コンテンツ・ディストリビューターの争奪戦となるオウンドメディアの未来

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バズワード化が進む「オウンドメディア」ですがスクーの授業でも最近取り上げられていましたね。ざっくりいうとソーシャルでシェアされるようなブログを書きましょうという話で、読まれるコンテンツを如何にして作るかという話はされていても、そのコンテンツをどう届けるかという話はあまり目にしてきませんでした。読まれるコンテンツであることは大前提として、コンテンツを届けるディストリビューターの確保が実は重要だと思います。

オウンドメディアを「素早く立ち上げる」オペレーション

まずは一般論としてオウンドメディア成長サイクルを述べておきましょう。

■オウンドメディア成長サイクル

①:読者に価値があると思われるような読まれる記事を書く
②:ソーシャルでバズる
③:②の結果、SEOでも強くなりSEO流入が見込める

この②の「ソーシャルでバズる」。今更感がありますが、ここの対策が見落とされがちだと感じます。オウンドメディアをプロダクトを担う研究開発と、プロモーションを担う営業で切り分けて考えるとわかりやすいかも。記事を書く人は「いい製品作ってりゃそのうちバズるんだよ」と思いがちかもしれません。

しかし立ち上げたばかりのオウンドメディアは自社の社員くらいしか存在を知らず、twitterのフォロワーが3桁程度やFacebookのお友達が少ない社員が一生懸命シェアしてもそんなに拡がりません。よってコンテンツを伝えるチャネルが特に立ち上げ時に置いては非常に重要になります。

コンテンツマーケティング立ち上げの3つのテクニック

この記事でも触れていますが、如何にインフルエンサーにシェアさせるかが重要。上記の記事ではインフルエンサーとのコラボレーションを挙げていますが、オウンドメディアはコンテンツ・ディストリビューターとしての期待も込めて、インフルエンサーを外部からリクルーティングしてきて連載を持たせるなどして内包すると良いと思います。むしろそうしないとインパクトのあるオウンドメディアの立ち上げは相当難しいでしょう。

■オウンドメディアを素早く立ち上げるオペレーション

①:コンテンツ制作者を内部だけでなく外部からもリクルーティング
②:外部コンテンツ制作者はインフルエンサーを活用
③:外部コンテンツ制作者への報酬はコンテンツ提供料とプロモーション料を両方内包した上で見積もる
④:インフルエンサーである外部コンテンツ制作者の「シェア」によりバズを起こしやすくさせる下地を作る
⑤:記事がバズりやすくなり、成長サイクルへ乗るスピードを早められる

こんなところでしょうか。

事例:コカ・コーラとオランジーナ

コカ・コーラの下記のサイトで村上萌さんを起用しているあたり、オウンドメディアがコンテンツを作るだけでは認知されず、ディストリビューターとしての価値も村上さんに内包していると判断した上で、コンテンツ制作をしているのではないかと類推できる好例だと思います。流石デジタルマーケティングに強い印象のあるコカ・コーラだなと思われました。

スクリーンショット 2013-07-23 10.58.25オウンドメディアちっくなキャンペーンとして、オランジーナも上手いと思います。オランジーナは不定期てブルータスの表3に「オランジーナを使ったカクテル」という1,000文字前後のエッセイを出しています。都内の様々なBARで様々な背景のあるストーリーが繰り広げられ、あまりの文章の上手さに僕はコンビニで立ち読みしながら涙したほどでした。

スクリーンショット 2013-07-23 11.09.55pixivとの「擬人化コンテスト」というのもあり、5,000件以上の絵が既に応募されています。オランジーナのマーケターの方は相当なセンスですね。一度お会いしてみたいな。

「コンテンツ制作者」かつ「インフルエンサー」は希少資源

話を戻して結論を述べると、オウンドメディアは「インフルエンサーであるコンテンツ制作者」を活用した方が立ち上げスピードを短縮できるというのが本稿の主張です。しかし、「コンテンツ制作者」かつ「インフルエンサー」という要件を両方満たす人材はさほど多くありません。

私かて「コンテンツ制作者」ではありますが、「インフルエンサー」とは言い切れません。FBのフレンド申請は見知らぬ人は全部非承認ですし、twitterも適当です。ビジネスに徹するのであればソーシャルメディアでの影響力を最大化すべく割り切った努力をしておくべきだったでしょう。

なのでコンテンツ・ディストリビューターとしての役割を果たせる「コンテンツ制作者」かつ「インフルエンサー」は希少資源であり、その争奪戦が今後勃発していくと予測します。逆にいうと希少資源であるがゆえに、そうした人材に仕事が集中していくでしょうし、コンテンツ制作者は外部寄稿だけでなく自分自身のブログなどで影響力を上げていく必要があります。影響力がゼロに等しいコンテンツ制作者は、オウンドメディア運用者からは価値が低いと見なされ、安く買い叩かれるか採用されない可能性が高いでしょう。

私自身も今後はこのような「希少資源」となるべく、いくつかの戦略オプションを考えています。

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■About this media & Yuhei Umeki

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