デキる営業マンのパターンの話が案外読まれました。インターネット業界では営業マンやエンジニア以上に「プロデューサー」が希少職種です。そこでUmeki Salonで良いプロデューサーの定義について皆さんに意見を聞いてみました。
プロデューサーイメージ図:あぱれる速報より引用
コミュファク松本氏「インプットしてフレームワーク持て」
まずは実名でご登場いただくのはコミュニティーファクトリー松本氏。
写真アプリの「DECOPIC」など女性系アプリのヒットメーカーとしてスタートアップ業界では著名です。大企業とスタートアップの差の話など、興味深い。
①:先ずは、インプットから始めよ。
徹底的にインプットして、自分の中にペルソナ像を作ることがポイント。企画が良いか悪いかは全部そのペルソナに聞く。だからぶれない。これを効率化するためにどれだけインプットを効率化できるかもポイントです。
②:自身の確固たるフレームワークを持て
イケてる企画者は大体考え方のフレームワークを持ってます。情報収集はその枠への当てはめ作業。針の一点の仮説を立てて、あとは周りの意見を聞かず、でも巻き込み、突っ走れるのがプロデューサーだと思います。
③:大企業のプロデューサーとスタートアップ起業家の差
大企業が往々にしてスタートアップに勝てないのは起業家=プロデューサーなスタートアップに対してこういう胆力で勝てないから。大企業は分業されてるから満遍なく経験したり考えたりする機会が少ないんですよね。プロデューサーなんだから全てのプロセスにおいて専門家である必要もないし。
松本さんの話を噛み砕くと、プロデューサーは何かの専門家ではなく各分野を8割ずつくらいは把握しているようなジェネラリストであると。スタートアップの起業家のように何でもこなす器用貧乏×胆力がある方が、成功確率を上げられる構造にあるといえそうです。
CA山崎ひとみ氏「プロダクトビジョンを描け。強烈に!」
対抗して大企業からサイバーエージェント屈指のプロデューサーといわれるキュレーションメディアby.S(旧セレクティ)編集長の山崎ひとみ氏。
僕の無茶振りに応えてくれました。
①:プロダクトビジョンを正しく強烈に描け!
まずは「プロダクトビジョンを正しく強烈に描ける人」が良いプロデューサーだと思います。プロダクトビジョンを描く上で欠かせないのが発想力やユーザー視点ですし、ビジョンが大きくなればなるほど、起業家や経営者に近い知識量や経験量など色々な要素を織り込む必要があります。
②:人を巻き込む力がある。
実現という観点では「プロダクトビジョンを自分の言葉で魅力的に語り、人を巻き込み、あらゆる手段を使ってそれを実現できる人」が強いなと思います。プロダクトビジョンを描く力がなかったりずれていると、どんなに知識や求心力や実行力があっても実にならないことが多いです。
簡潔にいうと「正しくビジョンを描き」「何が何でも実行できるか」ということですかね。
サイバーエージェントでは非広告営業のビジネス職のキャリアパスとしてマネージャー職(いわゆるG職)とプロデューサーのような専門職(いわゆるS職)がありますが、その中でプロデューサー向きと判断する上で欠かせないのが「プロダクトビジョンを描く力があるか」という点ではないかというのが山崎さんの見解でした。
ヒットソシャゲプロデューサーA氏「カメレオンになれ」
匿名なのが残念ですが某著名ソーシャルゲーム元プロデューサーのA氏のコメント。実体験に基づいていてかなり興味深い。
①:良いプロデューサーはヒットを作る再現性のあるカメレオンだ
良いプロデューサーは自分がターゲットじゃないサービスでもヒットさせてしまう再現性がある人だと思います。当時チーム内でも「プロデューサーはカメレオンであるべき」という言葉がありました。作るサービスに応じて自分をそのメインターゲットの気持ちになりきる、理解しきってサービスをつくれる人が強いという意味です。
②:右脳思考も持てるのが名プロデューサー
グロースハックやマーケティングなどの左脳的思考を持ちつつ、メインターゲットの心理に寄り添えるサービスデザインができるかという右脳思考を持てるかが、名プロデューサーと普通のプロデューサの差だと思います。そういう意味で、地頭が良く、かつ日頃から色んな世の中におけるアンテナを立ててる人はプロデューサー向きだと思います。
③:チーム全員でユーザー心理を学ぶプロセスを。
プロデューサーだけがユーザ心理に詳しくなるのではなく、チーム全員でユーザ心理を学ぶプロセスを入れることが大切です。各メンバーが言われた通りにやる状態だと、モチベーションも下がりがちです。
サービスの世界観を体験するプロセスをイベントみたいなものを通してチームみんなでユーザーを理解し、サービスの面白さを考えるという共同体験をプロデューサーが意識して作れるると良いサービスが生まれやすいのではないかと思います。
(何かの記事で見た気がすると)事例として挙げていたのが、カプコンの逆転裁判チームは最初開発前にみんなで裁判所の傍聴席に行き、裁判ってどんなものなのか見に行った。すると裁判の一つ一つがあまりにドラマチックで面白く感じられ、そこからゲームのストーリーをみんなで膨らませていったそうだ。
机上で「裁判ってこんな感じだよな!」とかそれっぽいドラマを見るだけではなく、実際に現場に足を運んで一次情報を得る。これはサービスプロデュースにおいて非常に大事なことだと僕も感じました。細部に凝れている作品の方がリアリティ出て面白くなる。神は細部に宿るです。
合議制でやってはならない。プロデューサーに絶対的な権限
という3名の見解がありつつ、最後はけんすうさんの意見で締めましょう。
新規のサービスのプロデューサーの場合、思い込み、決めつけがないときついっていうのはありますね。メンバーの意見を聞いて合議でやるとうまくいかない。というのも、すべてがほとんど正しい意見になってしまうので、合意とれるわけがない。
みんなに意見を聞くと「全てが正しいように聞こえたりする」のが新規事業立ち上げアルアルだなと僕も実体験を振り返って思います。これは松本さんの「確固たるフレームワーク」の話ともリンクしますが、プロデューサーが絶対的な権限を持って、思い込んで決めつける胆力を持って遂行し続けられるかというのが実務面で最も重要に思えました。
以上が良いプロデューサーの定義を構成する要素でした。色んな意見が出てきて大変勉強になったスレです。ここに出てきた話以外で良いプロデューサーが兼ね備えている要素や、こうするとサービスの成功確度が上がるというようなプロデュース論的なご意見があれば、twitterやNewsPicksなどでぜひ発信してみてください。
すごく良いな!というご意見があれば、追記で挿入させていただきます。
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