高広氏新刊「インバウンドマーケティング」速報

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先日、高広さんから新刊であるインバウンドマーケティングの原稿をいただきました。発売は今月末でしょうか。インバウンドマーケティング自体、バズワードになっている感が否めませんが、真打ちの登場といったところでしょう。発売前の書ですが、レビューは高広さんの許可を得ています。

私はインバウンドマーケティングの中のコンテンツマーケティングとブログ執筆的なクライアントワークをいくつもやってきています。私の領域はオンラインメディアの運営であり、主にその観点で響いた箇所をいくつかご紹介します。インバウンドマーケティングは本来BtoBのマーケティングに効果が高いんでしょうが。まずはインバウンドマーケティング全体を俯瞰する図を最初に入れておきましょう。

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読む価値のない企業側視点のメッセージを投下しない

これは私も認識しており、けっこう主張しているつもりなのですが。

・受け手にとって「読む価値のない」、企業側視点のメッセージを爆弾のように投下することはやめる

・代わって、自分たちがコンタクトしたいお客さんたちにとって、「読む価値のある」「役に立つ」コンテンツ を提供する

・適切なタイミングとは、企業側にとって適切なタイミングではなく、相手にとって適切なタイミングのことである

・むしろブログに必要なのは、自分たちがつながりたい人々がどのようなことに興味を持っているか、どのような 課題を抱えているのかを把握した上で、それに関連したコンテンツを提供すること

ブロガー(という表現を私は自称することを嫌うのですが)経験のある方であれば、読者に有意義な記事を提供しないと振り向かれないことを肌で実感しています。

そうした書き手にとって「読む価値のあるコンテンツ」を届けようと意図することは当然のことなのですが、企業のインバウンドマーケティングの一環としてのブログという観点においては、驚くほど企業のPRしか発信していないブログが多いのが現状と見受けられます。「ブログの記事ではプロモーションそのものを目的としたものは書かない」ともありましたが、まさしくそうです。

高広氏のマーケティングエンジンの「インバウンドコンテンツストラテジスト」の募集要項を見るとこうあります。

■募集要項

コンテンツ制作業務経験。ブログやソーシャルメディアを個人的に活用していること。編集プロダクションでの勤務経験やライターとしての活動経験、SEOなどのオンラインマーケティングに関して拒否反応がないこと。英語でのドキュメント読解力要。

企業広報の一環としてではなく、あくまで営業の代替としてインバウンドマーケティングを取り入れ、その中でブログをツールとして選択する際は、個人的にコンテンツ制作経験のある方が勘所を掴んでいるため、重宝されるでしょう。

“Think like a publisher” 、“Think like a journalist

ビジネスブログを書く上での心意気や態度、に関して。“Think like a publisher” や “Think like a journalistという言葉があり、なるほどと思いました。ちなみに「ジャーナリストという言葉は可燃物である」ということを教えて下さったのも高広さんだったため、今後「ジャーナリスト」という言葉は僕の中では「ノマド」同様にNGワードにしようと思っていたのですがw

このパブリッシャーやジャーナリストのように考えろ、という話は、企業がインバウンドマーケティングの一環としてブログを運営する際、自社のPR記事ばかりにならないように、業界の話であったり大局的な視点のコンテンツを提供し続ける必要がある。その一環として自社のコンテンツも届ける。くらいの位置付けが最適。

企業はマーケティング活動において、自社のサービスや製品を売るという近視眼的なことに目がいきがちですが、大局的に見てその市場がどうなっていて、競合他社のサービスはこういうものがあり、その中で自社サービスの位置付け。というようなコンテンツの方が、ユーザーは価値を感じてくれると思われます。そういうコンテンツを創るための、パブリッシャーやジャーナリストのように考えろ。ということなのでしょう。

ペルソナに話しかけるようなイメージを持て

ペルソナってわりとぼんやり意識はしているようで、詳細なイメージを持って普段コンテンツ作成できているかというとそうでもない。私が本誌で記事を書くときとてそうです。The Startupの想定読者って誰だっけ。中でもこの記事の想定読者は?とファジーなまま記事を書き進めることが日常です。

そこでハッとしたのが、ペルソナに「話しかけるような」イメージを持てという話。The Startupは考えようによってはわざと冒頭にハイコンテクストを交ぜて、わかる人だけどうぞ。という手法を取ることもあり、その排他性が逆に一部の読者にウケたりするんだと思います。これはある意味、ペルソナに話しかけるようなコンテンツであり、そこをフックに読者のエンゲージメントを高めているともいえます。

コンテンツの個別化、これはコンテンツ内容という大局的な観点から言葉の選び方という細部に至るまで考えられますが、「これは自分に向かって書かれた文章なんだ」と認識させることで、エンゲージメントさせやすくなることは明白で、そのためにもペルソナを詳細に意識して、話しかける。というスタンスは重要なのだと感じました。

NPS(ネットプロモータスコア)は必ず+にするべき

ネットプロモータスコア(以下NPS)という定量的概念を恥ずかしながらはじめて知りました…。これはその商品を買ったなどのアクションをした後に、その商品に関して購買者がネット上で良い情報を流すか悪い情報を流すか、というスコアリングのことです。

わかりやすくThe Startupに関するtweet上での評判のみで定量化した例で喩えると、この記事は面白かったとtweetする人が30人、この記事はクソだったとtweetする人が10人いたとすると、NPSの差分は+20となり、まあ悪くはない数字。

マイナス意見を恐れていてはいけませんが、オンラインメディアの運営においてはNPSの差分が+となる記事を地道に蓄積し続けることで、読者の信頼を得ることが重要になってきます。NPSが大きくマイナスになる記事を連発し続けると読者が離れ、PVも下がってくることでしょう。NPSを意識した運営を心掛けようと思いました。

最後に。僕は真正なマーケターではないわけですが、マーケティングが生活者を広告などで邪魔してきて、嫌われ者になっていた。これからはMake Your Marketing Lovableという考え方でいかないとマズい、ということがよくわかりました。愛されるためには押し付けがましい営業や広告ではなく、相手に役立つコンテンツを届けるインバウンドな発想が重要ということです。インバウンドマーケティング。マーケターに限らず、ビジネスマンに必要な発想だと思います。ぜひ一読あれ。予約受付中らしいです。

ということで高広さん、飲みにでも連れて行ってくださると嬉しいです!

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