YouTube動画を番組として放送する「yTuber.TV（ワイテレ）」がリリース

YouTubeの月額課金開始の話も出る中、動画関連サービスは2015年のスタートアップの主戦場となりうるといえる。そんな中、2014年11月17日にyTuber.TV（以下ワイテレ）なるサービスがリリースされた。

YouTube上の動画をキュレーションしてジャンル特化したチャンネルを作り、テレビの番組表のようなもの提供している。

チャンネルには「ゲーム」といった汎用的なものから「任天堂ゲーム」のようなニッチなものまで揃える。動画を見ながら視聴者同士でリアルタイムにコミュニケーション？書き込み？ができるようだ。これはニコニコ動画ではないか。

同サービスを運営する若手起業家であり、TechCrunchにも一時期寄稿していた中田博昭氏によると

10代から20代前半のYouTubeをスマホで視聴している中高大学生をターゲットにしています。特にゲーム実況好きなユーザーを重視しています。

収益方法は下記の3つを考えています。

①：テレビのように動画広告でCMを挿入
②：番組枠ごと企業へ販売
③：番組にマッチするYouTuberを出演

YouTuberのタレント事務所をやるので、アプリ以外の収入源も見込んでいます。（中田氏）

■ようやくプレイヤーが増えてきた動画市場

国内のコンシューマー向け動画市場といえばYouTuberのプロダクションであるuuumの一人勝ちのような市場に今のところは見える。

同様のYouTuberプロダクションとして、ガールズ特化を謳い3分の動画に絞った展開を考えているような3Minuteといった新たなプレイヤーが登場している。ちなみにyTuber.TVにも3MinuteにもB Dash Venturesがアーリーステージで出資しているようだ。動画が公開されていたので、参考までに貼っておきます。こういう感じなんですね。可愛いですね。。。

■動画CGMとしてはMixChannelが人気？

Donutsが運営するMixChannelが人気らしいという話をUmeki Salonで聞いた。これは10秒動画を投稿するサイトのようだが、これは10代の世界観ですね。30歳の僕には全く分からない…

日本国内ではVineよりアクティブが高いという説があるとサロンでも話題になっていました。Donutsってソシャゲだけの会社じゃなかったんですね。

■動画領域もパブリッシャーvsプラットフォーマーか？

ニュースキュレーションアプリから、キュレーションメディアやバイラルメディアなどが本誌では今夏だいぶ盛り上がったが、動画の世界もニュース市場のコンテンツがテキストから動画に置き換わっただけで、同じ構造にあると思う。

ワイテレのようなものは（自分に合ったコンテンツが提案されるという意味ではなく）グノシーのようなキュレーションアプリといえ、コンテンツは内製していない。一方でuuumや3Minuteのようなプロダクションはコンテンツを生み出すパブリッシャーを抱えているといえる。

YouTubeで動画を見るには基本的にはYouTubeから入っていき検索で探していくしかない。すると予期せぬ自分が興味を持ちうるコンテンツと出会える確率は限りなく低い。つくづく「検索」というのはリテラシーの高い人のためのものであり、「検索」は顕在需要なのだ。「検索」では潜在需要は突けない。実は僕自身、検索が大の苦手であり、検索力がないことを自覚している。

今後スマホでYouTubeを中心とした動画視聴時間が確実に伸びるトレンドにある中で、スマホ最適化された動画コンテンツが増え、それを閲覧する入口もYouTube以外にもワイテレのようなものが増えてくるだろう。

動画との接触の現状をテキストコンテンツに喩えると、今はまだGoogle検索で各記事に辿り着くしか方法がなく、ヤフトピのようなポータルも、グノシーのようなキュレーションアプリも、BLOGOSのような人気ブロガーが集まったアグリゲーションメディアもない状況だ。

テキストコンテンツとほぼ同じ流れが動画でも起きるだろう。

尚、ワイテレは明日明後日のTechCurnchスタートアップバトルに出場するそうだ。頑張ってください。僕は行く予定ないですが。