キュレーションメディア戦争はDeNAによるmeryとiemoの買収で一旦は終了したというのがスタートアップ業界の上層部のコンセンサスらしいが本当にそうだろうか。
ユーザーの可処分時間は限られてはいるものの、まだまだ多くのメディアが成立する余地は十二分に残っていると思う。
キュレーションメディアの定義自体がそもそも曖昧ではあるが、写真も含めて全てオリジナルコンテンツで生成された記事ではなく(テキストの引用するほとんどない)写真やテキスト引用をガンガン使い、既存のメディアとNAVERまとめの中間のようなコンテンツが多いように見受けられる。
これを人によっては引用が云々とかうるさいのだが、そんなことはどうでもいい。組み合わせが上手ければ(これを編集力というが)従来の頭でっかちな記者が1人で取材して書いたコピペ記事よりずっと面白くなる。
■キュレーションメディアの構造:内製型とCGM型
内製型の多くはキュレーター制やクラウドソーシングでの記事制作体制を取っています。個人的にはクラウドソーシング型が最悪だと思っていて、立ち上げ時にはやむを得ないのですが、軌道に乗ってきたらすっぱり止めるべきだと。クラウドソーシングで低コストで制作してもディレクションしているとはいえクリエイティビティに限界が出てくるのではないか。
一方でCGM型は微妙な記事が上がってくる可能性があるので投稿後の監視体制を敷く必要がありますが、読者としてもエンゲージメントの高いユーザーが高いモチベーションで投稿してくれるし、何より制作コストがかからない。早い段階でCGMで自由に投稿できる風土を作り、CGM比率を高めるのがスケールの鍵な気がします。
結局PVと記事本数は相関するので、CGMで記事数が増えていくのが一番綺麗な成長曲線を描けると思う。
■既存メディアもCGM化を意識すべき?
キュレーションメディアがCGM化すべきというのは普通の主張な気がするのですが、既存メディアもCGM化を少し考えるべきじゃないかと思う。既存メディアは編集長や記者など一部の人がコンテンツを考えて記事を出す権限を有する。
クオリティの高い選ばれしコンテンツが読めるというが良さだが、大抵のジャンルでCGM化が避けられず、実際に食では食べログが強い。何も完全にCGM化しろというわけではなく、「かっちりした取材⇒記事」以外のコンテンツ制作の方程式があると思っていて、その形を僕は模索している。
サロンのコメントを拾って再編集するというこういう記事の手法も一つの実験だし、キュレーションメディアが芸能人ブログやtwitterからの引用で構成する記事も面白ければ全然ありだと思う。
(相手から言われたことを書き写すだけの)取材⇒記事化というフォーマットから既存メディアは何百年も抜け出せていないのではないか。新聞社などのオールドメディア出身の記者ほどこのフレームに捉われすぎていて、発想力がない気がしている。Tech Crunchの記事を見てみろ。ここ5年間で何一つ進化がない。
既存メディアのCGM化という意味でいうと、NewsPicksあたりはコメントを使った記事をもっとアグレッシブに生成しまくるくらいでいいと思う。多少はそういうコンテンツもあるけど、もっと挑戦してほしいと思う。
キュレーションメディアがある意味メディアのCGM化への扉を開いたという見方もできなくはない。従来型のメディアも「(誰でもできそうな)取材⇒記事化」というテンプレに甘んじていていいのか。CGM化でレバレッジを掛けられる余地はないかと思考すべきなんじゃないか。編集権をCGM化しろといっているわけではない。どこかをCGM化するとスパークする余地があると僕は思っている。
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