雑誌風アプリ「People&Stores」はEC集客ツールの超新星となる?

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久々にこれは!と思ったスタートアップサービスを見つけたのでご紹介。

ソーシャルショッピングアプリケーション:People&Stores

以前軽く紹介した、ネットコンシェルジュブログというEC人気ブログを運営するネットコンシェルジュからのリリース。

素敵なネットストアが見つかる雑誌風のショッピングアプリとのコピーからも想像がつくように、人やECをフォローしてECの商品詳細ページの情報が雑誌風のUIで届くというアプリです。現在はiPadのみの展開。

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先日紹介したWEARはメディアコマースと定義しましたが、ソーシャルコマースとの定義もできます。People&Storesもソーシャルコマース銘柄としてかなり良いのではないかと思いました。その理由を構造化して説明します。

ECを見つけやすくし、更新情報を一元化することに価値

ECに関する課題とPeople&Storesがそれをどう解決するのかを、事業者とユーザーの両側面から確認しましょう。

■事業者の課題:集客力不足

明らかにアマゾン楽天という巨人がEC業界を牛耳っています。MONOCOの柿山さんに聞いた際に面白いと思ったのですが、MONOCOはほとんど日本未上陸の商品を扱っていて、それがユーザーにウケがいいとのこと。

僕らが普段目にしている商品は極論するとどこのショップにも売っているものが少なくない。一方で、大手ECサイトや百貨店に売っていないものもあり、モノのロングテールはグローバルで見るとまだまだある。そしてそういうニッチ商品を扱うECも多く存在するが、集客はリスティングやSEO、楽天アマゾンYahoo!への出店くらいしかないのが現状。

STORES.jpやBASEなど簡単にショップを開設できるサービスは出てきたが、ECを集客できる場がない。People&Storesがスケールすることで、集客の一助を担える可能性が出てくる。

■ユーザーの課題:①ECを見つけられない②毎日はアクセスしない

ユーザー課題①は事業者の課題に紐づきますが、ニッチECの集客力不足ゆえに僕らはニッチECを見つけられない。僕なんかせいぜい頑張って見つけてもMr.Porterくらい。ニッチじゃなくて全然メジャーですが。。結果的にファッション分野に関しては、楽天アマゾンか大手セレクトに紐づくショップくらいしか知らず。でももっと色んなショップを知りたいわけです。

もう一つの課題としては、ECは毎日アクセスするものではないのかなと。例外もあって、ZOZOTOWNは「新着商品」を毎日見に来るユーザーが多くてECの中ではDAUが高いと取材した際に聞きました。

更新情報はだいたいメルマガで知るか、気が向いたらアクセスしてみるかで。僕は週に1度くらい定期的に巡回する感じです。お気に入りのECの新着情報を雑誌風アプリで一元化することに価値を感じます。この観点から見ると、People&StoresはECの商品詳細ページのRSSといえます。

注:People&Storesに登録しているECサイトは1日9件新着情報を登録でき、People&Storesに配信できるようです。

ソーシャルコマースのセンターピンは中毒性では?

すっかりソーシャルコマースという言葉も忘れていたわけですが、Facebook内でコマースをやるという「Fコマース」みたいな話もありましたね。結論、人が交流を求めてる場で強引にモノを売ろうとしても文化が合わないからダメだよねという流れになっていた気がします。

ソーシャルコマースって「フォロー」「フォロワー」のタイムラインを取り入れてそこにモノを流すだけでなんとかなるんじゃね?と思っている節があって、それが僕から見たFancyやOrigamiであります。People&Storesが異なる点はユーザーを見つつも事業者の課題解決の意識が高そうな点にあり、ネットコンシェルジュが数多くのECのブランディングを手掛けてきた企業であるがゆえだと思います。

FancyやOrigamiにも企業アカウントはありますが、ソーシャルメディアの一環として運用してねという空気感。People&Storesは事業者向けのアクセス解析もあり、事業者がオペレーションを回すインセンティブがあるような気がしました。そしてECサイトを見つけやすいUIで、ECサイトを見つけて商品の新着情報をクリッピングするというユーザー行動に目的が特化できている。

色々言いましたが、ソーシャルコマースもDAUを高める中毒性が必要であり、中毒性の要素を因数分解すると3つくらいあるのかなと。

■ソーシャルコマースが演出しうる中毒性(梅木論)

①:サービス内に流れる情報量の多さ(気になるもの見つけやすい)
②:他人からのリアクション(承認欲求)
③:新着情報が定期的に来る(ユーザー行動の習慣化)

People&Storesに関しては③が期待できます。①②は必ずしもモノを変える保証がないわけですが、SumallyとかPinterestとか。FancyやOrigamiはどこにも該当しなそうなわけで、中毒性がなくDAU相当低いんじゃないかな。

中毒性あって滞在時間長くなれば、自ずと売上に繋がりますよね。よってソーシャルコマースのセンターピンは中毒性にあると感じるわけです。

投資家の皆さん、ネットコンシェルジュは資金調達中ですよ

People&Storesというサービス紹介から、ソーシャルコマースの再考まで話が及びましたね。People&Storesを運営しているネットコンシェルジュは今後資金調達活動をするらしく、投資家の皆さんはぜひThe Startupを見たと言って連絡してみてください。

ネットコンシェルジュはECのクライアントを既に多く持っているので、People&Storesの各ECへの導入スピードが早そうな点が競争優位性です。本稿がデューデリの一助を担えていれば幸いです。アパレル投資がお得意のITV河野さんあたりに反応していただきたいところですね。

関連書籍。僕はまだ読めてないんですが、周囲では好評です。特にEC事業者の方はぜひ。


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