Facebookのリーチ減少が叫ばれるが、その背景としてInstant Articleや動画の直接投稿を重視するアルゴリズムに移行しているのではないかという仮説がある。メディアとしては広告で獲得したFacebookページユーザーへコンテンツが届きにくくなってしまうのは大問題であるが、Facbookは歴史的に新しい投稿(2015年秋でいうと動画の直接投稿など)のページや投稿を重視しており、そういったページのリーチは伸びやすいのではないかという仮説も聞いたことがある。
そんな中、最近Facebook上で存在感を増しているのがグルメ動画のTastemadeだ。米国サンタモニカが本拠地のこのメディア企業はグローバルのFacebookページに440万ファンを、2015年5月30日に開設した日本版ではすでに8.4万ファンを獲得している。YouTubeのチャンネル登録数は約50万。
Posted by Tastemade on 2015年11月14日
引用するとこんな動画が流れる。外食というより内食が中心で、クッキング過程の動画も多い。国内であればクックパッドがこういう事業やるとすごく良さそうですが、ドコモが動画やるぜといってABCクッキングを買収したという謎のプレイがありましたが、その後Tastemade的な動画サービスが出てきたかどうか、少なくとも私は把握していない。
インスタも強そうですね。約20万フォロワー。
仮説ですがTastemade.comに直接訪問するユーザーは比率的には少なそうで、FacebookやInstagram中心にコンテンツが閲覧されていると感じます。
こういった動画メディア(Facebook上の登録では「テレビ局」となっているのが興味深い)の影響力が増してくると、広告媒体として強力になりそうですね。Tastemadeはテレビでいう3分クッキングの置き換えであり、しかもそれがやたら美味そうに見える(動画の編集力が高い)。
ただし、Facebookというプラットフォームへの依存が高いと、冒頭で話した通り直接投稿じゃないとリーチが伸びず、YouTubeチャンネルやTastemade.com自体へと流しにくいのでしょうね。KPIはTastemade.comのPVではなく、様々なチャネルを合算した動画の再生回数でしょうか。
分散型メディアの波は確実に日本にも迫ってきており、Facebookのようなプラットフォームから本サイト(なんちゃら.com的な)へトラフィックを流すことが難しくなってくると予想されます。そもそもInstagramなどリンク投稿不可ですから、いかに写真や動画だけでそのメディアのブランドを想起させるか、覚えさせるかというクリエイティブが、メディアのプレゼンスを高める鍵となりそうです。
動画は日本が先進国で最も遅れており、米国は日本の3年進んでいる。とたしかAntennaのイベントで聞きました。2015年のスタートアップで最大のホットトピックは「ようやく動画元年」でしたが、海外の動画メディアをモニタリングすることで、動画スタートアップや隣接するメディア運営者の大きなヒントになるはずです。
Tastemadeは累計約40M$(40億円強)を調達済みで最後のファイナンスは2014年6月のシリーズCの模様。