堀江貴文『ゼロ』ブロガーミーティングに行ってきた

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昨日（10月21日）堀江貴文氏の新刊『ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく』のブロガーミーティングとやらに招待されたので言ってみた。僕はたしかにミーハーなのですが、堀江さを見れる！wktk！というのは特にない。むしろ将来的にはコラボレーションする可能性なども見据えて、相手の印象に残らないような認知のされ方はしたくない。実際にメディアを運営していてメディアバイアスの力学も把握しているので、どんな有名な人が相手でも変に謙ることを僕はしないだろう。

堀江さんの本は「拝金」を以前読んでエンタメとして面白いなと思ったくらい。世間が騒ぐほどの関心はなかった。今回行ってみようと思ったのは、書籍のプロモーションに興味があったから。ミリオンセラープロジェクトというのも聞いたことがない。高広さんがインバウンドマーケティングのゲラを僕に送ってきたりとか、堀江さんがこうしたオフラインイベントを通して本を売り込もうとしていたりとか。

書籍の印税率は8-10%程度。
著者利益＝100万冊×1,000円（仮）×10%＝1億円

有料メルマガの会員数が1.5万人に上る堀江さんは有料メルマガの収益とほぼ同等くらいにはなる。書籍ほどそれ単体で見るとミリオンでも出さない限りは利益率の低い事業。全国行脚もされるらしいが、堀江さんが『ゼロ』で稼ぎたいわけではなく、ただ単に伝えたいことがあるんだなということはわかりました。

ゲラを先程読みましたが、「労働とお金」「自立」などを今一度ゼロベースで考えるのに気づきを与えてくれた点で良かったと思います。『ゼロ』は刑務所から出てきた堀江さんの状態を指しているのでしょうが、『ゼロベース思考』に暗に触れている点も多く見受けられる気がして、その点が僕には良かった。悩むことは物事を複雑にすることで、考えることはシンプルにしていくことだ。とか。

本題のブロガーミーティングという書籍プロモーション手法ですが、彼らが期待した効果と参加者として感じた課題はこんなところ。

■期待した効果
１：ブロガーミーティングという「影響力がある人を厳選した」という心理に訴えかけて、出版前にインフルエンサーを集めて堀江さんと対面する機会を設ける

２：イベントの感想などを記事に書いてもらってそのインフルエンサー周辺に対する書籍の認知や理解を上げる（もちろん、イベント参加条件に感想をブログで書いて下さいとかはない）

■課題
・「ミーティング」のわりにはただのトークショーだった。堀江さんの話自体はそれなりに面白いのだが、イベントとしては全国行脚のリハのようなもので、同じものが焼き直されるんだろうなと思った。

・生の堀江さんを見れるのはいいのだが、あの場に集まったインフルエンサーも馬鹿ではないので、あのイベントに参加して書籍を推す記事を書いてくれるかは微妙なところ。おそらくあまり多くないと思う。

■解決策
・折角インフルエンサーが集まっているはずなので、事前にゲラを配布して参加者が読み込み、読書会にするとかの方が新たな知り合いもできて満足度は高かったであろう。インフルエンサーは本来はイベントに登壇する側であり、ただ単にパネラーの話を聞くだけではつまらない。僕は仕事で遅れていったのでアレでしたが。

ある程度の影響力のあるブロガーに紹介されることで本が100冊売れることもザラな時代。インフルエンサーマーケティングの実験として、実験される側に立ってみて色々と学べることがありました。アンバサダー・マーケティングという本も最近出たようですし（献本してくれないかな…）この辺のマーケティング手法は先端的で研究したい分野です。

個人的には時間も限られているでしょうが、インフルエンサー友達を作って彼らから自然に応援してもらえるような関係を作ることが一番良いと思います。その点、地道に日頃からたまにツッコミをもらう高広さんからゲラが送られてくると、なんか力になれないかなと思ったりするわけで。何も関係性がない人から、書籍のレビュー書けといわれても響かないわけで。著者対Nではなく、著者対個人のインフルエンサーという観点でアプローチした方がこの手のプロモーションは効果がありそうと思いました。

ということで大変勉強になりました。『ゼロ』自体は堀江さんがモテなかった話や先程のゼロベース思考に触れる話などから、エンタメとしても人生の本質論を考えさせられる作品としても質が高くて楽しませてもらいました。堀江さん、イベントか何かでお会いする機会があれば宜しくお願いします。その際は、ああこいつが梅木かと認知されていればいいなと思います。

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