先日アライドアーキテクツの上場の記事を書きましたが、外部の筆頭株主はドリームインキュベータ(以下DI)でした。ドリームインキュベータはスタートアップ界隈では正直全く耳慣れない方も多く、読者の皆さんはご存じないかもしれません。私が就職活動をしていた時代(2009年)はGSやMckの内定を蹴って入社する人もいたとか言われるほど、スーパーエリートな方々が入社する企業で、僕は眩しさの余り直視できなかったほどです。
未だ榊原さんとかが出てきていない時代に「ベンチャーインキュベーション」を標榜していた企業で、そのビジョンに私は魅せられたわけですが、地頭が足りなかったようでサクッと落ちましたね。そんなDIでしたがいざVCとして他社で業務に当たってみるとあまりベンチャー界では名前を聞きませんでした。新卒に圧倒的な知名度を誇っていた感じですね。
そんなDIのIPO実績をまとめてみました。
IRでは営業投資事業がベンチャーインキュベーション事業に相当するところと思われ、2012年度の売上は9.78億、2013年度の売上は4.28億となっており、ebookやスターフライヤーの株式売却益(この2社で全てではないでしょうが)がこの売上を構成していると思われます。
久々にDIのHPを見てみるとロゴが変わっていたり、オフィスも中目黒から霞が関へ移転していたり、ベンチャーインキュベーションにはあまり力を入れておらず大企業戦略コンサルにだいぶ比重が寄っているのかなと思いました。僕がどうあがいても勝てないような優秀な先輩方が入社されていたので、ベンチャーインキュベーションも頑張っていただきたいと思っていたのですが。
論点として一つ皆さんに問いたいのは、戦略コンサル的な方はベンチャーインキュベーションに向くのでしょうか?DIは大企業の戦略コンサルとベンチャーインキュベーションの両方ができるというポジショニングが当時はワンアンドオンリーでした。
もちろん戦略コンサル出身で素晴らしいベンチャーキャピタリストの方もいらっしゃいますが、戦略だけじゃコモディティ化するという説もありますし、ベンチャーインキュベーションは総合格闘技とも喩えられるわけで、大企業の戦略コンサルとベンチャーインキュベーションを並列でやることによるシナジーって実はそんなにないんじゃないかとも私は思いました。だから大企業戦略コンサルに比重を置いたのかもしれない。
ベンチャーインキュベーションをやるなら戦略コンサルの経験よりスタートアップで汗を流した経験の方が必要なんじゃないかなあとぼんやりと思いながら筆を下ろします。
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