最終営業日が終わり、経営者の皆様も落ち着いてPCの前に座っている土曜日の午後かと思います。世間では読者投票による賞とかもありましたが、独断メディアであるThe Startupでは昨年に続き勝手にアワードを開催します。昨年2012年度はDeal of the Yearを(放送禁止用語)に、VC of the Yearを伊藤忠テクノロジーベンチャーズに贈りました。
本年はDeal of the Year、VC of the Year、Startup of the Yearの3つの部門を用意し、勝手に表彰していきたいと思います。受賞者の皆様は嬉しくないかもしれませんが、ご容赦下さい。
まずはDeal of the Year。後述で貼っていきますが、この部門は2013年中に累計1億円以上資金調達をした70社から選定致しました。Deal of the Yearは先日フジテレビなどから19億円を調達されたgumiにお贈りします!国光さん、おめでとうございます!
選定理由は三点です。
■2013 The Startup Deal of the Year gumi受賞理由
①:2013年中に1億円以上調達したゲーム関連企業はgumi、Aiming、Mutations Studio、ポッピンゲームジャパンの4社に留まりました。ソーシャルゲームバブルが一段落したと思われる中での大型調達という点が注目に値します。
②:フジテレビからの大型調達によるアライアンスへの期待感
③:The Startupとして、国光砲にお世話になっている。
gumiの調達がなければ、受賞候補の最右翼はメタップスでした。10億円以上の調達が9社あった2013年の口火を切ったのは、メタップスのフィデリティからの10億円調達でした。
それでは1億以上調達を振り返ります。10億以上部門、3億以上10億未満部門、1億以上3億未満部門の三部構成です。調達額順に並べています。調達額がでかいからといって偉いわけではないですが、今年どんなプレイヤーに投資実行されたかを振り返る上では有用な分け方かと思います。
尚、2012年の1億以上調達は33社です。2013年は倍増以上となりました。
注:表の各画像をクリックすると拡大するので見やすいかと思います。
10億以上:gumi、Antenna、ミドクラなど9社
昨年は10億以上の案件はゼロでしたが今年はなんと9社。非ネット系も入れるともう少しあったのではないでしょうか。少しずつ解説を。
Antennaは先日ベインキャピタルによるTOBを発表したマクロミルの戦略投資と見る向きが強いですね。参考までに全くバズらなかったマクロミル分析記事のリンクを置いておきます。
ミドクラCEOの加藤さんと6月になぜかパネルディスカッションでご一緒した際は、今年一番のフルボッコ的な非力を感じた良き思い出です。
スターフェスティバルとか、来年あたり上場しそうな香りを感じますね。産業革新機構のぶっ込みっぷりは業界では話題になりました。
3億以上10億未満:コマースやメディアを中心に24社
昨年の3億以上調達は7社に対して今年は24社。ロコンド、レアジョブ、Aimingのような数年前からある銘柄に加えて、Origamiのような1st Roundで5億調達するような事例も出てきています。
これくらいの調達額で主立った分野は2つ。コマースとメディアへの投資です。コマースはLUXA、ロコンド、アラタナ、Origami、Muse&Coの5社。3億以下ではMONOCO、LASO、BASEの3社があります。コマースはある程度大型投資しないと広告投下できなかったり、在庫リスクあったりで、キャッシュフロー上大型調達しないとスケールさせられません。ECツールを提供するアラタナやプラットフォームのBASE以外は店として売るサービス。バーティカルメディアとも呼ばれますが、そのアップサイドは大いに疑問。上場後の伸びが厳しそう。
メディアはSmart News、Gunosy、cakes、アパレルウェブの4社。ここでいうメディアはCGMではなくキュレーションや事業者側にコンテンツのコントロール権が強い媒体を「メディア」カテゴリーとしました。Antennaも同様に含まれます。ここはスマホにおけるソーシャルゲームの次の主戦場と言われ、その傾向が強く顕在化してきています。
1億以上3億未満:nanapi、freeeなど39社
1億以上3億未満だけで36社です。ここは投資額非開示のYJキャピタルの案件も億単位っぽいものはカウントしておきました。様々な分野のディールがあり、この部門が見ていて一番面白い。強いていうならばマネーツール系が6億調達のマネーフォワード以外にfreee、マネツリー、Dr.walletの3社もあるというのが興味深い。CGM人気も根強い。確実に需要はありそうですからね。
この37社が化けていってどの辺がシリーズBに進出していくでしょうか。ここから次のラウンドへ行ける確率は銘柄を見る限りはそんなに高くなさそうにも見えますが、案外ファイナルラウンドで上場間近のところも何社かありそうです。結構知らない企業も多いので、来年はこの辺に取材にいきたいなと思っておりますので、このフェーズで取材ウェルカムな方はご連絡いただけますと幸いです。The Startupでか先日始めた東洋経済の連載か、どちらかおよびどちらも掲載機会があります。
以上になります。
次回予告:2013 The Startup VC of the YearはGCP
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