猿でもわかるグロースハック:秀逸事例7選+施策パターン6選付き

Pocket


GILT本の解説をブログで紹介したことがきっかけで知り合った、日経BP中川ヒロミさんの最新プロデュース本である「グロースハッカー」を献本いただきました。12/12発売とのこと。

今までグロースハックに関してはThe Startupでは微かに触れたことがあるかないかという程度でしたが、奇しくも私が毎月寄稿している事業構想2014年01月号でグロースハック特集が組まれ、私が編集・執筆のかなりの部分を担当しました。読み比べると面白いかと。

「グロースハッカー」は入門書的な感じで平易な文章で非常にわかりやすい。猿でもわかるという感じです。グロースハッカーで基礎を学んでから、事業構想で多くの事例に触れる、という順番で読むのがお勧め。

グロースハッカーを読み、事業構想で約20ページに渡り取材して執筆して得たノウハウを元に、本稿ではグロースハック事例決定版となるような記事をお届けします。永久保存版。のような感じで読まれると嬉しいのですが。

プロダクトマーケットフィットとグロースハックの全体像

全体像のざっくりした話を。グロースハックを僕はこう定義します。

■グロースハックの定義
仕組みによってサービスの成長を実現する試み

事業構想の取材で一度も出てこなかった単語で「グロースハッカー」で気になった用語が「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」言い換えると「サービスと顧客ニーズが完全にシンクロする状態」。PMFに到達するまで実験を繰り返すのがグロースハックといえる。

■事例:書籍のプロダクトマーケットフィット(P33,P85)

①:書籍を出す前にどんなテーマにニーズがあるのかをブログ記事に対する読者の反応で読み取る
②:Suvey Monkeyを利用してアンケートを取る

その結果、一旦完成した書籍をブラッシュアップし、内容を削った。こういう取り組みがPMFに到達しようとする試みである。

■マーケティングとグロースハック最大の違いはデータドリブン

本書はアメリカンアパレルのマーケターである著者が、危機感を持ってグロースハックを調べて自分の仕事に取り入れていったという話であり、マーケティングとの違いも語られている。

マーケティング:派手にプロモーションを掛け、結果は祈るだけ
グロースハック:データを元に改善を繰り返し、機能する施策を導く

最後に。本誌の読者にAARRRなどの解説は不要と思われるが、簡単にいうとサービスのグロースにおけるフレームワークだ。Cybertimesのリンク先を参考に。グロースハックの全体像をざっくり図解するとこんな感じ。須藤さん(KAIZEN=Check)をデータドリブンで回していくのがポイントです。

スクリーンショット 2013-12-10 11.20.56どうでもいい話ですが、須藤さんの顔写真はKAIZENのPRのフリー素材化している気がします。須藤さん自らが出るバナー広告とか、いいんじゃないですかね。

EvernoteやUberなど、秀逸なグロースハック事例7選

グロースハック事例はアイディア集ともいえ、成功事例を頭に入れておくことで、自社サービスに応用した施策を考える大きなヒントになる。本書から私がこれは!と思った事例をいくつか紹介する。

■秀逸グロースハック事例7選

①:Evernote(P37)
「失礼ではありません。Evernoteで議事録を取っているのです」というステッカーを配る(そしてユーザーはPCに貼る)
⇒会議中にPCをやっていると一見失礼に見えるが、そうでないと主張することで、熱心なユーザーが広告塔になる

②:Uber(P47)
SXSWで無料送迎サービスを展開
⇒SXSWに参加するギークや高所得者層がUberの初期ターゲットと想定したため

③:Spotify(P64)
Facebookに「○○はこの曲を聴いています」というフィードを流す
⇒Facebook連携によりFacebookを無料で広告媒体化した

④:Dropbox(P67)
友人紹介で無料で容量up / フィードバックを送ると無料で容量up
⇒製品の中にバイラルする種を入れておく

⑤:Twitter(P73)
フォロー数増加でサービス定着率up
⇒初期登録時のおすすめフォローユーザーを20人からもっと多くに増やした。実際に日本でのtwitterの初期普及時に「まずは100人フォローしてみなよ。そうすれば楽しさがわかる」といわれていたが、まさにその発想。

この5つに加えて事業構想上でも紹介した有名な事例を+2お伝えする。

⑥:Hotmail
メール文末に「Get your Free Email at Hotmail」と一行入れる
⇒メール自身が広告化され、デイリーの新規ユーザー数が3,000人から2万人にまで伸びた

⑦:Airbnb
Airbnbに掲載された情報を自動的にCraigslistにも掲載されるシステムを創った
⇒大手クラシファイドサイトCraigslistにも載ることで格段に成約率が上がったと想定される

パターン図解:グロースハック施策6パターン

「グロースハック」および事業構想の取材記事+αを元に上記の施策をパターン化すると下記の図になる。皆さんが自身のサービスのグロースハック施策を考える際の参考になれば幸いだ。

スクリーンショット 2013-12-10 11.27.33施策パターンを体系的に抑えて引き出しにしておくと、アイディアが出やすくなる気がする。特に後者のターゲティングした上でのプロモーションって重要で、他にもEvernoteのようなステッカー貼ることが機能する場合(日本のスタートアップでもPCにステッカー貼るの流行ったが、PMFの観点で適切なサービスはほとんどなかったと思うが…)や事業構想の取材でコミュニティファクトリー松本氏が「アプリレビュー数増加」をKPIにアプリ内でレビュー書き込みのポップアップを出していた。とかが印象に残った。

グロースハックは知恵の勝負ともいえる。アイディアの引き出し多く持つことが有用なアイディアを発想する際に役立つはずだ。それぞれの実際の具体的事例の話は、グロースハッカー事業構想2014年01月号でご覧下さい。

梅木執筆による事業構想グロースハック記事リンク集

最後に事業構想で今回私が執筆した記事のオンライン版のリンク集をお届けする。今回の最大の注目は食べログvsRettyであろうか。食べログの地方巡業の話などは大変興味深かった。

■事業構想:リンク集

・Appsocially:マーケティングとの違いは?:リンク
・pLucky:「AARRR」モデル徹底解説:リンク
・KAIZEN:ユーザー心理を考え、改善を行う:リンク
・nanapi / Sumally / コミュニティファクトリー:81世代のグロースハッカー:リンク
・ Zaim:人力の対応が口コミ誘発:リンク
・サイバーエージェント / MONOCO /ライフネット生命/ココナラ:共感を呼びバイラルを起こす:リンク
・ドリームアーツ:BtoBグロースハックの要点:リンク
・食べログ&Retty:口コミグルメサイトの成長曲線:リンク

以上でございます。この記事は必ず自分でも何度か読み返す機会あるわ。レビューできるとは限りませんが(むしろ記事化できないことの方が多いですが)献本は最近は大歓迎です。特にKindleでもらえると嬉しい…。Aboutページ見てFacebookかメアド宛にご連絡いただければと。

グロースハックについてより詳しく知りたければ事業構想でも取材させてもらった高橋さんのGrowthHacker.jpを読み込むことをお勧めします。既にグロースハックに興味ある人は皆知ってると思うけど、これからという人向けに敢えてご紹介。

事業構想!毎月書いてるから読んでね!

ネット業界の転職ならブライツ。

スクリーンショット 2013-10-08 11.15.52

■ New!どこにいくんだThe Startup?

有料メルマガ週刊The Startupを開始。

梅木雄平が選ぶお勧め書籍30冊

オウンドメディアの企画執筆を受け付けております。こちらを参考に。

会員数200名突破!スタートアップ業界の表裏最新事情を届けるUmeki Salon、サロンインタビュー記事はこちら
1470721_10202661416239160_175355618_n



Pocket

コメントを投稿する

「猿でもわかるグロースハック:秀逸事例7選+施策パターン6選付き」に対してのコメントをどうぞ!