過去記事を振り返る辱めシリーズ。The StartupではIPO銘柄に関して多少なりとも投資判断を公開してきました。IPOというカテゴリーを設け、10記事ほどIPO関連記事を出しています。投資判断を公開した記事を全て振り返り、当たり外れを検証します。結論からいうと、3勝2分け。というところでしょうか。
アイスタイル、ライフネット生命、エニグモ、コロプラ、オークファンに関して振り返ります。各々の項目に図が含まれるため長く見えますが、分少量は見映えほどではないので、ぜひ最後までお見通しください。
1:アットコスメ100-120億円で推移⇒ほぼ当たっている
・アットコスメのアイスタイルが上場。クックパッドとの比較からジャンル特化型CGM事業の成長要因を探る(2012/3/9)
投資判断、というよりも内容が結構反響のあった記事です。この記事では強気なことに時価総額のレンジの予測を出していますが、ほぼ当たってます。
■株価
2013/8/21現在:549円
公募価格:840円
初値:1,630円
上場来高値:910円
*1:2の株式分割の実施を2012/6/8に発表■時価総額
2013/8/21現在:約79億円
上場来高値時:約147億円
上記の推移をみるとほぼ「時価総額100-120億レンジで推移」というのは当たっていると言ってよいのではないでしょうか。当時の投資判断の理由は
有料で提供するサービスの付加価値創造が難しいため、メディア事業の有料会員事業が今後大きく伸びるとは考えにくい。よって爆発的な成長は見込みにくい
直近の決算資料のダイジェストを。
売上と利益は伸びていますが、営業利益率はむしろ下がっています。利益率の高い有料会員事業が伸びにくいという上記の投資判断理由はこの数字を見ていても合理的といえそう。
2:ライフネット2-3年後を見るとbuy⇒現状は低迷中
ネットというか保険セクターとして見られるのかなライフネット。他のインターネット銘柄よりはボラティリティが低いですね。株価の動きはぐぬぬ感が否めない…。
■株価
2013/8/21現在:756円
公募価格:930円
初値:1,000円
上場来高値:1,261円■時価総額
2013/8/21現在:約309億円
上場来高値時:約527億円
この記事を書いた際のハイライトを。
①:TVCMを中心とした先行投資がかさむだろうが、ストック型ビジネスなので、その後投資回収できる
②:広告費増加により、2012年/2013年決算での黒字転換はないかもしれない
③:2-3年の中期での投資判断は明らかにbuy
直近の財務状況を見てみましょう。
経常収支・費用共に上がっていることから、私自身もたまに見かけるTVCMなどへの先行投資期間が続いているため広告費も掛かっていると推測されますが、契約者数の伸びから収支も伸びている。2012/2013年度の黒字転換もないという点も予測と一致。
新規契約数の伸びが若干鈍化している点は気がかりですが、保険料ビジネスも手堅いため売上はぶれにくく、契約者数と共に積み重なるモデルです。なので現在は株価下がってしまっていますが、むしろ買い時といえそう。
出典:ライフネット生命販売状況
ハイライト③の「2-3年の中長期なら明らかにbuy」ということで、2012年3月時点での予測ですので、1年半しか経っていないため、まだ当たったか外れたかは判断できず、引き分け。としておきましょう。
むしろここまで下がっているので、現時点ではストロング・バイですよ。岩瀬さん、来年には上場来高値を!マーケター小俣氏の手腕に期待です。数年後は時価総額1,000億円規模になっていると思います。
3:BUYMA公募から2-3倍上がりBUY⇒ほぼ当たり
・ファッションECのBUYMAを運営するエニグモがIPO:ZOZOTOWNとの比較からBUYMAの成長余力を探る
最近1:2で株式分割したため、公募価格を3,500円とするとその2-3倍に上がるというレンジは当たっています。今は落ち着いたようですが。
■株価
2013/8/21現在:5,440円
公募価格:1,750円
初値:4,030円
上場来高値:9,740円
*1:2の株式分割を2013/8/1に発表■時価総額
2013/8/21現在:約222億円
上場来高値時:約397億円
まずは記事リリース時のハイライトから。対ZOZOTOWN比較で書いてる。
①:ZOZOのユーザー数450万、BUYMAユーザー数90万、アップサイドの余地がまだまだある
②:CtoCで海外輸入品を主とするため商品の内外価格差が発生し、BUYMAで買うと得ということが多々あり、ユーザーが流れやすい
③:ここ1年単位での投資判断をしておくと、エニグモは公募価格からは2-3倍は騰がると予測し、buy推奨
直近の記事ではユーザー数は約130万人にまで伸び、好調ぶりが報じられています。営業利益も期初計画を上回るとの説も。私の周囲でもBUYMAで買うというユーザーが増えている実感値もあります。上記の記事には米国のkaboodleを買収して英語圏展開する話や、韓国版の立ち上げの話もあり、海外展開に積極的な姿勢が伺える。
国内でもまだ伸びる余地がかなりあると踏んでおり、海外版が大きく転けなければ収益拡大が見込めるため、引き続きbuyとして差し支えないだろう。
4:コロプラ買い目標株価7,000⇒現在は目標株価の倍以上
・IPOしたコロプラ:単なるSAPではなくO2Oも見据え、buyを推奨
コロプラは…ガンホー連動で一時期凄いことになってましたね。
■株価
2013/8/21現在:3,770円
公募価格:3,000円
初値:5,650円
上場来高値:5,974円
*1:5の株式分割を2013/5/31から実施
株式分割を反映すると
初値:1,130円■時価総額
2013/8/21現在:約1,487億円
上場来高値時:約2,356億円
buyとしたこと自体は当てていますが、2013年内目標株価を当時のレートで6,500-7,000円(現在に換算すると1,300-1,400円)と置いており、ターゲットレンジは外れてますね。buyは合っている、ターゲットは外した。ということで引き分けwにしておきましょう。
コロプラは今期2度目の上方修正を発表し売上150億営業利益45億の予想。8月からはTVCMも打っているようです。僕も最近見た気がします。IPO時に出した記事ではO2Oに期待としましたが、そんなのは現状は関係なく、ネイティブアプリが大当たり。という感じですね。kuma the bearのアプリDL数も相当な伸びのようです。
ゲームは詳しくないので、今後コロプラを詳しくカバーすることはないと思いますが、SAP(もうSAPとも言わないかも)の中でズバ抜けた存在で居続けることには変わらないでしょう。GREEやmobage離れが叫ばれる昨今、スマホネイティブアプリでのポジションを盤石なものにしつつありそうですね。
5:オークファン明らかなbuy⇒公募から上場来高値10倍
・IPOするオークファンの主な収益源は、美しき有料月額課金(2013/4/9)
最近の銘柄ですが、オークファン。IPO時の前に記事を出していますが、公募から初値は約4倍、現在は初値に価格が近いものの、アベノミクス効果もあってか、一時期は時価総額500億円くらいまでになっています。
■株価
2013/8/21現在:12,750円
公募価格:2,600円
初値:10,480円
上場来高値:29,500円■時価総額
2013/8/21現在:約230億円
上場来高値時:約532億円
直近の決算を見ると、売上利益共に手堅く伸びているようです。月額課金モデルを含むサービスですから、ある程度アップサイドがある段階までは投資判断buyを継続していて良いかと。手堅く伸びますからね。
実は売り推奨と判断したため、書かなかったトレンダーズ
リブセンス、オイシックス、フォトクリエイトに言及した記事も各々のIPO時に出していますが、投資判断に関する言及を記載していないため、今回のレビューからは外しました。
ちなみにIPO時に売り推奨の記事を出すのはさすがに気が引けます。IPOおめでとー!とかで皆浮かれてる時に売り推奨はなんとも出しにくいものです。ゲーム以外のインターネットのIPO銘柄は今後IPO時に記事を出していく予定ですが、触れなかった銘柄は売り推奨だと思っておいて下さい…涙。
長くなりましたが、予測が当たったかを振り返ってみました。自分の過去記事へのツッコミになります。今後もIPO関連は積極的に追っていきたいと思います。
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