2012年に1億円以上資金調達した国内スタートアップ33社

2013/1/24 23:00 エクセルの記事リリース日の表記の一部に誤植があったことをお詫び致します。

少々物議を醸し出したものの、便利という声の方が多かった1億調達のまとめ記事2012年も締まったということで、2012年分を押さえた最新バージョンにupdateします。スタートアップのファイナンス関係者の方々に参考になる資料となれば幸いです。詳細をご覧頂きたい方は画像をクリックすれば少し大きくなるはずです。緑セルは2012年内に2回、1億円以上調達した会社。（ニュースサイトなどの公開情報を元に調べましたが、ここが抜けているというご指摘があればぜひお願い致します）

インベスターごとの社数はニッセイの7社がトップ

億ディールの主要VCは何社かに絞られますが、2社以上の億単位の投資に絡んだVCは10社（SMBCも3社絡んでいましたが、リードはなさそうと判断し、割愛しました）あくまで「億単位ディールに絡んだ」であり、1社1億以上投資しているとは限りません。億単位ディールにおける主要プレイヤーと思われるVCのみをピックアップ。

ニッセイ・キャピタルが7社に投資実行しており、2012年の億単位投資案件数ではトップとなりました。

ITVが4社、GCPとジャフコが3社ずつと続きます。新興勢力としてはGREE Venturesでしょうか。スターフェスティバルのディールはGCPがリードと思われますが、ジーニーとRettyはGREE Venturesがリードと思われます。海外投資の方にむしろ比重を置いているようですが、国内における億単位ディールでのプレゼンスも上げてきています。GREEはGREE Ventures設立前の本体からの投資では過去の3社のIPOも果たしており、魅力的なポートフォリオを有しています。参考記事：グリーの国内ポートフォリオは？投資先企業の取得株数、株価まとめ

続く三菱ですがリードという印象はあまりないですが、最近はIVPと仲が良さそうですね。KDDI、DG、リードキャピタルが2社ずつと続き、この辺のプレイヤーのディールも今後は増えていくのではないでしょうか。

私の独断と偏見としては、ITVがバランスがよく魅力的な案件に投資している印象です。The Startupによる「勝手に2012年VC of the Year」をITVにお贈りしたいと思いますw

投資分野はコマースが8社でトップ、ビッグデータも注目

2010年や2011年に見られたゲームへの投資案件はジャフコのAimingくらいで、このラウンドにおけるSAPの旬は過ぎたとえいます。コマースが8社と多かったのが特徴的です。アドテク分野や写真分野も3-4社ずつありましたが、個人的に注目なのがビッグデータ分野。

ユーザーベースやFullerをビッグデータカテゴリに入れました。（ユーザーベースをここに入れるのは強引な気がしますが）データをどう活用するかというのが難しいですが、ここ数年注目され続けている分野でもあり、この分野の活性化が2013年は予測されます。

3億円以上の調達はクラウドワークスなど7社

1億円以上の調達は33社でしたが累計3億以上の調達は7社となりました。

スマートエデュケーション（知育）：3億
フリークアウト（広告）：3.5億
ビットセラー（写真）：4.2億
Aiming（ゲーム）：6億
リプレックス（写真）：8億
TOLOT（写真）：5億
クラウドワークス（クラウドソーシング）：3億

写真系が多いと言ってもフォトブックなどマネタイズは見えますね。ゲームはともかく、3億以上の調達は昨年においても中々見られなかったディールです。しかし、8億や5億の投資は額が大きすぎて、今の国内マーケットの相場観から乖離しているのではないか（Valuationが高すぎるか、外部株主のシェアが高すぎるか）と思われます。

1億以上の規模の調達において、Valuationのレンジの相場観は5億〜20億と思われます。それ以上のValuationで数億台前半（3億未満）の調達だと、相場観と比べて高すぎるという見られ方をするケースがおそらく多いのではないでしょうか。とはいえ、未上場企業のファイナンスの相場なんてあったないようなもので、相対取引です。双方の合意があれば条件は何でも良い訳ですが、変な条件のディールをやっていると新規ディールの獲得にレピュテーション的に差し支えがありそうですね。

The Startupによる「勝手に2012年Deal of the Year」はクラウドワークスにお贈りしたいと思いますw！会社設立1年で類似会社の調達が全く無い中での3億円調達は特筆に値します。

ということでファイナンスまとめでした。資金調達をこれから検討しているスタートアップの財務担当や、ベンチャーキャピタルの皆様にとって資料として活用いただき、お役に立てると幸いです。

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