「とあるサイプロ」はサイバーエージェントの中の人らしい件

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profile凄い勢いで伸びてきているゲーム市場の情報が中心の個人ブログ、とあるサイプロ。私はゲームに強くないので、サイプロさんにこの手の記事は任せようと勝手に心の中で決め、カバレッジから外したほどです。

「とある」というだけあり、どこのサイプロだよと気になる読者は多いのではないでしょうか。2月に転職したとありますが、サイバーエージェントの中の人みたいですね。複数の確かな筋から情報を得ました。

完全にタイトルで釣りましたが、こうした個人メディア運営者やブロガーを外部から調達する動きは今後増えてくると思われます。なぜこういう動きが起きていくのかを解説しましょう。他にもこういう事例がありますね。

■大物?ブロガーの移籍事例

①:Innovation from Popular Sense(渡辺さん)
⇒サイバーエージェント(社長室)

②:ガイアックスソーシャルメディアラボ(井手さん)
⇒mixi(Find Job部門)でStartup Ideas & Frameworkを立ち上げ

企業が著名ブロガーを獲得し、内製化する流れについて、思うところを。

ブロガーの定義とメディアの成長サイクルの解説

まず今回の対象者である「ブロガー」の定義を。

■ブロガー

・自分がコントロールできるメディア(ブログ)を立ち上げた人
・既にある大手の媒体の記者やライターとは異なる
・ゆえに独自性の高い情報を発信している場合が多い

世間が「影響力のある」ブロガー / メディアである、と認知するまでの成長サイクルはこんな感じ。

■ブロガー/メディアの成長サイクル

①:数本ホームラン記事を出す(1発じゃダメ)
②:ホームランでなくともヒットを継続的に出し続ける
③:ストック性とサブリミナル効果によりブランド力が急激に上がる

このサイクルは私がThe Startupを運営してきた感じたサイクルなので、大きく外れてはいないはずです。The Startupは最近③のサイクルに入ってきた感じがあり、正直ヒット記事を最近あまり出していないのに、認知度だけ急激に上がってきていると肌で感じています。VC業界の用語でいうと、完全に「Jカーブ」を掘り続けて、ようやく芽が出てきたという感じです。

記事数の大小はあれども、ブロガーが一定の認知を獲得していく過程には必ず①のホームランが何本か必要になります。複数本のホームランをいかに早めに打てるかが、立ち上がりの初速に重要といえるかもしれません。こういう過程を経てきた人材にはどういう特徴があるのか、次項で解説します。

テック系ブロガーは調査や戦略立案に大いに役立つ?

ゴシップネタや炎上マーケティングで成り上がったブロガーではなく、「おお!なるほど」と読者を納得させる記事でホームランを打ってきたブロガーであれば、下記の資質を持っていると仮説を立てられる。

■ブロガーの特徴

①:考えたり調べたりするのが好き
②:自分の考えを発信したり表現したりするのが好き
③:誰に強制されるでもなく無償で書くというほどのモチベーション

ブログは制限のない自由研究と言い換えることもできます。成長サイクル②の「ホームランではなく、ヒットを継続的に出し続ける」という継続性がある人であれば、外的モチベーションよりも内的モチベーションが強いと思われます。①の調査的なことが好きだったり、②の自分の考えを整理することが好きだったり。

ここが大手媒体の記者との決定的な違いです。ストレートニュースを書いて飯を食っているのと、自分の考えを儲からなくても発信し続ける。後者は本当に好きなことだから、持続可能性が高いと思うんですよね。少なくとも私はそうです。

経営者の視点で考えると、放っておいても自分で調査して考えるような人材は、手元において置くブレーンとしては最適といえるかもしれません。とはいえブロガーはわがままなもので、課題を与えられると嫌がるかもしれませんがw 社内の人材に強制的に調査や戦略立案をさせるよりも、無報酬で好き勝手に調査や妄想戦略立案をしていた経験のあるブロガーにやらせてみた方がいいんじゃないかと。

ついでに言うと、メディアはコントロールできない存在なので、何を書くかわからないリスクのあるブロガーを外部調達して内製化することは、広報上の防衛戦略にもなります。サイプロさんはサイバーエージェントの記事も出されていますがね。ご自身がブロガーだからか、藤田さんはブロガーの価値を早めに見極めて、良いリクルーティングをされますね。

オーサーランク導入により、ブロガーバブルが到来?

オーサーランクの導入も遠くない未来と噂され、我々ブロガーの時代の到来が現実味を帯びてきました。良質な記事を提供できる書き手は少なく、かつ一朝一夕では量産できません。ゆえに需給関係が逼迫し、ブランド力のあるブロガーはエンジニアより価値が高騰し、バブる可能性がある参入障壁が高い分野です。私もゴミ記事ばかり書いていると、すぐに稼げなります。(逆に、一旦スターブロガーと認められると、ブランド力が低下しにくい旨味のある市場ともいえる)

コンテンツマーケのバズワード化もあり、その流れを踏まえた上で先手を打ってブロガーを外部調達してくる動きは、今回のサイプロやその他の事例から、顕在化してきています。(獲得したブロガーの活かし方は、戦略調査部隊としての活用と、オウンドメディアを立ち上げさせる2つのパターンが主と思われる)

ブロガーは癖が強かったり、空気を読まない記事を書けるKYさ(高尚にいうと、ジャーナリズムといえる)があり、企業がコントロールするにはなかなか難しい存在です。その特性を踏まえた上で、そういうタレントを活かせる企業は次の勝機を見出せるかもしれません。私がブロガーを獲得する経営者なら、次のターゲットはインターネット界隈のことを調べるお。ですね。

私ですか?話が全くないわけではありません。

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■About this media & Yuhei Umeki

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