年末年始を代官山蔦屋で過ごすUmekiです。元旦も開店が朝少し遅いだけ。本当に助かっています。
2014年1月でThe Startupは丸3周年を迎えました。今年は国内スタートアップにおける「ミシュランのようなサイト」を目指すことにします。この背景は本稿の最後であのポジショニングマップと共に述べます。
本誌では資金調達のデータ一覧を度々公開しますが、資金調達の傾向からスタートアップ業界の動きの全体感が掴めると考えています。その一覧を元に実は2013年6月にUmeki Salon内で各銘柄に対する梅木の投資判断を発表していました。曖昧な根拠もあって恥ずかしくもありますが、当時の表を公開し、2013年12月現在でどのような動きになっているかを本稿で紹介。
基本的に投資判断はABCの三段階。「A」は手堅くEXITまでいける。「B」は投機的だが化ける可能性はある。「C」は梅木には理解できない投資。(EXIT現実性低い)これ以外に情報不足で判断保留とした企業も多数あります。今年は判断保留を極力少なくするために、数多くのスタートアップ関係者とお会いして各企業を誌面でご紹介していきます。事業構想という雑誌でも度々取り上げますが、今年は東洋経済オンラインも併せて3つの媒体で紹介機会があります。
1億調達以上:投資判断「A」11社中3社シリーズBなど
2012年10月から2013年4月までの1億以上調達のデータです。まずはいつもの如く上記の表をクリックしてご覧下さい。緑のセルの企業11社を投資判断「A」としました。
このうちシリーズBまでいっているのが3社。某企業、スマートエデュケーション、マネーフォワードとなりました。2014年中の上場観測が出ているのが、みんなのウェディング、フリークアウト、イードの3社です。それ以外の5社もユーザベース、ラクスル、Tokyo Otaku Mode、メタップス、anyparkと優良銘柄が続きます。あくまで「A」は確実にEXITできると本誌が断言する銘柄に絞っています。
面白いのは「B」判断。8社をBと置きましたが、現時点ではRettyのみシリーズBに進んでいます。Bの中から2014年は何社がシリーズBに進んだり、上場するのか注目ですね。
1億未満:「A」「B」のうち半数以上がシリーズAへ
さらに表が小さくなりました。クリックでご拡大下さい。1億未満は2012年4月から2013年4月の約1年分38社の投資判断をサロンで共有しています。
このステージの投資判断「A」は8社でした。うち4社がシリーズAに進出。wantedly、Smartnews、freee、Gunosyの4社。もはや業界ではお馴染みですね。資金調達を発表していなくとも、ZaimやFril、ユビレジなどの手堅そうな事業やあまり業界には知られていないA STARも判断「A」です。「A」はね。間違いないわけですよ。
ここでも「B」が面白い。Bは9社。シリーズA的なものにAと同様半数の5社が進んでいます。トークノート、trippiece、ココナラ、BASE、Revolverです。残りの4社はCampfire、relux、チケットストリート、pLuckyの4社。Campfire以外は2013年上半期の銘柄なので、2014年中に調達してきそう。
スタートアップ版ミシュランを目指す背景:CGMとの対比
コンセプト設計にあたり、現在の国内スタートアップシーンを再度見回してみました。ファンド増加に起因して投資実行が増え、メディアも資金調達などを褒め称える。これを良しとする人もいれば、実態価値も成長性も見えない企業への投資(だと感じて)バブルだという人もいます。
スタートアップを囲むメディア環境を見るとTHE BRIDGEがあります。このメディアはソーシャルバズを元にした各企業のスコアリング機能もあり、読者が何を支持するか決める、いわばCGM型のメディアであるといち読者として私は理解しています。
スタートアップネタを取り上げる媒体はいくつかありますが、真面目に読む機会が多いのはTHE BRIDGEだけですね。取材をベースとした良い記事もたくさんあると思います。なのでこことTHE STARTUPは同じことをやると負けます。彼らにできなくてTHE STARTUPにできることは何かを考えた時に、良い意見も悪い意見もバッサリと断言するということです。これはスタートアップシーンに限らず、日本においては主張がはっきりしている書き手はあまりいないように思えます。
「予想当てたぜ」とドヤ感を出さないようにするのはなかなか難しいのですが、取材をして紹介するメディアが多い中で、「俺はこう思う」をはっきり言うオピニオンメディアも存在して良いのではないかと思いました。そのオピニオンを参考にするか否かは読者の皆様次第でございます。参考にして下さる方もいれば、お前の意見とかどうでもいいよという方もいるでしょう。相対的なポジショニングとして、そのようなメディアがないので僕は今年その路線を明確に取ります。
ミシュランで星を取っている店が自分にとって全て美味しいとは限らないし、ミシュランで星が付いていなくとも自分にとってすごく美味しい店もある。ポジショニングマップで「好かれにくい」にプロットした理由は、ミシュランで星が付いていないレストランからの不平不満とかもあるだろうと思って。一方のCGM型は読者投票的な意味合いが強いので、独断よりは広く好かれやすいだろうと。
本誌は万人ウケしないことはわかりきっているので、一定の読者にとって、スタートアップについて考える際の参考の一助になれば良い。2014年はスタートアップ版ミシュランを標榜し、そういった認知を進めていければと思います。本誌の格付けによって次のラウンドの資金調達に影響を及ぼす。くらいになれれば、良いんじゃないかと思いますね。
以上になります。上記二つの表以降の銘柄、2013年5月〜12月編は2014年1月時点での投資判断のみ今後Umeki Salonにて徐々に公開していきますので、ご興味ある方はこれを気にご検討をw(初月無料)
あくまでスタートアップの紹介を格付けと共にお届けするのを強化するだけであって、今まで通りウィットに富んだ記事も出していきます。
■ The Startup最新事情
無料相談のThe Startup60を実施中。
有料メルマガ週刊The Startupを開始。
梅木雄平が選ぶお勧め書籍30冊。
オウンドメディアの企画執筆を受け付けております。こちらを参考に。
会員数200名突破!スタートアップ業界の表裏最新事情を届けるUmeki Salon、サロンインタビュー記事はこちら。