VOYAGE（ボヤージュ）GROUPが上場、中核はメディア＋アドテク事業

宇佐美総帥が率いるVOYAGE GROUP（以下VOYAGE）の上場承認が降りました。いつもの如くThe Startupでは事業分析にフォーカスします。株式ネタは丸山さんからのコピペによるとこんな感じ。

公募時想定時価総額：243億
調達額：11億

参考記事：株式会社VOYAGE GROUPがマザーズに上場承認されたので有価証券届出書を読んでみた

VOYAGE投資ファンドポラリスにより2012年5月にサイバーエージェントからMBOしています。サイバーエージェントの持分は11%。

参考記事：サイバーエージェント、子会社VOYAGE GROUP株式をファンドに譲渡…VOYAGE GROUPはIPO目指す

Social Game Infoによるとこの際にサイバーエージェントは8億円の売却益が発生。ポラリスの取得価格は…記載は控えておきましょう。

ぶっちゃけ、スタートアップ業界でもVOYAGEや宇佐美総帥の認知は高いけれど、何をやっている会社なのかよくわからないという方が多いと思います。本稿ではセグメント情報を中心に、VOYAGEの実態を詳細に説明できればと思います。VOYAGE GROPUを提出会社に、連結子会社19社、持分適用会社1社で構成される、コングロマリット企業です。コングロマリット的な感じはサイバーエージェントに似ていますね。

それではVOYAGE GROUPの有価証券報告書を元に、セグメントを見ていきましょう。

メディア、アドテク事業が主軸。収益性は上昇中

コングロマリット企業VOYAGEのセグメントは「メディア」「アドテク」「インターネット」の３つに分かれます。セグメント別のPLを最初に把握すると頭に入りやすい。

主要サービス、子会社を各セグメントに並べるとこうなる。

メディア：ECナビ、Pex、リサーチパネル
アドテク：adingo、Zucks
インターネット：リサーチパネルエイジア、ソーシャランド、サポーターズ、VOYAGE VENTURES

ECナビを中心としたメディア事業、SSP「fluct」を擁するadingo、スマホアドネットワークのZucksによるアドテク事業がVOYAGEの中核となっています。有価証券報告書に記載のある主要子会社毎の売上などをまとめると下記にとなります。

2013年から2014年にかけてメディアもアドテクも大幅に利益率を上げており、2013年の情報のみだと判断しにくいのですが、メディア事業の方が収益性は高そう。アドテクはSSPよりはアドネットワークの方が収益性が高そうな構造なのでしょうか。（この辺は素人なので、突っ込んだコメントは今回控えますが）

成長性はアドテク＞メディア！アドテク事業が鍵？

連結のPLの詳細も載せておきます。

今後もあまり広告費がかからなそうなモデルですね。人件費もここ2-3年はほぼフラットです。

あまり連結PLみてもインサイト出せなかったのでセグメントに戻ると、2014年2Qではアドテク事業の売上がメディア事業の売上を逆転。営業利益はまだメディア事業の方がありますが、今後の成長性の鍵はアドテク事業といえそうです。

アドテクといえばDSPではフリークアウトが上場承認が降りており、SSPではジーニーも上場を控えているという説があります。ちなみに、The StartupではジーニーSSPを採用しており、アドセンス並に収益が出ています。まさにメディアの救世主ですね。

VOYAGEの上場記事にも関わらず、敢えて空気を読まずに紹介しますが、ジーニーSSPは梅木紹介によるとお得なキャッシュバックキャンペーンをこっそり実施中です。気になる方は僕に個別にご連絡下さい。SSPはとっとと導入した方がいいです。月10万PV以上ある個人ブロガーの方でもぜひ。

RTB取引の伸びにより、SSP「fluct」の売上高も伸びていくでしょうし、スマホアドネットワークも今後需要増が見込まれるのではないでしょうか。

VOYAGE VENTURESのポートフォリオはユビレジが良い

最後におまけがてら、子会社のVCであるVOYAGE VENTURESの現状のポートフォリオを紹介。

最注目はユビレジ、U-NOTE、Campfireは当たりはせずにマイナーな感じでの売却によるEXITが想定され、大穴でドウゲンザッカーバーグといったところでしょうか。シード投資で100万円〜1,000万円単位のようです。それくらいシードであれば、ユビレジあたりで一発回収ができるかもしれません。シードなので止むなしですが、パッと見半分くらいの案件はキツそうだなという印象です。