EdTech市場が盛り上がりを見せており、EdTech Nightというイベントが開催されるようです。スタートアップではだいぶプレイヤーが増えた印象を受けますが、ドリコムもこの分野にソーシャルラーニング事業で参戦します。ドリコムは最近はSAPという印象が強く、SAPのノウハウをソーシャルラーニングに転用できると考えたのでしょう。決算を見ると直近Qでこの事業の売上は1,300万円。ゲームに対してはまだまだ低い。
個人的にはソーシャルゲームの知見を活かした教育アプリってRPGのような演出やデータドリブンによる効率的な学習を実現する次世代の学習法という感じで、ポテンシャルがあると思っています。ドリコムのえいぽんたんを少しプレイしてみたのですが、うーん。なんとも惜しい感じでした。
ドリルを解いてキャラを育てるゲーム:月商500万円?
英単語のドリルを解いて、生徒を育てるというゲームのようです。5問ずつ出てきます。正解数に応じてレベルが上がっていく感じ。問題を解いてポイント?を溜めてそのポイントでおやつを買って生徒をに与えて、生徒を育てる感じ。
基本は無料ゲームでアプリ内課金があります。体力回復のバナナとか買える感じですね。教育ジャンルで売上ランキング3位でには無料ランキングでは5位。(注記:指摘いただき訂正しました)直近四半期売上が1,300万円単純計算だと教育ジャンルで売上ランキング3位だと月商500万円前後という感じでしょうか。
僕、ゲームアプリを普段やらないのですが、クリエイティブのレベルは高いと思いましたね。
学習効果には疑問:レベル別に分けた方が良い
正直、エンタメの暇つぶしとしては良いのですが、学習効果といった点では疑問に残りました。ガチで勉強してTOEICなどの点数を上げにいくにはもっと適したアプリがあるでしょう。位置付けが中途半端です。
ソーシャルラーニングというだけあり、左記のようなコミュニティ機能もあります。英語学習を通して友達を募集するとかけっこう謎なわけですが、レベル感をセグメントできればアリかなと思ったり。目安としてTOEICの目標点数とかで区切れればいいなと。
僕ならレベルごとや同じ試験を受けるコミュニティを作ったりそういうアプリに特化させて運用するかな。ターゲットを広く取った方がDL数は確保しやすいでしょうが、TOEIC900を目指す人対象!的なアプリの方がユーザーが明確なモチベーションを持って取り組みやすいかと。
ソーシャルラーニングはEdTech第三の有望市場
ソーシャルゲームの知見を活かしたデータドリブンの教育アプリ市場ではロンドンのQuipperがいます。EdTechではレアジョブのようなフィリピンパブskype英会話やスマートエデュケーションのような知育アプリを中心にプレイヤーが多数出てきていますが、語学学習においてソーシャルラーニングというのは一つポテンシャルのある分野だと思います。
人力ベースではなくテクノロジーかつデータドリブンでの英語学習の最適解はまだまだあると思う。市場はある。えいぼんたんは英単語ドリルですが、ターゲット1,900や単語王という僕が受験時に使った英単語本市場を置き換える可能性はあるわけです。
様々なEdTech系スタートアップの情報を見ていますが、フィリピンパブskype英会話市場と知育アプリ市場以外ではソーシャルラーニングは有望分野と見ています。鍵となるのは3つと考える。
■ソーシャルラーニングアプリ成功の鍵(語学編)
・語学のレベル感に合わせたターゲティング
・継続させるモチベーション設計(RPG要素以外にも)
・従量課金に頼らない課金設計
高校時代にZ会独自の機器とソフトに数万円払ったのがアホらしく思えるご時勢ですよね。
市場はポテンシャルがある。しかし、えいぽんたんはそこにベストフィットするプロダクトであるとは現状は言えない。よって「惜しい件」という記事タイトルにしてみました。
むしろこの分野にGREEやDeNAがトライしてみると良いと思うんですがね。mobageばっかやってないでたまには勉強しろと誘導を掛けてもいいでしょうし、ソーシャルラーニングで溜めたモバコインでゲームしたって良いです。ドリコム、目の付け所は良いのですが、どうプロダクトをアジャストしていくのでしょうか。
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