氏)

「また、M&Aにも積極的です。スタートアップよりも既に安定収益を出している企業、工夫すればより売上を伸ばせそうな企業に興味があります」(新氏)

スタートアップ投資だけで50億円ではなく、M&A用の予算にも多くを割くと考えて差し支えないという。スタートアップへの投資金額の目安としては1社あたり2,000-7,000万円程度のレンジと推測される。

つながりを作るサービスへ投資を

アイ・マーキュリーキャピタルの設立に先立ち、既にミクシィ社は2件投資実行している。勉強SNSのStudyplusとつながりが9人まで限定というpath的なCloseだ。SNS的なサービスを伸ばすには国内ではミクシィ社ほどの知見はたしかにないだろう。

「人を幸せにするようなサービス、つながりを作るサービスといった会社へ投資していきたいと考えています。ビッグマーケットでNo.2よりは、ニッチマーケットでNo.1を狙えるサービスを魅力に感じます。時代性もあり、スマートフォンを利用したサービスを中心に投資しようと考えております」(新氏)

海外に関してはどう考えているのだろうか。

「mixi Amricaを通して海外ファンドに出資をしています。その投資先の日本進出の際のビジネスパートナーとしてミクシィ社を選定してもらうなどのシナリオが今後は考えられます。アイ・マーキュリーキャピタルとしては、東南アジアへの展開に興味があります」(新氏)

アイ・マーキュリーキャピタルの概要について、少しは詳細を明らかにできただろうか。実は3,000万円前後の投資ラウンドのプレイヤーは手薄になりがちだと本誌では見ているので、起業家にとっては新たな選択肢として好ましいであろう。

【関連記事】

VCの赤本①:GCP今野氏
VCの赤本②:Incubate fund本間氏
VCの赤本③:motion beat丸山氏 
VCの赤本④:CAV林口氏
VCの赤本⑤:ITV河野氏
VCの赤本⑥:リード・キャピタル鈴木氏
VCの赤本⑦:Incubate fund和田氏
VCの赤本⑧:CAV田島氏
VCの赤本⑨:DGインキュベーション石丸氏
VCの赤本⑩:GREE堤氏
CVCの視点①:KDDI×グローバルブレイン
——————————————————————
■About this media & Yuhei Umeki

私に興味がある方はこちらからいつかお茶したい登録してみて下さい。「いつかお茶したい」された人から10%くらいの確率でこちらからお誘いすることもございます。宝くじ感覚でご登録下さい。

スポットでのコンサルティング依頼はこちらから受けつけています。プロモーション企画や資金調達の依頼が多いです。決してコーヒーミーティングではそういう依頼はしないで下さい。

サロンへのご入会は歓迎です。会員数170名突破!スタートアップ業界の最新動向について知りたいならUmeki Salon



Pocket

コメントを投稿する

「アイ・マーキュリーキャピタル「投資枠50億円」の詳細:CVCの視点②」に対してのコメントをどうぞ!