株式会社リーディングマークは2013年11月4日、学生がスマホで撮影した自分の動画を通じて企業に応募したりスカウトを受けることができる就活メディア、recme(レクミー)のα版を 11 月1日にリリースしたことを発表した。リリース記念として先着 50 社限定で「1 人目の採用が無料」の特別料金プランを提供している。同時に、サイバーエージェントベンチャーズ(以下CAV)からの5,000万円の資金調達も発表した。担当はCAV代表取締役の田島氏が務めることからも、気合いが伺える。
recmeを始めようと思った理由を、リーディングマーク代表取締役飯田悠司氏に伺った。
一つは、学生の才能が埋もれてしまっていること。今のESでは、その人の本質を表現できないと思います。文字だけではなく、話している様子やビジュアルなども含めて「自己表現」していただけると、学生の才能を見える化できると考えています。
もう一つは、企業の採用があまりにも非効率であること。面接の最初の数分間で、相手の印象はある程度分かると思います。学歴や職歴だけで、面接に呼ぶ人を決めると、「この人は無いな」と感じる候補者が多数応募してきます。しかし、面接の最初の数分で帰れと言うことはできないので、60分面接をせざるを得ない。これは、膨大なリソースの無駄です。
元々recmeの構想自体はあったのですが、動画を手軽に撮影できるスマホや、スピードの速い回線が整ってきて、ようやく構想を実現できるようになりました。
尚、リーディングマークは年間来場学生数約 10,000名、年間取引企業数約 200社を誇る、学生の就活・採用支援を行っており、特に首都圏上位校(東大・慶應・早稲田等)では、No1の集客力を誇っている。(参考イベント:キャ リアメッセ)
正直、スマホ動画採用というだけではシステム上の競争優位性を築くことは難しいが、recmeは既存事業の延長線上の事業であり、学生やクライアントへの認知がある程度あるという点が最大の競争優位性になると筆者は考える。代表取締役の飯田氏の営業力に期待がかかる。新卒市場から着手し中途市場へも拡げ、「ポストLinnkedinを狙いたい」と飯田氏は語る。ビジネスモデルは下記。
■recmeビジネスモデル
システム利用料は3万円/月〜
1人目の採用は60万円/人
ポスト・エントリーシートの採用市場の概要を振り返る
エントリーシートを通した採用活動に限界があることは市場でも認識されており、エントリーシートではない採用手法を提供するスタートアップも増えてきている。
■新しい採用手法を提供するスタートアップサービス
1:Wantedly:ソーシャルログインで興味のある企業を探す
2:CodeIQ:エンジニアがコードテストをして、その結果を見て企業が声をかける
参考:既存モデルを変える!成功チームの要素(2013/11/1発売月刊事業構想:梅木執筆)
3:ビズリーチ:年収1,000万前後以上を対象とした会員制転職サイト
参考:キャッシュポイントが豊富なビズリーチのビジネスモデルの考察
雑誌の取材で知ったのですが、リクナビを有するリクルートですらES採用の手法に限界を感じて新しい採用手法のサービスに参入しています。採用市場は明らかにマーケットがあり、リーディングマークのような採用市場で実績のある企業はアップセルしやすく、手堅くサービスを伸ばしていくのではと本誌では予想します。
海外ではHirevueという動画採用サービスがあり、動画採用支援ASPを提供している。セコイアなどから5,300万米ドル(約53億)を調達し、インテルやウォルマートなどの大手で既に導入実績がある。Hirevueのリリースによると、採用工数が1/9に、採用コストが1/10になったという。
参考:Video Interviewing Platform HireVue Grabs $25 Million From Sequoia For Deeper Push Into HR
筆者の感想としては、少なからず面接をする側やコーヒーミーティング的なものやイベント後の懇親会で初対面の人と会いますが、その人と話し続けたいと思うか否かって会って1-2分で無意識的に判断している気がします。懇親会での振る舞い方についてはUmeki Salonで述べましたが、適切な会話のキャッチボールができる人って相対的に見ると少ないんですよね…。ということで、動画採用で初期スクリーニングするというのは非常の効率的で確実な需要があると思います。
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