時代はC2B2Cへ。高級ブランド委託市場にRECLO(リクロ)が参入

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C2CはメルカリとFrilの二択でほぼ決着がついたと思う。国内スタートアップでは次のトレンドとしてC2B2Cサービス勃興の兆しが見える。そんな中、アクティブソナーがRECLO(リクロ)という高級ブランド委託ECをローンチした(まずはPCとスマホブラウザ版)

筆者は4月9日に開催されたRECLOのローンチパーティーに潜入し、抽選でセリーヌのスカーフが当たった(決して賄賂ではない)写真右の爽やかなナイスガイがアクティブソナー代表取締役青木康時氏だ。尚、同社のリードインベスターはあのワタナベさんだ。2日連続でThe Startupに投資先が登場してきた。KPIに延長線上にEXITはあるのか。

C2B2Cは高額商材に向く。BUYMAなどでも高額商材の偽物が横行することもあると聞いたことがあり、一旦法人が仲介するC2B2CはC2Cと比べてサイトやアプリに並ぶ商品の質は一定以上担保されており、買い手からすると安心で良い商品を見つけやすい。

この市場には既にThe Real Realというプレイヤーが存在する。以前The Startupでは「ニーズがあるモデル」と紹介しているが、実際に出品数があまり伸びていないように見える。wajaこの分野でのサービス開始を予定しているようだ。

フラッシュセールのTRRとカウントダウンセールのRECLO

RECLOの説明はThe Real Real(以下TRR)と比較するとわかりやすいだろう。どちらも委託販売で、事業者が出品を査定してサイト上で取り扱うか否かを判断する。

スクリーンショット 2014-04-05 14.30.26まず取扱ブランドに関してはRECLOの方が幅広い。TRRはセレブリティに特化しすぎて市場がニッチすぎる気がする。実話として筆者はラルディーニのジャケットを出品したが、取扱ブランドリストにないのでNGとされた。RECLOでは取扱があるようだ。

スクリーンショット 2014-04-10 13.13.44次に売り方。TRRはGrouponやGILTのような特定ブランドのフラッシュセール。注目を集めやすいが、ブランドごとになると特定ブランドで一定量の商品が集まらないと開催できず、ロングテールに弱い構造にあると見る。

RECLOはフラッシュセールではなく、都度掲載(だと思う)。左の絵のように、一定期間を過ぎると価格が下がるというカウントダウンシステムがあり、値下げするタイミングで買いが入りそうな仕組みだ。

出品時も今後リリースするアプリでは写真を撮って査定する機能を実装するそうだ。いきなり段ボールで送って査定するよりも出品ハードルが下がる。

C2B2C成功の鍵は出品数の確保:青木氏の営業力に期待

マーケットプレイスでは、売るモノがあってはじめて買い手が付く。

C2Cでも同様であろうが、C2B2Cでも出品数が当面の課題になる。特に高級ブランド商材となると数が限られるため、どう出品を集めるか。TRRは高級ブランドに特化しすぎており、RECLOより商品を集めるハードルが高いように思える。

アプリなどのプロダクトの使いやすさも無視できない。現にメルカリは1日の出品数が1万を超えており、このレベル感になると少ないクリック数で出品できるなどの価値が大きいといえる。しかし、立ち上げ段階で商品を集めるのは営業力がモノをいう。そこで注目しているのが青木氏の営業力だ。

青木氏は起業前は営業マンとして相当なリットル数の「水」を売っていた。ウォーターサーバーだ。コモディティ商品に見えるウォーターサーバーを売るのは商品の差別化より営業力に左右されるはずであり、青木氏が爽やかな笑顔で水を売り捌いていたことは実際に少し話をすれば何となくわかる。直感的に、青木氏の営業力はスタートアップ業界でトップクラスだと感じた。

インターネットサービスはプロダクトが良ければユーザーが勝手に付くと思い込まれがちで、実際そういう場合もある。しかし、案外オフラインの営業が効いてくる場面は少なくない。このモデルはメルカリのようにプロダクトが相当秀逸か、営業力かで抜きん出るしかなく、少なくとも後者の要素はRECLOにはありそうだ。前者のプロダクトに関してもSumallyを手掛けたアートディレクターの方がデザインを担当している。

ブランド品の定価30%で売れると、もっと売りたくなる。

高級アパレル商材の中古品は、今まではオフラインのラグタグやコメ兵に定価の10%程度で買い取られる場合が多かった。例えば定価10万円のダニエル&ボブのバッグを1万円で買い取られて、店頭で5万円で売られる。買取というリスクを負っているとはいえ、業者がマージンを取り過ぎであったり、定価10%で売る切なさを筆者は感じていた。

ブランド品を委託で売って定価の30%程度が戻ってくるとユーザーメリットは大きい。RECLOのコンセプトは「Re:Closet」。クローゼットにある洋服を資産と捉え、委託で売って稼いだお金で新しい服を買う。

RECLOはローンチ初日でユーザー登録数1,500人。4末までの会員登録で4,000円分のクーポンをもらえるそうだ。C2B2C市場が今後どのように盛り上がっていくか、注目していきたい。

【本日のNewsPicksユーザーへの宿題】

TRRとRECLO、どっちがスケールすると思うか。どちらを使うか。筆者の所感ではTRRの方が高級な世界観がありブランド力が高そうな印象を受ける(米国本国では徐々にスケールしていると聞く)が、国内においてはブランド取扱数と売り方と営業力の観点でRECLOの方がスケールしやすいと考えている。NewsPicksユーザーの皆さんの意見をお聞かせ下さい。

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