企業評判のCGMサイトGlassdoorが広告求人サイトよりも優位性がある理由

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久々の海外サービス紹介。企業の評判や給与を在職者や在職経験者が投稿するGlassdoor。日本でGlassdoorに関する話題は、同社が発表している働きやすい企業ランキングが記事化されていたくらい。

Glassdoorとは面接や給与や評判が投稿される企業CGM

スクリーンショット 2014-01-12 0.21.43上記が企業詳細ページ。twitterへの転職を検討している人にとっては、知人から直接聞く次にこういった情報は喉から手が出るほど欲しいのではないか。給与水準なども生々しく出ているのでも良い。

ちなみにCrunch Baseによると2013年12月にシリーズF?で$50Mを調達し、2007年6月に創立後、調達額の累計は$91.5Mとなった。ちなみに2012年10月にシリーズDを実施したときのTech Crunchの記事によると、2011年頃から伸びてきたらしく、企業評判のCGMという特性上、立ち上げにかなり時間はかかったのだなと感じた。直近で$50Mを調達しているということから、ここ最近は順調に伸びているのではないかと推測される。

転職希望者が本当に知りたい情報は求人ではなく企業の評判

転職活動というとリテラシーが低い順に並べるとこんな行動が想定される。

■転職検討者のユーザー行動

①:転職サイトに登録(情報やスカウト待ち)
②:人材紹介会社に登録
③:Linkedinで自らアタック
④:エージェントも挟まず人づてに紹介

注:全て比例するともいえず、①はビズリーチなど経由もあり得るが、原則的には①②は待ちで③④は攻め。後者の方が高年収での転職となりやすいのではないか。

転職検討者は転職に際し、①求人があるのか②その企業はどんな企業で自分に合うのか(文化や給与など)という情報を求める。②に関しては人材紹介会社などからの情報よりも、その企業で働いた経験を持つ人に聞くのがどんな情報であれ一番役に立つであろう。

簡単に外食領域と求人領域で喩えると、ぐるなびがリクナビ(供給者側の情報掲載のみ)、食べログがGlassdoor(CGM)となる。求人領域でいえば、求人情報のみ掲載されているサイトと、企業の評判が載っているサイト。後者の方がユーザーに役に立ち、滞在時間が伸びるのは当然と言えよう。

CGMでデータ量が増えるにつれて媒体価値が上がり、求人情報もリクナビのような求人メディアに求人を載せるよりも、Glassdoorのような滞在時間の長いメディアに載せた方が、応募が増えるという現象が起きる確率が高い。企業情報のCGMであるがゆえに、何社も転職している人はいてせいぜい1人あたり平均投稿企業数は3社程度だろう。なので投稿数の上限は限定的であり、投稿数が増えるのに時間はかかるであろう。しかし、その分付加価値も高いといえる。

飲食領域では食べログがユーザー課金と店舗掲載課金など多様なキャッシュポイントでエクセレントなビジネスモデルを構築しているが、Glassdoorはユーザー月額課金はされにくいだろうが、従来の求人広告を転職サイトなどからリプレイスできるポテンシャルはあるといえる。単独でIPOを狙えるスケール感はある。

日本で類似サービス「転職会議」を仕掛けるリブセンス

日本国内でGlassdoorにかなり近しいサービスにリブセンスが手掛ける転職会議が挙げられる。実際にGlassdoorを検索してみた結果、日本語の記事はほとんど見当たらないことから日本では相当に知名度が低いと考えられる。正直、私もあまり知らなかった。

転職会議は知っていたが、Glassdoorのモデルをサクっと調べてみただけでも、時間はかかるものの相当筋の良いビジネスモデルに見える。これを隠し球としてニコニコと仕込んでいるリブセンスは相当なやり手だ。転職会議の収益化が始まり、どれくらいの収益貢献が見込めるかが2014年2015年のリブセンスのアップサイドを見極める一つのポイントと言えそう。そこを測る上でもGlassdoorがどれほど収益化できているか気になりますね。

CGMは時間かかりますけど、供給者側により一方的な情報掲載メディアよりも価値が高い領域が多いので、手堅いですよね。


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