KDDIは2014年10月16日にインターネット企業12社と協業して「Syn.alliance」というポータル構想を発表した。
この中には既に今朝各媒体で報道があったnanapiの買収やiQonを運営するVasiliyへの10億規模と見られる出資など、「総額約120億円を出資」とリリース文にはある。これは予算が120億ではなく既に120億円出資したと受け取ればいいのだろうか。
当初はnanapiの買収金額を本誌では10-20億円のレンジと予測したが、120億を出資して下記の7社への出資で120億とすると、40億くらいでの買収となっていてもおかしくない。買収企業は他にはナタリーとビットセラーの2社。iQonへは10億強の説があり、その他ルクサとAppBroadCast、ジョルテにどれくらいずつ出資が入ったか気になるが、数億円台後半と予測する。
注:記事リリース当初ジョルテを買収と表記していましたか、再度確認したところ出資の誤りでした。慎んでお詫び訂正致します。
本プロジェクトの主導者はFacebookからKDDIに移籍した森岡氏。同氏はnanapiの代表取締役副社長への就任も発表した。下記が参画企業一覧。
【Sync.alliance出資企業一覧】
AppBoradCast / ゲームギフト:ゲーム
ジョルテ / ジョルテ:カレンダー
ナターシャ / ナタリー:メディア
nanapi / nanapi:メディア
Vasiliy /iQON :CGM
ビットセラー / Qrank:ランキングサイト?
ルクサ / Luxa:タイムセール【その他参画企業】
アイスタイル / @コスメ:CGM
ウェザーニュース / ウェザーニュース:天気
A3 / 報道ヘッドライン:ニュース
ナビタイム / ナビタイム:地図交通
はてな / はてなブックマーク:ブックマーク
このSyn.allianceは一体何かというと、12企業の13サービスの中に書くサービスのリンクが入っていて、各サービスで回遊させましょう。以上。という話で、Yahoo!のようなでかい入口を作ったポータルではなく、KDDIは「中心のないポータル」という表現をしています。これはガラケー時代に公式サイト内に自社サイトのリンクしか貼れないとか、Ameba内でサイバーエージェントのサービスを回遊させようとか、そんなレベルの話で、全く目新しさはありません。
これは結構批判的に捉える人が多いでしょうが、アプリ時代においてはイグニスのようなアプリポートフォリオ戦略が機能するという仮説もあるご時勢ですので、僕も本来的にはバッサリ「ない」と言い切りたいのですが、アプリポートフォリオ戦略はなくはないんじゃないかと思います。nanapiのけんすうさんも昔そんなこと言ってた気がするので、今回の構想には同意したのではないか。
スマートパスだけでユーザーを囲えない。スマートパスをトップダウン的アプローチとすると、今回の構想は各アプリから回遊しましょうというボトムアップ的アプローチ。別の方法でユーザーを囲い込みたいというのがKDDIの意図なのかなと。
各サービスにとっては回遊でPVは増えればいいんでしょうが、ユーザーにとっては全然関係ないサービスのリンクがアプリ内にあっても、そんなに使わないのではないか。これがザッパラスのような占い特化やコロプラのようなゲーム特化であれば、高い回遊が見込めるでしょうが、バラバラな分野で回遊が起きるのでしょうか。そこにかなり疑問です。
ユーザーのスマホにDLされているアプリは38で、週に1回以上開かれるアプリは8個だそうです。WAUやDAUの高い性質のあるサービスがアプリでは強いと思うんですよね。
正直、少しドナドナ感を覚えた記者会見でした。
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500名突破のUmeki Salon、しばらく新規募集はしません。新たな展開をお楽しみに。内容の参考:国光氏降臨とANRIポートフォリオ調査
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今日も適当にツイート中。 @umekida