女子向けキュレーションメディア4meee!(フォーミー)を運営するロケットベンチャーがグローバルブレイン、フューチャーインベストメントなどから5,000万円の資金調達を実施したと2014年8月11日に発表した。
4meee!はその名が表すように「4コマでまとめす最新ガールズトレンド」をショルダーコピーで謳っており、4コマという点はユーザーからすると非常に読みやすく、分量的にもスマホに最適化されているといえる。
女性向けキュレーションメディアは女性誌をスマホに置き換える市場として、The Startupではここ最近注目していた。
■参考記事
・女性誌市場をリプレイスする可能性を秘める、女性向けキュレーションメディア
・SELECTY(セレクティ)にみる、女性が記事を「シェア」する心理
4meee!の直近の月次UUは100万を超えているとのこと。ロケットベンチャー代表取締役龍川誠氏に運営に関していくつかコメントをもらった。
4meee!が4コマにこだわるのはスマホで投稿閲覧の最適化
4meee!はフォーマットを4コマで揃えている。その所以は如何に。
ユーザーのニーズを汲み取り、スマホに最適化させるため1スクロールで完結に読めるようにしました。また、ツイッターの原理で、あえて「4」という制限を設けることで投稿ハードルを下げ、良質なオリジナルコンテンツをスマホからでも投稿やすくしています。3も4も5も試して検証・ヒアリングを行った結果、記事を読むのも書くのも、4がもっとも反応が良かったので4という数字に決まりました。(龍川氏)
スマホから投稿しやすいという点はポイントといえそうだ。寄稿者が移動時間中にサクっと書けるようなフォーマットであれば、コンテンツを量産しやすい。ちなみにThe Startupはとてもスマホで執筆する気にはなれない。コンテンツ生産体制はどうなっているのだろうか。
■4meee!編集体制
編集部:あり
編集者:社内に4名
専属キュレーター:主に読者モデルで約80名
審査方法:キュレーターが執筆したものを編集部で審査。必要に応じて加筆修正し公開
コンテンツ選定基準:SNS拡散を狙うのではなく、真にターゲットユーザーに役立つ良質なコンテンツであること■ターゲットユーザー
・自分を「女子」だと認識するそう。10代後半〜30代前半
・雑誌でいうとCanCamなどの赤文字系読者
読者モデルを約80名抱えており、彼女たちがSNSでシェアすることで彼女たち周辺のユーザーにコンテンツがリーチするというサイクルは上手く作れている印象を受ける。
恋愛記事を中心としつつ、コマースへの送客実績も上げる
実際に4meee!で読まれている記事のラインナップを見てみよう。PVの上位記事はほぼ恋愛系ですね。
■4meee!PVランキング
1位:フリーだったの!?美人なのに何故かモテない”残念な美人”の特徴 ※956478 POINT
2位:毎日忙しい彼を好きになったら、覚悟をする4つのこと
3位:もう1度ご飯に行っても良い男性、ダメな男性
4位:意中のカレに振り回されてない?
5位:どんなに恋しても発展しない!?遅延ばっかりの山手線男子にご注意を♡
3位の記事の「眠る前までにメッセージをくれる人はOK。翌日お礼メッセージが来る人はダメ」これ、知りませんでした。。翌日にメッセージ送ってましたね。はっきり言っておくと、むしろ食事はこちらがご馳走しているので、翌日に御礼メッセージが送られてくるものだと思っていましたし、実際そうだったことが多い気がします。むしろそれで送ってこない場合は損切りでしたね。おっと、実体験を話してしまった。僕も4meee!のキュレーターにでもなりましょうかね。
キュレーションメディアは記事をフックに集客できるため、広告のみならずコマースにいかに繋げるかという展開で収益かできるかが重要になります。その点の検証を始めているようです。
■4meee!タイアップ記事事例
浴衣記事では掲載後2週間で4meee!経由で150万円(CVR15%)を売上げており、ECサイトの集客支援の実績を出しているようです。
有名女子大生や読者モデルなど、ターゲットユーザーに強い影響力を持つキュレーターを集めることで、4meee!にトラフィックをもたらしています。
4meee!ガール等が執筆するタイアップ記事は特に人気があります(龍川氏)
女性向けキュレーションメディアは寡占市場にならない
この市場においてはmeryがかなり伸びているし、サイバーエージェントもリア充社員という資産を活かした生々しいアラサーキュレーションメディアSELECTYを擁している。
この市場の需要の元となる女性誌もしくは女性向けコンテンツ市場は既存市場がかなり巨大であり、今後そこをスマホで置き換えていくことになる。巨大市場でかつターゲットが細分化されているゆえに、meryの寡占市場になるとは考えにくく、複数の女性向けキュレーションメディアがそれなりの規模感に成長する余地があるとThe Startupでは判断している。
4meee!に関しては龍川氏の人脈などを駆使して相当の数の読者モデルをキュレーターとして抱える点に事業資産としての強みがある。個人的にはクラウドソーシングで名無しの権兵衛に書かせるのではなく、一定数以上のtwitterやFacebookのフォロワー数を持つ書き手が記事を書く+拡散するという「記事の生産+拡散」のワンセットがオペレーションに内包できることがスケールの鍵と見ており、その点は4meee!の強みといえるだろう。
どの記事か思い出せないが、本誌のメディア論では「記事執筆者も重要だが、そのコンテンツを拡散できる能力の方が重要」という説を説いており、ゆえに僕は意図的に田端砲や国光砲を狙いにいく。という動きをする。単なる固定読者ではなくインフルエンサーの固定読者を多く持つことが重要で、寄稿者をインフルエンサーで固めることはメディアのレバレッジを掛ける上で然るべき考え方である。
先行者のmeryに対して4meee!がどこまで迫っていくか。他に強い女性向けキュレーションメディアは現れるのか?今後に注目したいが、個人的には男性向けキュレーションメディア「gorilla」(仮称)をやってみたい。誰か一緒にやってくれる編集者いませんかね。
注:本資金調達案件の一部を筆者がアレンジしている。
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