リクルートに2015年新卒入社することについて

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イケダさんと小川くんのこの現代ビジネスの記事はかなりツッコミどころが多く、面白かったので、ネタに乗っかってみます。本稿の本題は「リクルートに2015年新卒入社することについて」です。

「就職、ほんとうに残念です」 会社に入るなんてマジでつまらない! イケダハヤト×小川未来【前編】

と思ったら、いいタイミングで後編も。

「ぼくは3年後死ぬので、会社に行くヒマはない!」 夢見て人はあっけなく死ぬ イケダハヤト×小川未来【後編】

まず小川くんとは僕も面識があります。今はB&Bのスパルタ菅付塾で机を合わせて同じ受講生としてヒイヒイ言っている関係です。本稿で小川くんをいじめるつもりは全然ないのですが、イケダさんの新卒フリーランス推奨的な話は僕は少し懐疑的。後編の方を読む限り、気持ちはわかるんですが、三田の人間は都の西北ほどロックではないのです。

僕自身もフリーランスを経て現在は法人化しましたが、仮に2014年に大学4年生だったとして、いきなり新卒フリーランスを選べるかというと選べない気がします。小川くんも優秀な若者に違いはありませんが、新卒フリーランスとしていきなり活躍できるほどのずば抜けた優秀さではないと思います。そこまでエッジは立っていない。だからイケダさんが発破をかける気持ちもわかりますが。

就職すること自体は悪くないと思いますが、なんでリクルートなんだろう?リクルートに今新卒で入社するのってイケてる選択肢なの?と不思議に思ったので、「リクルート2015年新卒入社の是非」をUmeki Salonの議題にしたところけっこう盛り上がりました。Umeki Salonには田端さんを始めとした現役&OBリクルートがけっこういます。その内容をまとめて小川くんにプレゼントします。三田の先輩として、お役に立てればと。

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2015年新卒就職市場でのリクルートの立ち位置

「いまさらリクルートなの?」と僕は率直に思いました。リクルートは今年上場も控えており、来年新卒で入社したところで旨味があるようには思えません。サイバーエージェントに入社するには、たしかに小川くんはキラキラ感が足りず、サイバーエージェントは最適な選択肢ではないでしょうが。

とはいえリクルートのネット事業あまり当たっていないし、社内文化的にもスタートアップは育ちにくいのではないか?という仮説を記事で提示したところ、KAIZENの須藤さんを始めとするリクルート関係者から「同意」的な反応があった気がします。

ATND撤退理由はリクルートの企業文化にあり?

最近はネット事業に力を入れているようですが、根底にある文化がB2B文化であり、B2C事業には向かないのではないでしょうか。リクルートの新卒の歴史を辿ると、2006年入社組は今のスタートアップでいうとnanapiけんすうさんのようなスターを多く輩出しているようですが、僕の代である2009年入社組ではヌクーの森くんとかがいますが、2006年頃と比べて2009年頃のリクルートは新卒市場で以前ほどのプレゼンスはなかったと思う。

最近に至っては、そのうち死ぬであろうリクナビでまだ儲けてんのかーしぶといなー。という印象ですし、ゼクシイに至ってはCGM型のみんなのウェディングに猛追されていて、見た目上は強がってそうですが、内心ヒヤヒヤしているんじゃないでしょうか。とはいえ各事業の収益性の高さはリクルートの良い点ですよね。

少し話が逸れましたが、僕から見るとリクルートは旬な企業ではなく、むしろ「オワコンな企業」という位置付けでした。超大企業で、個性ある新卒が入るのはもったいない。小川くん、就職はいいけど、リクルートってもったいなくない?と思いました。リクルート2011年入社で面白い三田の後輩がいましたが、最近全く名前も聞かなくなったので、埋没したんじゃないですかね。いやあ、もったいない。サロンメンバーに現在の新卒市場におけるリクルートの立ち位置を聞いてみたところ。

ネット系人材の2015採用において、リクルートは急に存在感を増してきた気がします。カンパニー単位での採用になってからは、「人の魅力」でがっつりフォローして新興のネット企業に十分対抗できるようになってきたように思う(昨日上場承認が降りたVOYAGE宇佐美総帥)

高学歴学生の中では、CAとかDeNAでもベンチャーという認識です。東洋経済の東大生がみんなベンチャー行く的な記事がありましたが、増えつつあるもののまだまだ少ない。その点、リクルートは大企業で入社に抵抗はないけど、ベンチャーっぽく自分で事業ができそうという点が学生に刺さっています。

あとは、人の魅力。優秀な学生には優秀な社員がついてガッツリフォローして引き込む。意外とプレゼンスも高いし一時期ほどではないかもですが、優秀な人が入ってますね(人材紹介関連の経営者)

僕が思ったほど、リクルートの新卒市場でのプレゼンスは低くないようですね。ですが、「ベンチャーっぽく自分で事業ができそう」という点が刺さる学生って中途半端な気がしますね。こんなことを学生が言ったら、スローガン伊藤さんに間違いなく刺されますね。

新卒リクルートはホワイト企業で案外待遇が良い?

リクルートの実態を知るOBたちによると、リクルートで新卒入社するメリットは主に3つあるといえます。

1つ目は、労働時間のわりに待遇が良いホワイト企業ではないかという説。

二年目になると年収800万近くいったりします。外資コンサルとかと比べたらあれですが仕事の簡単さを考えるとかなりいいなと。(2006頃入社リクルートOB)

いや、二年目で年収800万は一部のトップクラス。給与下げられることもあるので、トップとボトムを比較すると二年目でも400万程度の差は出ていたと思う。新卒入社で2014年に30-32歳くらいの人は、800-1,000万くらいの差が付いていると思う。トップクラス1,300-1,500万くらいで、ボトムで500万くらいじゃないか。(2006頃入社リクルートOB)

え!?二年目で年収800万!?500万くらいなのでは?汗(2009頃入社リクルートOB)

給与ネタは生々しくて盛り上がりますね。一方で中途の場合は待遇がいいのかな?とか気になりますね。僕はリクルート事情には詳しくないので、あくまで推測に過ぎませんが、新卒の方が優遇されていそうな印象があります。リクルートの取締役や執行役員は大体新卒なんじゃないですかね。

2つ目は、三田会のようにリクルートOBは繋がりが強そうという意見。これはたしかにメリットと感じます。3つ目は裁量的な話。

自由度高いので、入る人次第では、できること多いですね!(2006頃入社リクルートOB)

キャッシュあるから色々な実験するには良いのでは。加えて他の会社よりもボトムアップでやりたいことがやれる印象(中途リクルート入社OB)

実際の転職者に聞くと、出来る奴には良い環境らしい

キャッシュがあるのはたしかで、失敗しても全然大丈夫そうなのは良いかもしれませんが、上述のスタートアップサービスにおける撤退ラインが厳しそうな点や社内文化から、「挑戦はできても、中途半端に撤退されられることが多そう」で、必ずしも新しいことに挑戦するのに良い環境であるとは僕は思いません。

僕はフリーランスになってからリクルートから仕事を少しいただいたことがありますが、とにかく動きが遅くて驚きました。大企業であるがゆえに、事業推進スピードは遅いのかなと思いました。あくまで一例ですが。

ちなみに現役リクルートの方はソーシャルメディアポリシーのようなものがあるらしく、Facebookとかで自由闊達な投稿ができないようですね。小川くんもリクルート入社後はソーシャルメディアを駆使できず、外部から仕事が来る機会は減るんじゃないでしょうか。

2015年に新卒入社するなら、どこの企業を選ぶだろう

リクルートに2015新卒入社することについて、要点をまとめましょう。

1:ネット採用においてプレゼンスは増しているらしい。だが、社風によりネット事業(特にスタートアップ)が上手く立ち上がって成功するとは梅木は思っていない。よって、ネット系の良い人材がリクルートに就職するのはもったいないと感じており、DeNAとかの方がいいんじゃないかと思う。

2:労働時間の割に報酬が良いらしく、案外ホワイト企業である。(あくまで外銀や外コンと比較した上で、時給換算するとそれらより良いかもしれないという話)

3:新卒は特にリクルート文化を享受しやすく、OBの繋がりが強そうなのは卒業後に社会で活躍する上では有利である。

僕はUmeki Salonで皆さんに意見を聞いてからも、2015新卒でリクルートに入社したいとは思えませんでした。だがそんなのは人それぞれの価値観。とはいえ、小川くんに「リクルート新卒か。微妙じゃね?」と思いつつも「じゃあどこがいいんですか?」と言われると代替案を出せない。就職が必須とすると、現在のご時勢ではどこを選べば良いのか・・・。

「今新卒で就職するならどの企業か?」という特集が毎年のようにプレジデントかダイヤモンドあたりであった気がしますが、The Startup読者の皆さんは2015年に新卒入社するならどこに入社したいですか?理由とともにNewsPicksなどで是非コメント下さい。

雑誌の平準化されたランキングではなく、皆さんの生々しい思考と意見が学生の意思決定に大きな影響を与えることもあるかもしれません。ケーススタディーとして面白いかなと思い、記事化してみました。なんかリブセンスの転職会議の投稿内容にあるようなものをまとめると、こんな記事コンテンツができそうですね。

ついに会員数230名突破!Gunosy木村さんも参加するUmeki Salon
内容の参考:【きまぐれUmeki Salon第1号】LINE田端氏の降臨など

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著書、グロースハックYahoo!で要約を紹介。

梅木雄平が選ぶお勧め書籍30冊

コーヒーミーティングで梅木に「いつかお茶したい」しよう!

今日も元気にツイート中。 @umekida

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