買収におすすめなスタートアップ3選✧。*

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拝啓

大手ネット企業M&A担当の皆様へ✧。*

mery的なノリのタイトルにしてみましたが、マジメな記事です✧。*。今年は大手ネット企業によるスタートアップ買収が増えると踏んでいます。まず各社の現預金保有状況をこちらの記事でおさらいしましょう。

大手企業に5億円程度のスタートアップ買収をすすめる理由

先の現預金保有ランキングには約25社のインターネット上場企業が登場していますが、上場後は①既存事業伸ばす②海外展開始める③新規事業立ち上げる④M&Aする。この4つのどれかないしは掛け合わせでエクイティストーリーを描きます✧。*

スタートアップ買収は新規事業立ち上げとトレードオフ的な感覚だと思います。大手ネット企業が新規事業を立ち上げるのに1億円程度の予算を最初は設け、5-10人程度で半年くらい開発して(年収500万×10人×半年=2,500万)プロモーション費もかけてみたりする。サービスの最初の仮説検証には5,000万から1億必要。ここでダメならすぐ撤退できる企業であれば良いですが、ダラダラやって数億円溶かすケースもある。

DeNAのcommは派手にTVCMもやったので数十億円使い、速やかに縮小方向へ向かいました。サイバーエージェントは(おそらくは)1-3億円程度の予算でコミュニティサービスを何十個も立ち上げていますが、未だに収益貢献しているサービスは少なく、撤退ギリギリのラインにあるサービスも少なくないでしょう。

当たるかわからないものに3億くらい投下するなら、当たる兆しがあるスタートアップを5億くらいで買収した方が効率的ではないでしょうか♡

大手ネット企業の買収におすすめなスタートアップ3選✧。*

ここからは私のTMTセクターのIBDごっこです。ほんとは5選にしたかったけど、3つしか思い付かなかった✧。*

提案内容:5億円程度のスタートアップの買収
提案先企業:Yahoo!、楽天、サイバーエージェント、DeNA、GREE、LINE

■各スタートアップ選定理由

・5億円程度で買収できるスタートアップの経営者は20代が多いと推測される。頭が固い30代よりも20代の若い感性を買収して取り入れたい。20代経営者の方がアクイハイヤー(買収による採用)コストを低減しやすい。

・買収対象企業の経営者がロックアップ後に抜けても、機能する仕組みを既に作れているないしは作れそうなサービスに限る✧。*

■1:mery⇒Yahoo! or サイバーエージェント(推奨価格:5億円)

スクリーンショット 2014-02-04 15.32.19・推奨理由
meryのような20代前後の女性に特化したメディアは国内には少ない。サイバーエージェントが買収するメリットとしてはGIRL’S TALKのような女性媒体と相互トラフィックを流す効果を見込み、20代前後の女性の滞在時間や市場占有率を高める。Yahoo!が買収するメリットとしては、コミュニティファクトリーのような女性向けアプリを量産する部隊と相互トラフィックを流せば、20代前後の女性の滞在時間を伸ばせる。

・提案価格理由
10億で買うほどの段階にスケール前に、5億程度で手を打っておくのが、買い手としての賢い判断だと思う。1年経ってしまうと、10億以上の価値に上がってしまうことが予測され、早めに買っておくべき。

■2:U-NOTE⇒LINE(推奨価格:3億円)

スクリーンショット 2014-02-04 15.45.24推奨理由
・まとめサイトであるU-NOTEは同じくまとめサイト元祖であるNaverまとめと親和性があると考えられる。Naverまとめはビジネス系に弱く、ビジネスジャンルに特化したU-NOTEはNaverまとめの弱みを補完できる可能性がある。両者で異なるのは、Naverまとめはタイアップコンテンツ以外はほぼCGMで、U-NOTEはコンテンツを内製している点。CGMの砲がサービス運営コストは下がるのですが、U-NOTEのように内製コンテンツで質を一定レベルで担保するものがNaverに組み込まれてもいいと思う。

提案価格理由
・ヴェンチャーユナイテッド、ANRIから数千万円を調達したばかりのようだが、ヴェンチャーユナイテッドは渋めのValuationを付けることが想定されるため、1.5-2億レンジのValuationと想定される。高くなり過ぎないうちに、3億くらいで買っておきたい。

参考記事:打倒東洋経済を標榜するビジネスノウハウサイトU-NOTE

■3:アトコレ(The New Classic)⇒LINE(推奨価格:1.5億円)

スクリーンショット 2014-02-04 15.46.16・推奨理由
バイラルメディアとして期待がかかるThe New Classic。媒体資料にPVは載っていませんが。。バズるコンテンツを創れる人材は貴重なので、この買収はアクイハイヤーとして考えると良いと思います。LINEが買収してBLOGOSを少し拡張したり別ブランドでバイラルメディアを作るアプローチを取っても良いし、同メディアはYahoo!が手掛ける(提携する?)The Pageと似たようなコンセプトで(The Pageよりコンテンツいいと思うので)Yahoo!と組むとか。

・提案価格理由
サムライの投資後は特に増資の話を聞かないため(聞かないだけで増資してるかもしれませんが)していなければValuationは3,000万円。編集に携わる人間が多くないメディアであれば、1-2億のレンジが妥当かと思います。どれだけ収益を見込めるかにもよりますが、月次営業利益の18ヶ月分という考え方もありますね。

ホントは5選にしたかったけど、そんなに思い付かなかった…。あとDeNAは知的EXILE的なカルチャーが強すぎて、スタートアップのPMIのイメージが沸かないのと、GREEもポケラボは買収しましたが、スタートアップを買収してもシナジーを創れるイメージがない。

安けりゃいいわけではない。適正価格を見極めろ

M&Aの考え方には思い出のエピソードがあります。

新卒で入った企業でM&A担当の人が目の前に座っていました。新卒入社したばかりの4月に僕を西麻布の高そうなお姉ちゃんがいるお店に連れて行って、ご馳走してくれるのかと思いきや翌朝1万円を請求されて、新卒の1万円って相当に痛いんだけどな…という思い出があり、あまりいい思いをしなかったのですが、この人が言っていたことで唯一記憶に残っていることがあります。

「安ければ買ってもいいのか?適正価格を見極めろ」

僕のプライシングに対する考え方はこの時の経験が大きいかもしれません。「この企業、いくらなら買ってもいいか考えてみろ」「○億円くらいですかね」「理由は?」「えーっと、これくらいでいいんじゃないかと(DCFコネコネしたりはしませんでしたが)」

その価格で買う理由をしっかり説明できないといけない。特にスタートアップの買収はまだ売上が上がっていないケースもあるから難しいでしょうが、Facebookのinstagram買収は当時10億ドルって売上もないのに高すぎないか?という説もありましたが、Facebookがリスク要因を潰したり、最近発表したスタンドアプリ戦略にも(結果的には)乗っ取っているわけで、今やあの買収が割高だったなどという人はいないでしょう。

企業買収から話はだいぶ離れますが、日々の買い物においても「適正価格なのか」というコスパに対する意識はだいぶ高まりました。洋服ではセールになる商品とならない商品やラグジュアリーブランドとファクトリーブランドの質にさほど違いはないことを見極める。レストランでは立地やプロモーション費用などが価格に乗っていて、価格ほどの味ではない。例えば、銀座の鮨屋は割高であると冷静に感じることもあります。

話を戻してスタートアップのM&Aが増えていくでしょうが、将来の成長し得も見据えた上で、いくらが適正価格なのかを考えましょう。なんて、拝啓M&A担当の皆様には周知のことかと思いますが、買収提案を記事で公開するメディアも見たことがないので、やってみました。

今後のスタートアップの立ち上げ方として、空いている市場を見つけて、買い手を明確に想像した上でやるというのはアリというか、もっとそういうやり方多くていいと思うんですが。

注:私は提案企業いずれのFA(ファイナンシャルアドバイザリー)ではございません。
注:僕は西麻布の高そうなお姉ちゃんがいる店は適正価格とは思えません。

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