Pairs直近月商は3億後半か?凌ぎを削るオンラインデーティング市場

Pocket


2015年9月18日に行われるB Dash Camp@京都で「オンラインデーティングは次のビックビジネスになるか」というセッションが行われる。筆者がセッションのモデレーターを務めることもあり、先駆けて紹介する。

本誌でも度々紹介してきているPairsとOmiaiに加えて、今回はリクルートのゼクシィ恋結びという新規参入プレイヤーも登壇しての3社でのセッションだ。セッションでは突っ込んだ話を聞いていきたいが、その前に各社の事業数値やこの市場に対する筆者の見解を本稿でお届けする。

直近月商:Pairsは3億以上、Omiaiは1億強か?

スクリーンショット 2015-09-17 10.59.44まずPairsの事業数値から。一人平均「月に」39.2人は女性の数値の模様。2015年2月に月額課金の売上推計記事を掲載した際に「月商2.5億円」と予想を出したが、そう遠くない数字ではないかという説を耳にした。それから半年、2015年2月時点の会員数が約165万であり、2015年8月の会員数は260万を突破。半年で約100万の伸びとなった。単純計算でも月商1億程度はアドオンできており、本誌ではPairsの月商を3億円台後半と推測する。

参考記事:最低5年は粘れ!その先に果実が。月額課金12サービス数値比較

スクリーンショット 2015-09-17 11.00.38続いてはOmiai、累計会員数が100万人を突破。上場見送りが発表されているが、その際の一の部からの推計によると、Omiai事業の月商は1億円台前半から中盤と見られる。Pairsのユーザー数は台湾も含むとはいえ、国内の獲得ペースもPairsの方が伸び率が高い模様。

参考記事:上場承認のネットマーケティング、Omiai事業の利益比率は30%

ゼクシィ恋結びに関しては2014年12月リリースと新しく、上記のような月次の伸びのグラフが入手できなかったため、割愛する。

ユーザーの利用動向:普及は進む。特にPairsは女子大生が

オンラインデーティングに対して否定的な考えを持つ読者もまだゼロではないだろう。サクラばかりなんじゃないのか?可愛い子はいないんじゃないのか?という疑問はたしかにあるだろう。

筆者の周囲の利用ユーザーへのヒアリングから、オンラインデーティングで出会える女性については下記のような分析結果となった。

■オンラインデーティングで出会える女性の定性的な傾向

・Sクラスはいないが、Aクラスはたまにいる。街コンよりはルックスレベルは相対的に高い傾向にある
参考記事:街コン体験レポート:Bクラスの姉ちゃんたちの争奪戦?

・合コンのROIが低いと感じ、オンラインデーティングの方がROIが高いと判断して利用する女性が増えている。

・女性大性はPairsを使うのが一般化している模様。大人と出会えるツールとして、同年代の大学生に興味がない擦れた女子大生の利用が増加。

・一方でアラサーのオンラインデーティング利用はまだ大きな声では言い難いようで、こっそり使う人が多い印象。

■実際に出会えた女性の所属企業の例(個人が特定されない範囲で)

・リクルート
・Google
・ゴールドマンサックス
・日本郵政
・ANA
・三越伊勢丹
・CA女子(!)

なんかゼミの就職実績一覧みたいな並びですね。一流企業に勤めるOLでも出会いがなく合コンのROIの低さから、オンラインデーティングへ傾倒しつつある傾向が伺えます。実際に米国では結婚相手との出会いの場が職場結婚に次ぐ2位にオンラインデーティングとなっています。

男性ユーザーはB Dash Campに参加するような経営者層の利用もけっこういるようで、街コンほど栽培マン比率は高くないと思われる。年収データの記載もあり、女性にとっては合コンや街コンより確実に良い男性がいるといえ、利用が進むのも頷ける。経営者は忙しいので、合コンにいく暇がなく、本気で結婚したければ合理的にオンラインデーティングを利用するであろう。実際に、B Dash Camp会場で雑談していたら「Omiaiで知り合った人と結婚した」という方が実際にいました。

街コン運営企業が上場してしまうくらいなので、出会いの市場規模はやはり大きく、かつ未婚率が上昇しているため、未婚率低下で少子高齢化を防ぎたいという国の意向とも相まって、オンラインデーティング市場自体は追い風にあると考えられます。

Paisの独走か?ゼクシィがパワープレーで巻き返せるか?

本セッションのテーマは「マッチングビジネスは次のビッグビジネスになるか」。実際にPairsはこのまま伸びれば月商5億規模に2015年内に乗ってくる可能性があり、宣伝広告費は掛かるものの、原価はさほど変わらないため、高い利益率を確保できると思われる。実際にビッグビジネスになることを見越してか、米国IACグループが買収額は非公開であるものの、3桁億円に乗ると思われる額でPairs運営会社のエウレカを買収している。(推測)

国内ではPairsが数字的には一歩抜け出た感がある傾向が見られる中で、オンラインデーティングは一強となるのか、複数社が凌ぎを削るのか。結婚市場で圧倒的なブランド力を持つ「ゼクシィ」ブランドを冠する「ゼクシィ恋結び」に期待したい。だが、ゼクシィブランドではない、「マッチブック」というリクルートの子会社が出したオンラインデーティングサービスのUIが明らかにPairsと色違いであり、東京オリンピックのエンブレム問題とは比にならないレベルの似具合である。

スクリーンショット 2015-09-17 11.19.51左がPairs、右がマッチブックだ。

というのは一つのギャグとして。

リクルートはエウレカを買収するのが得策だったように思えるが、おそらく価格が見合わなかったのであろう。ここまで類似したサービスを出すのであれば、200億以上でもリクルートはエウレカを買収すべきだったのではないかというのが筆者の見解だ。

とはいえ、オンラインデーティングの普及がキャズムを越えているとはまだまだ言い難いように思える。ゼクシィを読んでいるような人の周囲にオンラインデーティングが波及していったりすると、オンラインデーティングが社会のインフラとなっていく可能性もある。

ユーザーからすると複数のデーティングアプリを同時に使うのは疲れるようにも思え、マッチング回数が多いアプリへと利用は傾倒していく。その点、現段階ではPairsがかなり有利であり、各社とPairsとの差は短期的には確実に開いていくと筆者は感じているが、資金力のあるリクルートがパワープレーで巻き返せるか注目していきたい。Groupon戦争で後発ながらポンパレが生き残って二強となった事例もあり、大手の本気を見てみたい。

ちなみに、2015年9月17日付のApp Storeのトップセールスランキングでは、オンラインデーティング銘柄はPairsが51位、サイバーエージェントの「タップル誕生」が78位、Omiaiが125位となっている。クレカ課金もあるので、App Storeランキングの順位が各サービスの売上順位とは一概にいえないが、案外「タップル誕生」が健闘。しているが、「タップル」ってなんだよ、「タップル」って。イマイチ応援する気にならないが、リア充集団であるサイバーエージェントもオンラインデーティングに参入し、リア充が普通に使い始めると、マーケットは確実に拡大するであろう。

リクルート、サイバーエージェント以外にもDMMも参入しているが、今後オンラインデーティング領域にはまだ参入プレイヤーが増えるのか?それともPairsがぶっちぎるのか、Omiaiは巻き返せるのか?大手のパワープレーによる猛追はあるのか?

続きはセッションでお楽しみ下さい。モデレーター梅木でした。



Pocket

コメントを投稿する

「Pairs直近月商は3億後半か?凌ぎを削るオンラインデーティング市場」に対してのコメントをどうぞ!