twitter・ビッグデータ銘柄のホットリンクが上場

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師走のIPOラッシュに向け、本誌では平日の15-18時を空けておいてIPO発表に備えるという臨戦態勢を11月は敷いていきたいと思います。一の部の効率的な読み方も覚えてきましたw

本日の発表はビッグデータ関連銘柄であるホットリンク。オプトの子会社であり、オプトが株式の36%を保有。ソーシャルメディア分析を行うクチコミ@係長という法人向けビッグデータ活用ツールの販売が主力授業です。

法人向け月額サービスは未上場領域でもユーザベースやトークノートのようなサービスがありますが、売上が立ちやすいのがいいですよね。

スクリーンショット 2013-11-01 16.56.532012年度売上6.4億・営利4,200万、2013/2Qで売上4.1億・営利6,300万円と営利ベースでは通期で倍増以上になりそうです。
参照:ホットリンク一の部

クチコミ@係長のビジネスモデルとそのニーズを探る

事業セグメントは4つ。Saas、ソリューション、レコメンド、その他(着メロなど)とあります。主力はSaasになるためそこに絞って見てみましょう。Saas事業の中にはホットリンクの代表的な事業でありIVS2011Fallで優勝したプロダクトであるクチコミ@係長。もう一つソーシャルリスク監視サービスであるe-miningというのがあります。

スクリーンショット 2013-11-01 17.20.47クチコミ@係長:トライバルメディアハウスなどが販売チャネルに

初期費用:10万円、月額:10万円、累積導入実績:700社

スクリーンショット 2013-11-01 17.24.56twitterやブログの分析によりキャンペーンの効果測定やリサーチに活用できるソーシャルメディア分析ツール。システムのアルゴリズムがすごいとか言われていた気がしますが、エンジニアではない僕にはわかりません…(Gunosyのロジックの模倣困難性を判断できないように)

ソーシャルメディアマーケティング周辺領域のツールであるがゆえ、ソーシャルメディアマーケティング関連会社との相性が良いはずで、現にトライバルメディアハウスへの販売実績が2012年度1.5億、2013/2Qで0.7億となっています。これは親会社のオプトより高い数字であり、密接な関係が伺えます。(注:トライバルの数字はe-miningを含んでいる可能性があるため、クチコミ@係長でこの数字とは言い切れない)あとはサイバーバズやアジャイルメディアネットワークスが主要代理店のようです。

リスクとしてはアライドアーキテクツの上場解説記事でも触れましたが、ソーシャルメディアの活用状況に左右されるという点が挙げられます。とはいえ効果検証やリサーチというニーズはキャンペーンほどは波に左右され難いと考えられ、ダウンサイドリスクは他のソーシャルメディア関連銘柄より低いと思われます。

e-mining:投稿監視事業

初期費用:10万円、月額:10万円+従量課金、累積導入実績:890社
株式会社ガーラバズをM&Aして獲得した事業。投稿監視事業であり、上場企業では類似会社にイーガーディアン(以下EG)があります。時価総額は約40億と冴えませんが。EGとの違いは法人に向けてマーケティングツールで考えようによっては攻めのツールといえるクチコミ@係長とのクロスセルで守りもしっかりやりましょうということで売りやすい。営業上のシナジーがあったためM&Aしたと考えられます。

あとは提携により2chを網羅しているとか、人力目視のEGに対してシステム上の優位性があるとかそういうプロダクト面の差別化もできてそう。EGが売上を落としていったのもホットリンクに浸食されていたからなのかもしれません。実務でEGの投資検討をした際にガーラってあったなあと懐かしくなりましたw

市場からはtwitter&ビッグデータ関連銘柄と見られる

基本的には法人向けの月額課金モデルで半年か1年の契約期間を選択するモデルあり、キャッシュフローは安定しやすい。販売には代理店を使い、手数料を払いつつもシステム力を武器としたツールを販売するモデルあり人員をさほど必要としない。現に社員数は29人と上場する企業にしてはかなり少ない。営業マンをあまり抱えていないのでしょう。

売れば売るほど営業利益率は上昇していくと思われ、ダウンサイドリスクも他のソーシャルメディア企業ほど高くないと見積もれることから、ファンダメンタルズは堅調に推移することが予測されます。

上場のタイミングをわざわざ狙ったかはわかりませんが、クチコミ@係長はtwitter分析を押し出していることもあり、市場からはtwitter関連銘柄と見なされるでしょう。バズワード化し期待先行型のビッグデータ関連銘柄でもあり、しっかり売上利益を手堅いモデルで出していることからも市場から評価されやすいのではないかと予測します。

営業利益が前期1億満たないため(今期は1.5-2億ほどの見込みでしょう)時価総額100億を超えることは難しそうではありますが、EGほどの水準には落ちないでしょう。市場の期待感も高そうなため、公募価格から2-3倍跳ねてもおかしくないと思われます。主幹事は野村なので公募価格を甘めにすることはなさそうですしね。

メディアドゥ、アライドと渋めの判断を出してきたThe Startupですが、ホットリンクの上場は好意的に捉えることができそうです。クチコミ@係長のポテンシャルについては現場で販売したり利用したりしている人に聞いて判断する必要があるため、トライバルメディアハウスの植原君にでも会った時聞いてみたいと思います。

ネット業界の転職ならブライツを知らなきゃヤバい

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