KDDIが出資したHailoの日本上陸で、オンデマンドタクシー市場が競争激化

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みややっこがお届けします。KDDI Open Inovation Fundといえばorigamiやレアジョブといった国内の話題のサービスのイメージが大変強く、7/18にはMONOCOへの増資が発表され、ますます注目が集まります。KDDIは国外のスタートアップにも出資していて、そのなかでも今回は世界各国で進出競争が行われているタクシー配車サービスのHailoについてご紹介します。

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ロンドン発の世界的オンデマンドタクシーHailoとは

Hailoは2010年リリースのオンラインタクシー呼び出しサービスで、ロンドンとNYを拠点にしています。現在はダブリン・トロント・シカゴ・ボストン・マドリッドで利用が可能になっており、今後は東京・ワシントンD.C.・バルセロナに進出する予定です。

年間およそ100万人を運び、100億円の売上にまで成長しました。これまでにHailoが行った資金調達は、下のようになります。そして既に藤井清隆氏が日本およびアジア太平洋のCEOに就任しており、本格的なアジア進出への準備を進めています。

■Hailo資金調達

シード:300万ドル(Atomicoなど)
シリーズA:1700万ドル(Accel Partnersなど)
シリーズB:3000万ドル(Union Square Ventures・KDDIなど)

出典:Crunch Base

世界及び日本の競合サービスとの比較表

HailoとブラジルのEasyTaxi、日本の競合アプリを比較してみましょう。(HailoとEasy taxiは現在日本未対応なので、拠点であるロンドンとブラジルのサービス状況で比較します)

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国内のタクシー配車サービスでよく使われているものの大半が下記2つに分類されます。

①タクシー会社のアプリで自社タクシーのみに対応
②タクシー会社から出されたアプリで地域拡大のために他社と提携

Hailoはロンドンのタクシードライバーと起業家によって設立されましたが、日本のタクシー業界と提携する上でどのような交渉が行われるかが気になるところです。(今回就任したアジアの代表はタクシー業界の方ではないようです)

Halioはすで3カ国に展開していますが、各国の都市を網羅的にカバーしている訳ではなく、あくまで大都市のみの展開となっています。日本でも同様だとすれば、あくまで東京(その後大阪・福岡も)の地域のみが利用可能になる可能性が高く、全国のタクシー団体や会社と手を組んだ全国タクシー配車に比べて、かなり局所的になります。

南米をカバーするブラジル発のEasy Taxi、アジアにも進出

スクリーンショット 2013-07-29 11.12.19ブラジルのEasy Taxiは、あのロケットインターネットを中心とした投資家から25万ドルを調達しています。Easy Taxiは南米ならではのニーズに応えていて、iOSとAndroidの他にBlackBerryのアプリも出しています。

Easy Taxiもマニラ・香港・バンコクといったアジアに進出する予定で、Halioのライバルになることが予想されます。現在すでに20都市に対応しており、現在はHailoと同じ地域に進出していませんが、今後どのように二つのサービスが世界を制覇していくのか目が離せません。

かけもち運転手が実現出来るUberはライドシェア事業へ

スクリーンショット 2013-07-29 11.11.39またHalioやEasy Taxiの類似サービスとして有名なUberがあります。日本のポケットタクシーに似ているサービスで、運転手ごとに選択および評価が出来るのでリムジンのような感覚でタクシーを選ぶことができるという仕組みです。個人タクシーに有利なサービスと言えます。

Uberの創業はHailoと同じ2010年ですが、より高額の資金調達を行っており(文章下参照)、昨年には日本がアジア最初の進出国だと言われていました。結果としては日本より先に、今年の6月にソウルと台湾に立続きにリリースしましたが日本への進出もそう遠くはないでしょう。

■Uber資金調達

シード:20万ドル:Garrett Camp・Travis Kalanick
エンジェル:125万ドル(First Round Capitalなど)
ベンチャーラウンド:1100万ドル(Benchmarkなど)
シリーズB:3700万ドル(Menlo Ventures・Jeff Bezos・GoldmanSachs・Benchmark・CrunchFundなど)

出典:Crunch Base

そしてこのUberが遂にライドシェアリングサービスにも着手しているとのことで、筆者の中で一気に注目度が増しました!以前筆者の個人ブログでもライドシェアリングサービスのFare/shareについて紹介したのですが、その際にやはり料金をどうするかと言う複雑さやややこしさ(一方はA地点まで、もう一方はその少し先にB地点に行くという場合など)と見知らぬ人同士で乗る危険性がやはり気がかりでスケールしにくいのではという印象がありました。

Uberにはタクシービジネスの経験と資金が他の競合サービスよりもあります。Uberがこの二つの問題を解決するのを楽しみに待ちたいところです。

タクシーの余剰(待機タクシーや周遊タクシー)といった深刻な問題に対して、Hailo・Easy Tax・Uberは効率的に問題解決を実現することができます。タクシーの市場規模1兆8000億円のなかで各サービスがどのようなポジションをとるか今後注目していきます。



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