GIRL’S TALKにみる匿名と相性が良いバーティカルテキストメディアの可能性

Pocket

Facebook時代の到来により、ポイズンな日々を皆様いかがお過ごしでしょうか?職場の上司や、一度だけセミナーで会ったけど今後の繋がりはまずないであろう人とまで繋がってしまう。そして日常世界同様の建前が無意識的に要求される空気に疲れていないだろうか。

▷参考:Facebookいいね!の実態。共感・興味を持って押す『本気いいね!』約3割『建前いいね!』7割に

そして一部はLINEやPathに逃避していく。この流れは2013年には若い女性のFacebook離れが深刻化する?:4つのコミュニケーションツールの今後の使われ方という記事での読み通り。

ただ、FBのロム率はまだまだ現在でも高そう。LINEのグループで本音を投稿しまくったり、Pathでデート内容や自身のプライベート(こんな男に言い寄られた)などを暴露する露出狂な人も結構いる。自分ないしは周囲の人間のどのコミュニケーションメディアへの投稿数がここ1年で増減したかを意識してみると、面白い傾向を掴めると思う。

しかし、コミュニケーションにおいてまだまだ満たされていないニーズはあるだろう。例えばFBに投稿するには憚られるマニアックすぎる趣味について語り合いたいというニーズや、友人に相談できないことを相談したいとか。前者の趣味に関してはTokyo Otaku Modeのような特化型Pinterestが勢いを増しており、画像ベースでのバーティカルSNSは今後も増えていくであろう。本誌で紹介したSumallyリボルバーもその一つと言える。

画像ベースのSNSは手軽であることからリアクションしやすいのも人気の要因の一つであろう。しかし画像よりもテキストの方が「コミュニケーションしている感」があるのは否めないと思うのは私だけではないはずだ。あくまでテキストベースでのコミュニケーション。2ちゃんねるのような掲示板とはまた違う雰囲気で、コミュニケーションしたいという機運は高まっているように思われる。

潜在ニーズを顕在化させたGIRL’S TALK

FBを思い切って「建前」軸にプロットしたが、Pathでも投稿できない本音を獲得することに踏み込めたサービスとしてサイバーエージェントのGIRL’S TALKを一例として考察する。おそらく女性は男性よりも親友にすら話せない悩みが多いであろう。

残念ながら「ボーイズトーク」ではせいぜい「○○ちゃんが可愛い」とか、「クラブで知り合った子を持ち帰ってしまった」(友人談)とかその程度のトーク内容であり、特に友人に話せなくて困るような悩みはほとんどない。せいぜい「友人の彼女を好きになってしまったが、どうしよう」くらいであろう。

■GIRL’S TALKで顕在化した「女性が実名で本音を言いにくい悩み」

・浮気や不倫
・体の悩み
・ナイトライフ

こうした悩みを相談し、回答もありつつ盛り上がるのがGIRL’S TALKの特徴だ。この「強いアンメット・ニーズ」を満たすことができているので、今サービスが伸びているのであろう。これらは「女性が持つ普遍的な悩み」であるため、マーケットも大きいと言える。実際にかなり際どい内容が投稿されているので、閲覧してみると面白いであろう。

サイバーエージェントのコミュニティサービスに対して懐疑的なスタートアップ界隈の方は多いが、The StartupではGIRL’S TALKに関しては単体で500-1,000万MAUのポテンシャルがあり、1年以内に達成可能と判断する。「強いアンメット・ニーズ×比較的大きいマーケット」が根拠だ。おそらくアナログベースでの強いバイラルが起きやすいサービスである。(一方でソーシャルバイラルとは相性が悪いと予測する)

ちなみに既に100万MAUは超えている模様だ。

強いニーズを起点にハイブリッドなビジネスモデルを

GIRL’S TALKはかなりおいしいマーケットに見えるのだが、他にもこの手のマーケットはないだろうか。「強いアンメット・ニーズを満たせて、かつマーケットが広いサービス」は周辺分野でマネタイズできる可能性が高いと思う。

現代では「メディア!」「コマース!」とか単独で考えるのではなくなく、メディアの延長線上にコマースがあるとか、そういうハイブリッドなビジネスモデルを組んでいくことができないと生き残りは難しそう。例:コミュニケーション×デジタルコンテンツ=LINEスタンプ課金。

今回は「実名建前FB⇒実名本音Path⇒匿名本音GIRL’S TALK」という流れがあり、他にも匿名本音サービスないか考えたがピンとくるのものはなかった。匿名本音サービスはまだありそうな気がするが、思いつかない。

ちなみに匿名チャットサービス(注:出会い系ではない)を私もやったことがあり、「埼玉県30代主婦」の方が掴まったが、こういう欲求不満の方はいるんだろうなという一方で(内容が欲求不満そうでした)この手のサービスに「強いアンメット・ニーズ」は感じず、マーケットも大きくないと思う。(完全なる出会い系は儲けているだろ!というツッコミはなし)

今後どんなコミュニケーションサービスが現れ、覇権を取っていくのか。画像がトレンドなのは明らかだが、むしろ逆張りでテキストベースで何か出てこないかに注目したい。

会員数130名突破!スタートアップ業界の最新動向について知りたいならUmeki Salon



Pocket

コメントを投稿する

「GIRL’S TALKにみる匿名と相性が良いバーティカルテキストメディアの可能性」に対してのコメントをどうぞ!