札幌で行われているIVSのLaunch Padに出ているサービスをご紹介。IVSは2年前に投資先の枠で参加させていただきましたが、もうお声が掛かることはないんじゃないかと思いますw 寂しい限りですね。メディアスポンサーの気分になって(いやむしろ審査員気分で)Ustreamで見たものをベースに、いつもの切り口で所感を述べたいと思います。IVSを本誌で扱うのははじめての試みとなります。
サービス一覧はNavarに既にまとまってますので、こちらをご覧ください。既に本誌で解説済みのサービスもいくつかあるので、アペンディクスも付けていきます。
尚、優勝は会計ソフトfreeeでした。おめでとうございます!
①:リボルバー(ファンコミュニティプラットフォーム)
Revolver
市場:○
製品:○
VC:CAV
以前から本誌でも注目のサービス。ファンクラブのオンライン化という市場であり、画像中心なのでノンバーバルでグローバルにスケールしやすい。実際既にユーザーは海外比率の方が高いようですね。今後ユーザー課金などを始める際に、どういう課金率(有料ユーザー / 無料ユーザー)になるのかを楽しみにしています。市場はあると思っていますので。
参考記事:和製Backplane:Teamtomoなど画像起点のセレブリティSNSを展開するリボルバー
②:U-NO TE(イベントまとめサービス)
U-NOTE
市場:◎(まとめ市場は有望)
製品:○
VC:partyfactory、VOYAGE VENTURES、MOVIDA JAPAN
昨日久々に見てみましたが、結構充実してきていますね。まとめコンテンツのトラフィック力はNavarまとめを着火点に上がってきており、レッドオーシャン化も予測される。イベントのまとめはこれは内製化して作っているんでしょうかね。まとめによっては誤字脱字ありまくりで微妙なものもあったけど。
コンテンツマーケティングツールとして1本15万円でイベントの記事広告を受け付けているとのこと。結構高いな。既に200万円売っていて、単月黒字化!マジか!U-NOTEのおかげで実際にイベントに行かなくてもイベントの様子を知れるのは便利なので、ちょくちょく覗こうと思います。
③:tixee(スマートフォンチケット)
tixee
市場:○
製品:○
VC:KLab Ventures
もぎりですよね。何度かこの手のイベントで見ました。既にミスチルなどのでかいライブを押さえているのはいいですよね。大きいライブでトランザクションが増えて、スケールするという絵は描けそう。
④:チケットキャンプ(ウェブ上のチケット売買を体系化)
チケットキャンプ
市場:○
製品:◎(リクエスト機能が良い)
VC:なし?
チケットの二次流通はレッドオーシャンですね。他のチケットサービスは出品から始まって落札するというパターンでしたが、このチケットが欲しいというリクエストをするサービス。リクエストに対してどれだけ成約させるかがポイントですね。ユーザーニーズはあるので、良いコンセプトだと思う。チケットプラットフォームって何社生き残るのかなあ。
参考記事:公演チケット売買のチケットストリート、チケットチェキットは「取引の確実性」が魅力
⑤:ライフタイマー(ニートから社長に)
ライフタイマー
市場:×
製品:×
VC:なし?
ツール系ですかね。Zaimなどの家計簿アプリがけっこう使われているようですが、かなり目的が明確なため使われている。人はそこまでマメではなく「時間への意識」を変えるのは相当難易度が高い。継続率が相当低いと思いますし、せいぜい受験生や経営者くらいしかこういう意識を持って生きれない。よって市場も製品も厳しいと感じました。レビュー書いている人が多いというPRもありましたが、僕にはわかりませんでした。なんでこのプラン通ったんだろう…
⑥:TRAPRO(社会問題のプラットフォーム)
TRAPRO
市場:△
製品:△
VC:なし?
社会問題に対してトピック(イシュー)を立てて議論をしたり現地に行けるスタディーツアーにもいけるという。社会問題のO2Oサービスといえるのかも。この手の社会問題的なことが好きな人って周りにもチラホラいるのですが、そんなに比率は高くないような。大学でこういうツアーを作って参加することが単位にもなっている。ニッチな需要だなという感じ。スケールさせたいとプレゼンされていましたが。
⑦:ココナラ(モノを売らないフリーマーケット)
ココナラ
市場:△
製品:○
VC:Improvista
マスメディアでの露出も増えてきており、今回のLaunchpadの中でも一番知名度が高いと思われるサービス。500円でサービスをオンライン上で取引をする。サービスによっては500円以上の価値を感じると、+αでお金を支払う場合も。似顔絵が強く、似顔絵作成プラットフォームといわれることもw
実は発注者側からするとクラウドワークスなどのクラウドソーシングとごくたまにバッティングすることがあるようです。
成約28,000件はすごいですね。バーティカルではなく、低単価で複数のジャンルを攻めるゲートウェイを目指すとのこと。しかし、市場のスケール性に関しては疑問で、南さんもその質問は1,000回くらい受けたそうですが、その解説は今回なかったですねw
参考記事:ココナラの急成長を支えた、ライフネット流ストーリー・マーケティング
⑧:Speedy!(スマホから最高のチューターとの出会いを)
Speedy!
市場:○
製品:△
VC:なし?
今回もエデュケーション分野が1つありましたね。高校生がスマホでチューターを見つけるサービス。市場は確実にある分野なので、簡単なUX設計とスピード勝負な気がします。このサービス、少しmana.boに似ている気が。プレゼンしている女性の声が可愛かったですね…。
⑨:タップリンガル(スマホで多言語対面通訳)
タップリンガル
市場:○
製品:○
VC:なし?
スマホで対面で他言語通訳するアプリというわかりやすいサービス。月額3,000円くらいで。通訳を代替するサービス。小売店などへの法人がまずターゲットなようですね。既存市場を破壊し、マネタイズも見える手堅いビジネスですね。
⑩:freee (全自動のクラウド会計ソフト)
全自動のクラウド型会計ソフト。派手さはないですが、便利っすよね!個人事業主はすぐ使いそうですが、法人の利用ハードルはこの手のサービスは高そう。その辺のマーケティングをどうされるのかが見物ですね。既に3,400事務所が登録しているらしいですね。どうやって短期間にこんなに増やしたんだろう。
⑪:マネーフォワード(お金の「次世代」ポータルサイト)
マネーフォワード
市場:◎
製品:◎
VC:個人投資家から1億
個人の各口座の情報を一括で管理できるプラットフォーム。僕もひそかに使っていますが、そんなに複数の口座を持っていないので、僕にはオーバースペック。(マネーフォワードの1ユーザーは平均6口座登録しているとか)しかし、富裕層にはニーズあるでしょうね。
そしてお金に関するデータが溜まるため、自分と同程度の年収や家庭環境にある人がどういう風にお金を使っているのかという情報は相当価値が高いと思う。BtoB、BtoCでも手堅く儲かりそう。
⑫:CocoPPa(スマートフォンきせかえコミュニティ)
CocoPPa
市場:○
製品:○
VC:なし(というかUNITED)
iPhoneのホーム画面のきせかえCGM+CtoCプラットフォーム。ガラケーでもあった市場ですね。壁紙やアイコンを自分で作って投稿できる。女子高生ニーズですね。アイコンにまでこだわりたいユーザーってそんなにいるんだろうか。
既にiPhoneで750万DLだとか。その内半分か北米でノンプロモーション。すげえな。継続MAU(DLから2ヶ月目の利用)も134万。僕の疑問に対しては既に市場の数字が答えになっていますね。ノンバーバルなのでグローバルにスケールしやすいのが良いのでしょう。「日本のかわいいを世界へ」というコンセプトを上手く拡げている好例といえそう。
編集後記:BtoBでスケール効くモデルは手堅くて好まれる
やべ、スピード優先でここを書かないで出しちゃったので追記。左に順位とサービス名、右に梅木の勝手に審査員評価を記載(全てプレゼンを見ている際に採点、というか思っただけ)
1位:「freee」市場◎、製品◎
2位:「CocoPPa」市場○、製品○
3位:「tixee」市場○、製品○
4位:「マネーフォワード」市場◎、製品◎
5位:「ココナラ」市場△、製品○
5位:「TRAPRO」市場△、製品△
上位は手堅いっすよね。BtoBで課金できるモデルで市場のスケール性がありそうなサービスは手堅くて魅力的にみえます。
いやー、この手のイベント書き起し系は差別化が難しく、大手メディアより数字が取れるレベルに媒体力を育てないと難しそうですね。やはりThe Startupは独自視点の記事を強化しようと、初速の数字を見て思った次第。
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