ざっくりいうと…
・クリエイティブクラスとコモディティクラスの格差は、ここ5年で確実に拡がっている
・現代は経済をベースとするか否かの旧価値観と新価値観が混在している
元Tech Wave編集長・湯川さんのKindle本を読みました。未来予測 ―ITの次に見える未来、価値観の激変と直感への回帰
イケダハヤトさんの記事によるとKDPで1,000冊売れたんですね。しかも1,250円というKDP上では強気の価格設定。僕も購入に躊躇しましたねw
いくつか気になった点をご紹介。実はこの本を読み解く最大の鍵はイケダハヤトさんに代表される新しい価値観だと思います。同じ表現者として比較的近しい(主にオンライン上で繋がりを勝手に感じる)お友達だと思っているイケダさんの考え方。若干の影響を受けているようで、実はしっかり向き合えていないのが僕の本音です。後述する「2つの価値観の狭間で揺れる」のは僕にも当てはまりますね。
この手の記事はPVは見込めないでしょうが、考えておくべきことではあるので、感想文的に書いておきます。
クリエイティブクラスの本格的な到来で格差が飛躍的に拡大
いきなり第7章の話に飛んでしまうのですが、僕が学生だった2008年に読んだリチャード・フロリダ教授のクリエイティブ・クラスの世紀。当時は本の表紙がカッコ良く、学校帰りのアカデミーヒルズでお洒落ぶって読んで、へー、クリエイティブねえ。と思っていたのですが、2013年現在、僕自身はおそらくクリエイティブクラスに分類される立場になったといえます。
機械に代替できる仕事は機械に代替され、クリエイティブな思考がある人材が生き残る時代。ライティング業かて、logmeなどの出現で、記者会見の書き起こしなどは今後不要になるでしょう。僕自身、誰でも書ける文章ではなく、自分にしか書けないと思われるようなクリエイティブに徹底的にこだわる理由はここにあります。クリエイティブクラスとコモディティクラス(これは僕の造語)の格差は今後拡がるばかりでしょう。
クリエイティブクラスは場所に捉われないという考え方からも、僕は今後英語で記事を書けないと生き残っていけないのではないかとかなりの恐怖心を抱いています。書き手としてもうワンランク上にいくには、英語で取材して記事を発信できるレベルにならないとヤバいでしょう。
経済が成功の指標か?:2つの価値観の狭間で揺れる時代
第8章が「2つの価値観の狭間で」というタイトルですが、新旧の価値観の最大の違いは経済に対する価値観。
旧時代の価値観:経済をベースとする
新時代の価値観:経済を必須のベースとはしない
「労働=貨幣を得るため」という旧時代の定義で働く人々にとっては、「貨幣を得るため以外に労働の意味を追求する」、新時代の価値観の人たちに「社畜」と揶揄されると無意識に反発したくなるでしょう。僕は好き勝手やっているように見えるでしょうが、実は旧時代の価値観から脱することができておらず、まさに狭間で揺れています。
僕が独立を選択をした理由は、会社という組織内で自分の能力を最大限に活かせない、社会不適合者であったという理由と、会社の被雇用者というシステムから外れた方が貨幣を稼げるのではないかという仮説があったからです。現にその通りとなりました。
貨幣は大好きです。服好きですし、外食好きですし、好きなことをするには貨幣が必要。よって「稼げるだけ稼ぐ」という価値観は否定できません。しかし「どれくらい稼げばいいのか?」はよくわからないのが正直なところ。累進課税を考えると、ある程度のところで止めておいた方がいいと思ってしまいます。
貨幣以外のモチベーションはその活用次第では、さらなる搾取に繋がるとも思いますし、貨幣をフックにしなくても人を動かす行動原理や心理をマナブ必要があると思います。モチベーション3.0(Drive)にそういう話がありましたが、はっきり言って僕にとってはNPO活動とかは謎のユーザー行動なんですよね。貨幣交換ではない中長期でのソーシャルキャピタルの構築を目指したい感じなんでしょうか。
wiredやクーリエなども踏まえて未来予測はカバーしたい
湯川さんはお会いしたことはないのですが、昔お声掛けいただいて会社員時代にTech Waveにダブルポストで寄稿したことがあります。(この記事は当時の所属先で大いに問題とされたのですがw)あの大正時代かと思うような超絶シンプルなデザインの初期のThe Startupを始めて半年くらいに、コメントをいただいたことも覚えています。
2011年当時の僕にとってはTech CrunchとTech Waveは追うべき二大双璧でした。そんな元Tech Waveの湯川さんもサロンを開設し、シナプス上で肩を並べていると思うと感慨深いものがあります。
The Startupも主にインターネットサービスのそう遠くない来るべき未来を紹介しており、未来予測にはアンテナを張っていきたいところ。wiredやクーリエも未来予測に関するコンテンツが充実しており、事業構想に現在は寄稿していますが、この辺からもオファーがくるくらいになりたいですね。
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