以前GunosyやSmartNewsなどニュースアプリのまとめ記事をお届けしたが、本誌ではアプリ市場において次の主戦場の一つにニュースアプリが挙げられると見ている。そのニュースアプリ市場に新たなサービスが参入を発表した。金融関係者や経営企画に従事する人々に人気の企業分析のSaas型データベースであるSPEEDAを提供するユーザベースが、経済情報に特化したニュースキュレーションサービスであるNewsPicksの提供開始を2013/9/18に発表した。以下、リリース文の一部を要約して掲載。
NewsPicksはざっくりいうと、ビジネスマン向けの人を介したキュレーションサービスだ。
「NewsPick」は、国内外の 30 を超えるメディア各社が提供する経済ニュースを集約し、ユーザーが気になる経済ニュースを意見と共に他ユーザーと共有できるサービスです。本サービスは以下 2 つの大きな特徴を有しています。
■1:経済各紙をワンストップで閲覧
東洋経済Online、ダイヤモンド・オンライン、ロイターなど30を超える国内外メディア各社様の協力の元、News Picks 上で様々な経済ニュースをワンストップで閲覧する事が可能
■2:業界の専門家、友人等によるキュレーション
NewsPicksをご利用頂くユーザーは、業界の専門家や友人をフォローする事で、彼らが 「PICK」(キュレーション)するおススメ記事から構成される、ユーザー独自の経済紙面を作成することができます。専門家は、弊社に所属するセクターアナリストの他、実業界で 活躍する事業家、大学教授、ジャーナリストなどに参加頂く予定です。
また、専門家や友人の他に、特定のテーマ(例:M&A、ベンチャー) に関連するニュースを自動で収集するロボットもフォローすることで、より網羅性、速報性の高いニュースも取得できます。
今後2013 年内にWeb 版及び有料版のリリースも予定しております。
トラフィックの金脈となるニュースキュレーション
ゲームとクックパッドのような一部の月額課金サービス以外で継続的なマネタイズが難しいといわれるアプリ市場において、既に人々が毎日のように触れる習慣のあるニュースはスマホでより身近になり、ビジネスの芽が出やすい市場であろう。
莫大に増えていく情報量に対して、人々の情報消費量が格段に上がるとはいえず(スマホがメインデバイスとなることで少しは上がるだろうが)増え過ぎた情報に対するキュレーションのニーズが顕在化してくる。そのニーズ故に成功するとそのメディアは莫大なトラフィックを獲得できるだろう。
従来はほぼヤフトピの一強であった市場だが、2013年に入ってGunosyやSmartNewsの台頭によりスタートアップ界隈では一気に注目度を増してきている。スマホ時代のニュースメディアは戦国時代に突入しており、元祖キュレーションニュースメディアであるヤフトピだけが勝てる構造とはならないであろう。新聞紙や放送局が数社並存するのと同様の構造へ収斂していくと思われる。
NewsPicks立ち上げの鍵は専門家によるソーシャルリーチ
主に経済の話題を中心とした、人によるキュレーションサービスであるNewsPicks。事業者の選定によるSmartNews、パーソナライズによるGunosyと異なるのは、専門家や友人によるキュレーションという点だ。
現在、Gunosyがユーザー数を伸ばしている背景で大きいと思われる のがtwitterやFBでGunosy経由で読んだ記事のリンクがGunosyリンクになっている点。ソーシャルメディア上でGunosyのリンクを多く見かけることで認知したりユーザーがGunosyに戻り利用を再開する。
こうしたソーシャルメディアログインを背景にソーシャルメディアに情報を拡散してグロースハック(ユーザー獲得)する手法は一部でソーシャルリーチの最大化と呼ばれている。
NewsPicksに関しては人のよるキュレーションが最大の価値であることからも、専門家やインフルエンサーがNewsPicks上でPickした記事を積極的にソーシャルメディアに流してくれるか否かが立ち上げスピードを早める鍵となるであろう。そのために彼らが毎日でもログインしたくなるような施策や仕組みが必要であると感じた。
世界一の経済情報プラットフォームを目指すユーザーベース
NewsPicksを提供しているユーザベース社は法人向けの企業分析SaasサービスであるSPEEDAを提供している。Umeki Salonでも話題にしたところ、金融関連に従事していて利用していたユーザー(ココナラ南さんなど)から非常に評価が高かった。法人向け月額サービスであり、SPEEDAでかなりの売上が立っていると推測される。シンガポールにも拠点を構え、海外展開を見据えているようだ。ユーザーベースCEO梅田優祐氏はNewsPicksの狙いを下記のように語る。
SPEEDAは、プロフェッショナルにフォーカスした経済情報プラットフォームとして順調に成長し、今年は世界展開を加速させるフェーズとなっています。それと同時に、より幅広いビジネスマンに日常生活の中で利用してもらえるようなプラットフォームとして、経済ニュースに特化したNewsPicksをリリースし、プロフェッショナル向けとより幅広いビジネスマン向けの両輪で、世界一の経済情報プラットフォームとなることが狙いです(梅田氏談)
SPEEDAに関してはこちらの記事も興味深いですね。僕も今後使わせてもらえると嬉しいです。
*ユーザーベース社とは梅木雄平は過去に取引実績はございません。
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