「人」「金」「モノ」そして「情報」の4つが21世紀の経営資源である。
大学の授業でそう学びましたが、最近「情報」の重要性を身に染みて感じる機会が増えました。ランチなどの会食の謳い文句として「情報交換がてら」と言いますが、あれはあながち社交辞令ではないのですよ。むしろ情報交換を軸に仲良くしましょうというのが会食の主旨としては正しい。
僕はThe Startupを運営していることからも情報は比較的集まりやすい。新サービスの情報とかは特に。日々スタートアップ業界の経営者や有識者と接する機会が多いのですが、経営者ほど情報感度が異様に高いのです。敢えてリブセンス村上さんをネタに上げてみましょう。彼はニコニコしながら昔こんなことを言っていました。
土日はひたすらRSSを見てますね。RSSにはかなり膨大な数のブログを登録しています。
彼にとって何か目新しい情報を提供すれば、その場でメモしたり検索しています。これは村上さんに限らず、経営者の情報に対する渇望や嗅覚は非経営者とは比べ物にならないなと感じます。
経営者の最大の仕事は意思決定。意思決定の根拠となるのは「情報」。日々の経営判断のよりどころとなるのは、自らの勘もあるでしょうが、情報も大きな比率を占めるでしょう。特にめまぐるしいスピードで環境が変化するIT業界において他の業界よりも情報自体の価値が高いことは言うまでもない。
経営者と非経営者では情報感度が圧倒的に異なる。経営者が経営者同士でつるみたがる最大の所以はこの格差にある気がします。同じ情報感度のレベル感にあれば、有意義な情報交換が可能です。しかし知っている情報の前提が違えば、情報感度が低い人にとっては有意義でしょうが、高い人にとっては物足りない。そういう齟齬が経営者同士だと起きにくい気がします。
経営者の中でも情報感度が高い人と低い人がいます。敢えて例を挙げると、伝説のキャピタリストである赤浦さんはあまりニュースを読まないと仰っていました。レジェンドクラスともなれば事情が違うのかもしれず、こうした例外はあるかと思います。
しかし、一般的には経営者の情報感度は高くあるべきかと僕は思います。業界の流れの中で自社の立ち位置を把握し、次の打ち手を考えるのに情報は必要不可欠でしょう。ロムっているだけの経営者もたくさんいる。いや、むしろロム専の経営者の方が多いと思うのですが、経営者の皆さんにはぜひ情報発信をしていただけるといいんじゃないかと思います。情報は発信すればするほど自分の元に返ってくるとということを、僕はThe Startupの運営を通して実感しているので。
情報発信とは社長ブログを毎日書けということではありません。自社の経営にリスクがない範囲で、日々読んでいるニュースについてどう考えるかなど。例えば、動画とは遠くかけ離れた事業を運営している経営者でも、YouTube関連のニュースに対するコメントを出し続けていれば、それを見た人がYouTube関連のネタを教えてくれるようになるかもしれません。
NewsPicksのようなもので積極的に発信する経営者とそうでない経営者に集まってくる情報には差がついてくると思います。トップクラスのIT経営者はいわゆるサーモン会のようなリアルサロン的なものもあるんでしょうが、既存の繋がりだけに情報収集を頼り続けるのは危険かなと思います。サーモン会的なものも有意義だとは思いますが、それだけじゃダメじゃないかな。
逆にいえば大した人でなくても、情報を発信していればその情報に紐づいて色んな人と交流できるようになります。僕なんか最たる例で、特に大した事業をやっているわけでもなく、情報だけで食っているようなものです。その「大したことないくせに」ということで一部のアンチがいるであろうことも理解しています。
真のプロフェッショナルな経営者は「あいつ、大したことないくせに」というのではなく、「梅木のことはあんま好きじゃないけど、情報は欲しいからとりあえずサロンでも覗いてみるか」という人だと思います。我ながら上手い宣伝になってしまいましたが、経営判断に必要となる「情報」を取りに行くには感情論で動いてはいけません。
例外もあることは認めながらも、優秀な経営者ほど感情に流されず、ストイックに情報を集め、情報感度が高いんじゃないかと思います。合コンしているように見せかけて、合コンは貴重な情報収集の場なのです。経営者合コンにおける女性は、場に華やかさを添えるパセリのような存在。メインディッシュは「情報」なのです。
最後に宣伝で締めますが、Umeki Salonはここ2ヶ月で50人強の急激な伸びで250名を超えました。今後、更なる「情報」を拡充していきます。
【追記】
①:自社のPR投稿ばかりすることは情報発信とは言い難い
②:気になることを情報発信している経営者の方が、社員も経営者が何を考えているのかがわかり、適切な情報を提供しやすくなると思う
Gunosy木村さんも参加する、会員数251名突破のUmeki Salon
内容の参考:Gunosy木村氏の降臨、野村證券の近未来的なIPO時価格算定方法など
梅木雄平が選ぶ珠玉の書籍40冊。
コーヒーミーティングで梅木に「いつかお茶したい」しよう!
今日も適当にツイート中。 @umekida