エニグモが6億で買収した4meee!(フォーミー)への投資ロジック

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女性向けキュレーションメディア「4meee!」を運営するロケットベンチャーをエニグモが6億で買収し完全子会社化すると発表があった。この記事でも触れている通り、4meee!の前回のファイナンスの一部を僕がアレンジしている。

◆参考記事:女子向けキュレーションメディア4meee!(フォーミー)が5,000万円の資金調達を実施

厳密にいえばとある企業に対して案件をソーシングするのが僕の仕事であり、僕自身は株主ではなく投資後はさほど関わっていない。今回の買収案件には一切関わっていない。

4meee

MovidaのDemoDayでピッチを見て、アプローチして1ヶ月ほどで投資実行に至った。実はMovidaにとっては初のEXIT案件ではないだろうか?(Movidaのファンドリターン記事を書いたら悲惨なことになりそうなので、控えている)

◆参考記事:MOVIDAのDemoDay、今回はいかに・・・?

投資をするにはそれなりのロジックがなければならない。下記が投資を通す僕のロジックだった。非常にシンプルだ。

1:女性誌市場は大きく先行者であるmeryの寡占とはならない
2:meryに勢いがありマルチプルで将来的に何かしら評価される
3:経営者になんかパワーを感じた
4:経営者も社員もTheStartupの熱心な読者であったらしい

市場に関しては下記が参考になるだろう。投資交渉をしていたのは7月であり、もちろんこの時点でDeNAによるmeryの買収は決まっていない。

◆参考記事:女性誌市場をリプレイスする可能性を秘める、女性向けキュレーションメディア

正直いってmeryの事例があったからマルチプルで評価されやすかったのだと思うし、4meee!側から見た売却先やタイミング、金額は適正だと第三者的には思う。エニグモが持つBUYMAへの集客エンジンとして期待がかかる。キュレーションメディア自体の買収はこうした一ケタ億円での案件は今後も出てくるかもしれない。

投資家側の目線で話すと一ケタ億円のEXITはかなり好みが分れるだろう。僕のクライアントはその辺の規模感はさほど気にしないが、シリーズAでバリュエーション5億で1億調達した案件が8億程度での売却となると損はしてないがなんかイマイチという感覚はあるだろう。

経営者について話すと、主張がかなり強いタイプでちょっと器が小さいところがあるなと思ってはいた。だが、器の小さい経営者としてスタートアップ界隈ではクラウドワークス吉田浩一郎氏がいるが、些細なことでも気にしてしまうくらいの事業へのコミット具合のほうが良いのかもしれない。

投資後に気づいたが僕と誕生日が1日違いということで(僕は誕生日が近い人は性格が似ているという仮説を持っている)おそらく手堅くいくタイプなのだろう。大風呂敷を拡げずこのタイミングでの売却という選択に、その性格が表れている。

4meee!はSimilarWebで見ると数字がイマイチなのだが、スマートニュースからの流入が多数あるなど、月間PVが3,000万程というのは本当のようだ。

最後に4meee!を運営するロケットベンチャ龍川誠氏からコメントを得た。

エニグモ社とは事業ビジョンが近い点はもちろん、女子の心を惹きつけてやまないBUYMAのブランド力、そして4meee!及び4yuuu!の海外展開に強いシナジーがあると考えております。僕らが今後進める越境間でのEコマース領域において、エニグモ社が最も親和性が高く心強いパートナーだと確信しています。

僕らがこれから挑戦することは、ちょうどBUYMAのコンセプトをそのまま海外に向けて踏襲した形です。BUYMAが「世界の商品を日本へ」という方向性なのに対し、僕らのやりたい越境ECは「日本の商品を世界へ」販売する形。特に円安傾向な今だからこそ、今後ますます越境EC市場は盛り上がるはずです。

また、中華圏を中心とするアジア市場では、4meee!がターゲットとする赤文字系ファッションへのニーズが強く、日本の雑誌がそのまま書店に並ぶほどの人気ぶりです。

特に、雑誌・美容・ファッション分野の購買力が高く、2012年から2013年の1年で4倍以上に急成長している市場で、非常に大きな可能性を秘めていると感じております。

そして、BUYMAは女子の購買ニーズを満たす画期的なサービスであると同時に、今後、人々の働き方を根本から変えるほどの大きなインパクトをもつ革命的なプラットフォームだと思っております。何よりエニグモ須田社長が非常に情熱的な方で、とても尊敬し共感できた点が今回の売却を決定付ける大きな要因になりました。

LINEによるWebPayの買収も発表されたし、国内でもスタートアップのM&A市場が活性化することは好ましい。

最後に一言言っておくと、女性オンラインメディア市場はmery、4meee!、サイバーエージェントのby.Sの3つが主要と言えるかもしれないが、まだまだチャンスがあると思う。女性誌の数は50くらいあるのだ。それがネットで3つに集約されるとはとても思えない。

4meee!およびロケットベンチャーがエニグモ傘下としてどこまで数字を伸ばし、BUYMAの送客に寄与するか、買収効果に今後も期待したい。

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