先週のスクーの講義で「まださほど顕在化していない注目分野を教えてください」という質問を受け、その場で唯一すぐに答えられませんでした。いい質問ですね。僕なりにいくつか考えてみました。確実な予測と妄想が入り交じりますが。実はああいう講義は講義をする方がスライド作ったり、質問受けたりで一番勉強になるのです。
1:タブレット・コマース / アド
スマホ市場が既にレッドオーシャンであることは疑いの余地がないと思われますが、タブレットはまだまだブルーオーシャン。日本国内の普及台数の予測によるとさほど急激に伸びはしないようだが、市場があることに間違いはない。
上記図:2012年度の国内タブレット市場は427万台の見通しから引用
2014年は667万台の予測となっている。ちなみに2012年度日本国内iPadのシェアが約半数と報じられているが、グローバルではAndroidの方がシェアを上回っているようだ。
タブレットはデザイン性の高いものと相性が良く、実際にデザイン系のコマースではスマホよりもタブレット経由の売上があるという話もちらほら聞く。タブレットアプリでのコマースは今後売上げがかなり上がっていくだろう。商材によってはスマホ対応より先にタブレット対応した方が良いかもしれない。
一方で、タブレットでの広告市場もまだ未成熟ではあるが、リッチなクリエイティブを活かした広告でCVRがPCを上回るという予測も出ている。
タブレット広告、2013年中にコンバージョン率でPC広告を上回る兆し
そろそろタブレット市場に特化したスタートアップが出てきても良いかもしれない。タブレット・アドのクリエイティブエージェンシーとか。知育アプリなどはタブレットと相性が良いとされ既に力を入れているようだ。タブレット戦略は早めに手を打った方が果実は大きそう。
2:パーソナライズ・コマース
これはとある方と情報交換していて伺った分野。バーティカルコマースは今年かなり活発な注目分野の一つですが、Gunosy的な概念でコマースももっとパーソナライズがあっていいのではと。
既存のコマースは購買や閲覧ロジックに基づく「レコメンド」はあるものの、レコメンドでは弱い。趣向をいくつか入力していったりして、そこからテイストを読み取って「こんな商品どうですか」と提案する。レコメンドの精度を上げた感じといえるでしょうか。上手く言い表せないけど。パーソナライズによってセレンディピティがあり、買う。というユーザー体験。
StyleSeekという海外のサービスがまだけっこう粗くは見えますが、会員登録時に好きなテイストを選択していき、それに基づく商品が紹介されるようになる。この辺はまだ何かできそうな余地があると思う。コンシェルジュまで人為的でなくとも、コンシェルジュとレコメンドの間。くらいなものが。
3:ネットタレント育成事業
既にオウンドメディアは今年の注目分野ですが、これだけ情報が増え過ぎるとオウンドメディアを立ち上げただけでは読まれません。いいコンテンツを作れば読まれるというのは必要条件ではありますが、それだけでは不十分。
オウンドメディアの創り手は書けるだけじゃなくプロモーションスキルもないと厳しそうという話を以前書きましたが、オウンドメディアのプロモーションに特化したブロガーエージェントみたいなのものにニーズがあると思う。ネット上のタレントを育成する事業とも言い換えられます。
アメブロを中心に素人ブロガーが自然発生してきて、一部は大きな影響力を持つようになりました。これを自然発生ではなく、タレント事務所のような形でもっと戦略的に育成してタレントを増やすという事業にニーズを感じます。情報量は増えるばかりですが、情報を伝える影響力持つプレイヤー数も比例して増えているかというと決してそうではなく、現状は一部のプレイヤーが巨大な影響力を持つ構造です。ネット上で影響力を持つタレントを組織的に育成する。ここは注目に値する分野になるかと思う。
5つ出してみようかと思ったのですが、無理でした・・・。色んな方にお会いして議論し、見識を深めていきたいと思います。
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