iemoの買収とハードボイルド・DeNAランドそして羊（mery）の買収を巡る冒険

Valuationはきわめて急激な速度で上昇を続けていた。おそらく未上場株式市場が高騰していたのだろうと私は思う。しかし正確なところはわからない。あまりにも高騰の速度が速いせいで、売却の可能性というものが消滅してしまいかねない。あるいはただのバブルだったのかもしれない。

僕はそんな市場環境に嫌気が差しながら、自らが仕掛けたディールが失敗に終わり、やけになって昼からFacebookをしながらウィスキーのオン・ザ・ロックを煽っていた。するとこんなニュースが目に入ってきた。

ーiemo買収ー

村田マリの打ち手は、いつも僕の想像の二手先をゆく。この高騰した市場環境の中でこのタイミングで売却するのは僕には至極合理的に思えた。僕の頭の片隅でリトル・村田マリがこういっている。

早い？私の中では予定通りよ。

やれやれ。なんという展開の早さだ。シリアルアントレプレナーの戦い方はやはり違う。それにしてもどこがiemoを買収したというのだ。事業上のシナジーがありそうなのはEC機能を持つ楽天かYahoo!。あるいは激しい買収合戦を繰り広げるというソーシャルゲーム会社かもしれない。

ふと、僕にはこんな風の歌が聞こえた。

GREEに売るのは
よしたほうがいいよ、あんた
とThe Startupは言う
GREEのディールは
GREEたちのためのもの
それがたとえ
スタートアップを傷つけても
ロックアップ解けても
支配は続くものだ
次の起業がしにくい

GREEじゃないと良いのだが。と、僕は村田マリの身を案じた。アドネットワーク事業だけでなく、本体広告もやめろとGREEはグノシーに迫ってるらしい。やれやれ。どこまでスタートアップをいじめれば気が済むのだ。

ニュースに目を通すと、売却先は六本木ヒルズではなかった。
ヒカリエ。と僕は呟いた。

月刊事業構想で取材したエブリスタの池上社長を思い出した。彼曰く、社内に懸垂マシーンがあり、懸垂しながらミーティングに臨むことも珍しくないという。

僕はそんなマッチョな池上社長を見てこう思った。

ー知的EXILEー

あの村田マリは知的EXILEなDeNAにiemoの売却を決めた。知的EXILEとして活動を始めようと腹を括ったのだ。

ハードボイルドな世界だ。ハードボイルド・DeNAランド。

村田マリ投入でDeNAはソシャゲ戦線でのGREEとの争いから一歩抜け出し、iemoのような非ゲーム領域のサービスを拡充するのだろうか。

おや？よくみるともう1社買収されている。

ーmery買収ー

まさか。meryという羊の買収を巡ぐる冒険が水面下で激しくなっていることは噂に聞いていたが、このタイミングだったとは。僕は中川綾太郎といつの日か食べたパスタのことを思い出した。

買収額は2社合わせて50億円。風の噂によるとmeryは30億程度、iemoは10億台後半から20億程度の買収額ではないか？と聞いている。

やれやれ。DeNAが2件も一気にお買い物するなんて聞いちゃいないぜ。次はどこのスタートアップが買収されるのか。売上も出ていないのに、随分と遠いValuationまで来てしまった。優先株だとしても、少しやり過ぎやしないか。スタートアップの春は続くのだろうか。

注記：iemoとmeryの買収は合理的だったのか？PMIを予想するという記事も出しました。真面目バージョンはこちらです。

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