先程のDeal of the Yearに続いてVC of the Yearの発表です。11/30発売号の月間事業構想のベンチャーキャピタル特集を担当しました。分布図も選定致しました。今回は2013年中の①投資活動件数②象徴的な案件③EXIT実績を元に主要ベンチャーキャピタル9社を選定し、総合的に勘案して受賞者を決定致しました。2013 The Startup VC of the Yearはグロービス・キャピタル・パートナーズ(以下GCP)に勝手にお贈りします!
■2013 The Startup VC of the Year GCP受賞理由
①:賛否両論分かれるSmartNewsへの投資実行
②:インターネット領域投資先4社のIPOはVC最多
③:業界を牽引する高宮氏による「デ部」の活動
①のSmartNewsへの投資に関しては業界ではかなり話題になった。転載問題はどうでもいいのだが、高めのValuationで調達しようとしていた話やどのような形のEXITを模索するかなど、「僕なら投資できない」というコメントもオフラインではいくつかあった。しかし、あれだけ使われているサービスなので個人的にはリターンが見込めると思うし、多少高くても(最終的なPost-Valueは勿論存じ上げませんが)投資に値する案件だと思います。「SmartNews、あなたなら投資しますか?その理由は?」と相手に聞くと、様々な見方があって面白いと思うので、アイスブレイクの質問として有用かと思います。
②は後述するとして、③の「デ部」活動は、一部ベンチャーキャピタリストを中心とした部活動のようなものを指します。夜な夜な親睦を深めているようで、一見Facebookのタイムラインを汚しているように見えますが、2014年には「デ部」からの資金調達のルートが確立されるのではないかと思われます。
「デ部」を牽引する高宮氏はダイヤモンドへやFind Job Startupへの寄稿でも知られており、業界では広くインテリな印象があるお方ですが、こうした夜のディールにも強そうな一面から、引き続き良質な案件をロジカルおよびエモーショナルな観点で獲得して行くと思われます。
業界では「デ部」に入りたくても入れないキャピタリストもいるようです。
2013年主要VC9社主要投資案件一覧
主立ったリード案件が5つ以上ありそうに思えたVC9社をピックアップしています。ここに記載がないVCは件数がこの9社と比べて多くないように見えましたので、割愛しました。
面白いと思ったのがジャフコの傾向で、3億以上の投資案件がかなり多い。Deal of the Yearの上から見て行っていただければわかりますが、スタフェス、LUXA(上記の表ではKDDIでカウント)、マネーフォワード、アラタナ、cakes、ホワイトプラスが3億以上。一方で1億以上3億未満はグロースハック系のfelloのみ。
シード・アーリーステージでは次のラウンドへ跳ねてそうな印象が一番強かったのはEAST Venturesでした。松山大河さんに雑誌の取材を断られましたが、いつかお受けしてくれることを祈っております…orz
2013年インターネットセクターIPO一覧:GCPは4/11保有
東京IPOによると2013年上場件数は約55社その内インターネット関連銘柄は11社。上記の表は時系列で並べて各VCの上場時持分を示した。
まず特筆に値するのは11社中4社にGCPが入り込んでいる点。しかもオイシックス、オークファン、フォトクリエイトの3社はリードインベスターと思われる。ジャフコもじげんというビッグディールで23%保有など、じげんでだいぶ利益を出したはずだ。
ここで注目しておきたいのは主要VC9社に入っていないDGインキュベーションがメディアドゥでリードインベスター、オークファンも6%保有。ドリームインキュベータがアライドアーキテクツでリードインベスター、フォトクリエイトで10%保有となっており、結果が出ている。
一方で昨年のVC of the Year受賞の伊藤忠テクノロジーベンチャーズのIPO実績はなく、M&AでのEXITがスマポ、米国案件である41st Parameter、Rumaの3件がHP上から確認できた。
以上です。GCPの皆様、おめでとうございます。来年も数多くの投資案件の上場を楽しみにしております。
次回予告:The Startup of the YearはplanBCD
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