打倒東洋経済を標榜するビジネスノウハウサイトU-NOTE

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スタートアップ業界では堅調に伸びそうなところは一通り億単位の資金調達を実行し、シード・アーリーステージで有望なスタートアップはかなり減ってきている。そのようなご時勢だからこそ、The Startupは有望なスタートアップを紹介していく意義があると感じている。今回はビジネスマンのためのノウハウまとめサイトであるU-NOTEを紹介する。平たく言うとビジネス系特化のNAVERまとめだ。

スクリーンショット 2013-12-13 16.20.26株式会社U-NOTE代表取締役小出悠人氏に今後の展望を伺った上で、The Startup独自の見解を本稿で述べる。

イベント特化からビジネス特化へPivot後、成長軌道に乗る

U-NOTEといえばイベントレポートに特化したまとめサイトという印象があった。私自身、あまりイベントに足を運ばず(足を運ばなかったイベントを批判した記事を出して批判を浴びたこともあった)各サイトで情報収集している。U-NOTE的なまとめがあれば、ネットワーキング以外で現地に足を運ぶ必要があまりない。そういう観点でU-NOTEは度々読んでいた。久しぶりに本体サイトを覗くと、ビジネス系に特化していた。

2013年6月頃からビジネスノウハウまとめに特化しました。特化後はPV月次150%前後で成長しています(小出氏)

また、ビジネスモデルについては「最低5,000PV保証の記事広告」と語っており、小出氏自身が営業を手掛ける。インターネット上のビジネス誌の1記事1万-1.5万PV程度(注:公開時5,000と記載したが後ほど訂正した)の広告費相場は約50-100万円だという(U-NOTEの単価は非公開)

東洋経済などネット系ビジネス誌を凌駕するPVへ成長?

現状の月次成長率を維持すれば、2014年春には東洋経済や日経ビジネスオンラインなど大手ネットビジネス媒体と並ぶほどのPVになるという。そこまでになるんかい!と驚いたが、東洋経済で月間PVは5,300万ほど。

1記事で取れるPVはどれだけ大きくても100万PV。低コストで記事本数を増やすことでPV増加を実現したい(小出氏)

U-NOTEの記事は学生アルバイトやクラウドソーシングを駆使して、低単価でノウハウ記事を量産している。nanapiに近いモデルとも言えよう。書き手が誰であるかという重要性は低く、誰でも生産可能なコンテンツ工場を標榜しているようだ。現状は、オピニオン記事はない。

東洋経済など従来型ビジネスメディアとの違いは下記となる。

スクリーンショット 2013-12-13 16.59.51いつも通り、ポジショニングマップは2つの比較では無意味という意見は受け付けない。

従来のビジネス分野メディアは記者や名のある寄稿者を募りコンテンツを制作する。一方でU-NOTEは学生アルバイトとクラウドソーシングで低単価で制作をしていく。PV換算制作費はU-NOTEモデルの方が低減しやすいといえる。本数増により検索流入も増えていけばU-NOTEのPVが東洋経済などを追い抜くことは想像に難くない。

ビジネス分野でノウハウ特化で記事本数を伸ばす戦略

仮にU-NOTEが東洋経済のPVを追い抜いたとして、U-NOTEがNo.1ネットビジネスメディアと市場から認知されるようになるのかには疑問が残る。現状のコンテンツの質では、イベントのまとめなどはたしかに助かるのだが、制作コストを掛けている東洋経済などの著名な書き手による記事の方が面白いと、いち読者としては感じる。

U-NOTEのノウハウ記事、たとえばマッキンゼーマフィアの記事などは4万PVと読まれているようだ。こういう特殊な切り口を元に事実を繋ぎ合わせる記事ももちろん需要はあるし価値もある。

PVという指標はたしかに重要ではあるが、媒体価値を高めるにはPVだけではなく、どれだけ読者の心に印象を残せるか、記録ではなく記憶されるような記事を出していくことが大事だと、同じメディア運営者としては感じている。オピニオン記事>超えられない壁>まとめ記事であると短絡的に主張しているわけではない。どちらも価値あるものないものの玉石混合だ。

GunosyやNewsPicksなど一次コンテンツを拾うキュレーションメディアが台頭していく中で、情報元となる一次コンテンツの価値が上がっていくと私は考えている。現にオウンドメディア隆盛の兆しはそれを反映した現象だ。記事量が増えていく中で勝つのは、記事量が圧倒的なメディアが質が圧倒的に高いメディアであろう。後者はFind Job Startupなども挙げられる。

ビジネスメディアで前者の戦略を取るところは少なく、そこを担うU-NOTEに勝機は十分あるように思える。ビジネス分野であれば記事広告などでの収益化もしやすい。オピニオン記事、まとめ記事どちらの価値が高いとう話ではなく、どちらも需要があり、まとめ記事で分量を稼ぎにいく戦略を取るメディアもあって良いであろうというのがThe Startupの見解だ。

従来の記者を抱えるメディアよりもコストを圧縮できるため収益性も高い。有望なシード・アーリーステージの案件が枯渇してきた中で、U-NOTEはシリーズAの投資家へThe Startupからお勧めできる数少ないサービスである。

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