サイバーエージェント投資育成事業2014年の収益は80億円＋α

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頑張ってまとめたわりに読まれなさすぎて泣けた2014年各VCの投資案件一覧ですが、インターネットセクターで上場銘柄に最も多く絡んだVCはジャフコ様でもなくなんとサイバーエージェントでした。2014年のサイバーエージェント投資育成事業関連銘柄の収益がいくらくらいなのかをざっくり計算してみます。

上記は2014年通期決算資料から抜粋してしますが、これに加えてクラウドワークスとカヤックが2014年12月に上場しています。

2014年の回収額はカカオの42億を中心に80億円＋α

■Daum Communication（旧カカオトーク）：42億円

2014年通期決算資料P42にありますが42億円を営業利益に計上予定。ダウムというのは韓国のポータルでYahoo!のようなもので、2014年5月に旧カカオトークと合併しています。

取得価格は明らかにされていませんが、2011年8月の14.5億調達のラウンドで出資しているようです。CAV経由らしいという記事もあり、張って2-3億程度ではないかと。日本国内ではカカオトークはYahoo!が担いだものの全然使われていませんが、韓国ではそれなりに調子がいいんでしょうか。

■Voyageの売却益は27億円

元連結子会社であったVoyage Groupの売却益は27億円と2014年3Qの決算資料P32で発表されています。大量保有報告書によると約80万株を上場直後に売却。これで約27億円のリターン確定。残り55.3万株の保有。保有比率5%未満に下がったため、大量保有報告義務から外れ、その後の状況をトレースできない。

■セレスの売却益は約9億円？

ポイントサイト系のセレスは子会社のCAモバイルが筆頭株主でした。大量保有報告書によると30万株を売却。公開日翌日に報告書が出ているので初値の2,890円で売ったと想定すると約9億円のキャピタルゲインとなる。残り45万株保有。

■クラウドワークス：CAV分で約2億円のリターンを確定

12月に上場したばかりのクラウドワークスはまだ売却していない模様。5億円の投資に対して初値で売っていたら約3倍でしたが（ロックアップかかってましたっけ）。もう少し上がらないと売りたくないか。

CAVの30万株（保有比率2.51%）は15万株を売却。約2億円のリターン。投資金額はシードで900万円なのでリターンは約20倍です。残り15万株を保有し続けているのでしょうか。

■カヤック：初値で全部売却と仮定すると約3億円

昨日12月25日に上場したカヤック。結構初値は付きましたが、The Startupでは売り推奨銘柄です。サイバーエージェントの過去の傾向からするに、上場後すぐに全保有株式を一気に売却はせず、ちょろちょろと売っていくはずなので、いきなり全ては売らないでしょうが、リターン的にはやはりさほど旨味はない案件ですね。

■レアジョブ：保有中？

何かの記事で長期保有を示唆しており、比率も1%強なので保有中と推測。

■ロックオン：？

保有比率2%なので売却したのか保有中なのかわからない。初値で売却したとしていても約3億のリターンとなりカヤック同様さほど旨味はないかも。

2014年確定リターンは以上です。カカオ＋Voyage＋セレス＋クラウドワークス（CAV分）で約80億円。他の細かい案件を売っていれば＋10億円未満程度でしょうか。

クラウドワークスのリターンがAmeba年間利益を上回るか

サイバーエージェント本体投資の今後の有望案件としてはWantedly（2億円投資という説やスマートエデュケーション（5億円投資という説）あたりでしょうか。

2015年通期のサイバーエージェントの業績に対してはクラウドワークス保有分の約8%をどのタイミングで売却するのか、それとも保有し続けるかという点で変動があり得ます。時価総額300億円まで上がった時点で全て売れば約24億のキャピタルゲインが確定できます。（本誌では一気に売り浴びせることはなく、mixi株をちょろちょろ売ってきた傾向から、ちょろちょろ売ってくると予測）

サイバーエージェントの2015年通期業績予測は売上2,400億円営業利益280億円。この営業利益の中にダウムの42億円が既に織り込まれています。

参考までにAmeba事業の2014年通期売上は386億円営業利益24億円。クラウドワークス一発でAmebaの営業利益が出る可能性があります。

筆者の知りうる範囲では2015年上場予測銘柄で10億以上のリターンがある銘柄を保有していないと思うので、投資事業本部の収益を左右し得る要素はクラウドワークス株の売却であり全体の営業利益に与えるインパクトは5-10%程度と予測します。