次代の確実な金脈となり得る、ビッグデータ活用系国内スタートアップ

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ビッグデータ。魅惑的な響きを持つこの単語がビジネスシーンのバズワードになりつつある。ふわっとした概念ではあるが、多くのわけのわからないビジネスモデルのスマートフォンアプリよりはマネーの匂いがするのは確実だ。海外でもビッグデータは数年後の有望分野として、投資家が注目している。

Tech Crunch:なぜ今VCたちはビッグデータへの投資に殺到するのか?

本稿ではビッグデータビジネスのポテンシャルのある国内スタートアップサービスに関して、分類、考察を展開する。

「誰」が「どういう用途」で活用するかがポイント

ビッグデータビジネスにおいては「誰」が「どういう用途」で活用するかがポイントであろう。ユーザーの行動や言動のログを分析して活用するパターン、オンライン情報を使いやすいようにカスタマイズして提供するパターンの2パターンが今のところ主要なパターンではなかろうか。

課金して利用するの法人だが、どのセクター、どの部門がどういう用途で利用するサービスであるかに着目したい。(サービス詳細は青字リンク)

ユビレジ  :飲食店などPOSがある店舗でiPadを利用した売上分析
スマポ   :家電量販店や百貨店などの小売店が主に来店促進で利用
SPPEDA  :経営企画部が戦略策定時などの分析の工数削減で利用
ZAC    :経営企画部に相当する部門が経営管理の工数削減で利用
クチコミ係長:マーケティング部がリサーチに利用

付加価値よりも工数削減ツールの方が導入ハードル低い?

いずれも各法人にとって欲しいビッグデータを提供し得るサービスであろう。分析の効率化により工数削減が見込めたり、次の商品を策定する着想を得たり、プロモーションツールになることもある。

ビッグデータ系に限らず、法人(B)向けサービスは、一般ユーザー(C)向けサービスより導入ハードルが高い。しかし、業界の大手などが利用を始めれば、特に日本においては横並び意識から、他社も軒並み使い始める可能性は高い。いかに大手に導入してもらうか。ここはサービス力のみならず政治力なども時には必要であろう。

ユナイテッドアローズがスマポの導入を発表:リンク
ZAC導入実績:リンク 

導入実績が豊富なサービスはその後のスケールに期待がかかる。

私個人としては、付加価値創造型よりも工数削減型のツールの方が企業は導入しやすいのではないかと考える。例えばSPEEDAなどは経営戦略を考える上で、経営企画部が競合他社のIRなどを確認して資料を作成する際の大幅な工数の削減に寄与するだろう。工数削減の方が定量化しやすいため、導入に踏み切りやすいと考える。マーケティング上の付加価値創造ツールに関しては、調査費用として投資的な判断ができるか否か。保守的な大企業での導入は最初は苦労すると思われる。

とはいえ事例を作れれば軌道に乗りやすいであろう。C向けサービスよりも初期のサービス利用者の事例でレバレッジが効きやすいのが、B向けサービスであるといえるだろう。

ビッグデータはCGMサービスの課金オプションにもなる

CGMサービスもスケールすれば、そこに蓄積されたデータは魅力的なビッグデータになり得る(一部では「ミドルデータ」「スモールデータ」などと呼ばれることもある)

現状でCGMサービスを展開する国内のスタートアップはジャンル特化型が多く、それゆえにセグメンテーションが効いたユーザーを保有する。セグメントできているユーザーに対して、アンケートなどで市場調査をしたい法人は少なくないはずだ。

マクロミルのようにアンケート機関として多くのユーザーを囲ってはいなくても、セグメントできていればマクロミル以上の単価での受注は可能なはずである。CGMサービスの主な収益源とはならないであろうが、やりようによっては利益率の高いマネタイズオプションになるであろう。

「誰」と「用途」でスケーラビリティを判断

ということで、ビッグデータは有望分野であるし、魅力的なマネタイズオプションである。ただし、そのスケーラビリティを判断する際には、「誰」が「どういう用途」で使うのかという点を注視したい。それ次第でサービス単価や見込みクライアント数は変化し、どれくらいの売上を上げるポテンシャルがあるかが見えてくる。

今回紹介したサービスは既に国内で投資家からウケが良いサービスであろうが、今後もこの分野の魅力的なサービスが出てきて欲しいと願う。しっかり価値を提供できて、儲けられるビジネスは魅力的だ。

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