サービスの批判は人格の批判と捉えられやすい風潮がある。イケダさんの記事を見ていたらこんなものが目に入ってきたので記事ネタにしてみる。
イケダさんによるサービス批判に対して「中の人たち、これを見てどう感じますかね」というコメント。こういう言論の裏にあるものを考えて、僕として一度意見を言っておくことに価値があるかなと思いました。こういうことをいう人の気持ちも、言われる側の気持ちも理解できます。
The Startupは巷では辛口のメディアと称されることがあります。僕は平然と微妙だと思ったサービスを記事で批判することがあります。批判すらする気にならずスルーするものもありますが。微妙なサービスを「これから来そうですね!」と紹介する方が読者に誠実ではないと思うからです。
まず書き手として批判する側の心理を説明すると、多くの場合はサービス運営者に対する感情はありません。知っていて嫌いな人ならまだしも、ほとんどの場合は直接な知り合いではありません。直接的な知り合いの場合、僕はいじり的に少しウィットを交えたコメントを入れて応援することもありますが。なのでサービスが純粋に微妙だと思って批判しているつもりです。その批判も、事業者にはそれなりに建設的な意見なんじゃないかなと思います。どんな意見であれども。
批判される側の心理を考えましょう。僕もよく批判されるので理解できます。とある若手VCが「The Startupの記事はクソだ」とよく言っている。という話を色々な人から聞いて、感情的に何とも思わないことはありません。記事がクソだと言ってくるやつを好きになれというのは感情的になかなか難しい問題です。一方で、たしかにクソな面もあるよなと認めています。批判の中にも、このロジックが微妙だとか、その根拠を述べてくれている場合は真摯に受け止めています。
なので批判してくるやつを感情的に好きになることは難しいのですが、批判は批判で有り難いものであると受け止めるべきだと思います。どんな匿名アカウントのクソなコメントでも、受け取る側としてそう取れたという点では一理あるのです。
サービスの批判に対して
「中の人はどう思うんだろうね」⇒
「嫌な気持ちになっているだろうね」⇒
「中の人は感情的に嫌な気持ちになり批判者をクソだと言って批判する」⇒
「中の人、かわいそうに」
批判された側がこういうUXになっているのが一番クソだと思います。なので「中の人はどう思うんだろうね」という発想自体が大変クソなものです。
僕は記事への批判コメントに応戦することは99%ありません。色んな意見があって然るべきだと思うからです。
記事でサービスを批判する場合はサービスを純粋に考えた上で批判します。サービスを運営している人の人格を批判しているつもりはありませんし、正直あまり人に興味がありません。(面白い人に興味はあります)
サービスを批判されたら人格批判だと思わずに真摯に受け止めて改善を模索する。そういう心構えを持つことは簡単ではありませんが、そういう人が一番成長するのではないでしょうか。
先日、記事で批判したサービスの中の人に取材する機会があり、快く受けてくださったばかりか、「梅木さんのような批判記事はたしかに凹むが、それを取り入れて改善しようというマインドがうちのチームにはあった」と言ってくださり、批判が無駄ではなかったのだなと感じた出来事がありました。
こうした人間的にできた方もいる一方で、「The Startupで批判記事書かれたから梅木は嫌いだ」と言っている人もいることでしょう。
僕は後者のような人間にはなりたくない。気持ちはわかるけどね。
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