1億「以下」調達まとめ:2012年4月-2013年5月編

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未上場インターネットセクターアナリストのumekiです。やはり市場の概要を掴むのは調達実績からに限りますね。以前は1億以上の調達についてまとめましたが、直近約1年の1億「以下」調達のまとめをお届けします。1,500万前後以上からとしており、シードの500万とかは含んでおりません。

約40社。拾えるだけ拾ったつもりですが、抜け漏れは結構あるでしょうし、調達したことを公開していない企業も多いです。今回はあくまで公開情報から拾ってきました。掲載希望の方がいらっしゃいましたら、FBで私にご連絡下さい。

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出展:TC/SD/Cnet/Venture nowより「資金調達」「出資」で検索した記事+The Startup独自調査。本拠地(多分)国内の企業に限定(2013/6/3に1部修正)

赤セルのスタートアップは私の独断で今後大型の調達ないしはサービスとして跳ねる可能性が高いと判断した企業です。(既に億調達済の案件は赤セルにしていません)ここ1年のアーリーステージの投資実績から、注目分野およびファンドの動向を軽くご紹介します。

注目分野①:Edtech 投資件数5件

投資件数から見るに、ここ1年でアーリーで盛り上がっているのはEdtechといえそう。しかも2013年に入ってからの投資案件が多い。Edtechに関しては本誌でも9月に一足先にまとめおよび事業モデルの考察の記事を出しています。

スマートエデュケーションは既に大型調達済みですが、mana.bo、Best Teacher、Language Cloud、Study Plusの4社はどこが跳ねるのか。EdtechはCAVの林口氏が得意とする分野でもあり、CAVが強い印象です。この分野は近日別途特集企画を組みたいと思いますので、Edtechに関する情報をお待ちしております。

ちなみに、Edtechの先駆者といえるレアジョブが今年から来年にIPOするのでは?という説もあります。

注目分野②:キュレーション 投資件数4件

定義に迷ったのですが、敢えて「キュレーション」という言葉で括ります。
1つ目はキュレーション・ニュースメディアという観点で、SmartNewsとGunosy。SmartNewsはポストヤフトピを狙い、Gunosyはソーシャルメディアなどのログを元に、パーソナライズした記事を毎朝配信してくれるメディア。両社はアーリーステージ随一の有望分野であると私は考えており、Valuationは高騰しやすいかもしれません。だって両方普通に毎日使ってますからね。

特にGunosyは直近4ヶ月で4万人⇒20万人ユーザーが増えて、DAUも50%という驚異的な数字らしいですね。この分野、楽しみにしてます。

もう一つのキュレーションが特定の分野の情報をセレクトして届ける分野。cakesは記事コンテンツですが、雑誌的な感じですよね。ビジネス版週刊少年ジャンプという表現を昔使いました。高級旅館を紹介するreluxはまさにキュレーション。ジャンル特化型キュレーションサイトはまだまだ出てくると思います。

注目分野③:CtoC 投資件数4件

CtoCに分類されるのは、ココナラ、Wish Scope、Fril、チケットストリートあたり。ココナラとWish Scopeがわりとジャンル幅広く、Frilとチケットストリートはジャンル特化型。

ビジネスモデルは成約手数料、広告、月額課金などいろいろやりようはありそうだけど、とりあえず成約数を伸ばしまくるのが重要でしょうね。個人的にはココナラあたりはきっとお洒落なファイナンスをしてきて、Frilとかは手堅くサービスを伸ばしてきそうだなと思います。

CtoCの億単位調達は実はジモティしかないようですね。結構難しい分野で、Livlisもmixiに売却したりしていますから、特にココナラやwish scopeが跳ねるかには注目したいと思います。

注目ファンド①:CAV 投資件数8件(前ラウンド5件)

アーリーステージの投資件数が最多だったのはCAVとなりました。文字通りアーリステージのシーンをリードしているVCといえそうです。非公開案件も多数ありますね。注目に値するのは、今回の数千万円調達のラウンドの前のシードと思われるラウンドも5件ほどありました。

上記の通りEdtechに力を入れている他、投資分野は多岐に渡りますね。cakesに次ぐ億単位調達はどこになるか、注目しています。

注目ファンド②:East Ventures 投資件数6件

スーパーエンジェルとしても名高い松山大河さんのファンドですね。本誌では公開案件以外にも複数の投資実行案件があることをキャッチしているので、実態はもう少し投資件数が多いはず。

家入さんや後述のIncubate Fundとの投資がわりと多い印象。勝手な推測ですが金額は1,000-3,000万円前後が多そう。とあるルートを通して、以前VCの赤本の取材を試みましたが、ルートが悪かったのかお断りされてしまいましたw スーパーエンジェルのファンドのリターンに注目です。

注目ファンド③:Incubate Fund 投資件数3件(前5件)

先日のIncubate Campを主催しているIncubate Fund。Campで採択されて調子が良さそうなところがそのまま増資している模様。2013年に入ってからの増資が目立ちます。2012年中に開催したCampの採択社が増資してきている感じです。前のラウンド(シード)はもっと多いのでしょうが、裏取りできなかったので、3件としています。

Campで見て感じたのは他のシードステージの案件より筋が良さそうで、他と比較すると次のラウンド(アーリー)への進出率は高そうだなと思います。一方で、Valuationが渋めらしいという話もたまに聞きますね。今後もCamp経由での出資はあるでしょうが、Camp以外経由があるのかに注目。

約40社への投資判断及びコメントはUmeki Salonで!

今回は事実を元にした傾向をお届けしますが、個別銘柄に関しては上記のExcelの表に投資判断ABCおよびコメントを付けてUmeki Salonにて近々発表します。

IPO市場の関係者がThe Startupの記事を営業リストに活用しているという噂も聞いておりますので、情報収集がてらUmeki Salonへご入会下さいw

「umekiは投資のプレイヤー側に回らないのか?」という話もたまに聞きますが、事業会社の相次ぐ参入によるレッドオーシャン化を思えば、メディアポジションがやはり一番良いのかもしれません。The Startupに載れば投資家もユーザーも殺到するというメディアにしていければと思います。

尚、資金調達の定点観測は今後も継続していきます。四半期で発表しますので、次回は7月上旬に億単位調達の4-6月まとめの発表を予定しています。
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