ノボットの米スマートとの提携に見るグローバルでのスマホアドネットワーク市場の今後

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本日、注目のノボットがこのような注目のリリースを発表した。
ノボット、米スマート社とスマートフォン向け広告配信において業務提携。
AdMaker」が世界220カ国以上への広告配信が可能に。

ああ



ノボットはリリースから伺うには
今回のスマートに限らずシンガポールや米国の各社との事業提携に力を入れている模様。

アドネットワークネタでいえば先日のこれ
がTL上でわりと盛り上がり、ホットなトピックです。
先日の記事では某社とノボットの比較で
広告配信モデル(とりわけアドネットワークモデル)のExit戦略の考察を述べましたが
本稿ではこのスマートフォンアドネットワーク市場の
ビジネスモデルやマーケットの現状、今後の展開について踏み込みたい。

■日本のスマホアドネットワークのimp数と配信戦略の比較

imp課金かクリック課金により
ユーザーを出稿主のアプリやサイトへ誘導することで
スマホアドネットワークの収益モデルは成り立っています。
よって配信可能imp数を伸ばすことがKPIとなります。
プレイヤーの概況予測は下記となります。

Admob:約20億imp/月:全方位
ノボット:約6.5億imp/月:アプリ中心
某社:約数億imp/月:サイト中心

スマホアドネットワークの場合は
PCや モバイルと異なり「サイト」と「アプリ」という二つの配信先があり
それぞれに特性があります。

サイト:メガサイトになればなるほどimp数が伸びるが「配信タグ」の埋込みは容易であり
技術的なスイッチングコストが低い
アプリ:配信するにはSDK の埋め込みが容易ではないため
技術的なスイッチングコストが高い

サイトはメガサイトの案件(GREEとか)を取れれば大きいですが
アプリの方で地道にロングテールを狙うのも 悪くない戦略かと思います。

■グローバルのスマホアドネットワークと今後の市場動向

今回の「スマート」ですが
「50以上のモバイルアドネットワークと220カ国以上への配信が可能」とあることから
「アドネットワーク of  アドネットワーク」であり業界の超大手と言えそうです。
この「50以上のモバイルアドネットワーク 」にAdMakerが仲間入りし
AdMakerに出稿しているパートナーにとっては
海外へのリーチも可能になりimp数も増えるのでGood Newsです。

世界的に見るとこの業界のマーケット状況はこんな感じじゃない?と推測されています。

1位:Admob(Google):?imp/月
2位:InMobi(インド):?imp/月
3位:smart(米国/NY) :160億imp/月ノボットが提携
4位:BuzzCity :?imp/月ノボットが提携
*実は4位のBuzzCityともノボットは提携済だった模様。

やはりAdmobが業界首位のようですね。
このビジネスのKPIとなるのは配信可能imp数であるため
配信可能imp数を伸ばしていくことが重要である。
日本では大型案件(サイトなど)をどこが取るかが焦点になるが
一方でワールドワイドな業務提携の方が今後重要なフェーズになると思われる。
この市場においてはワールドワイドでの活発な業務提携及び吸収合併が速やかに進むと予測される。

明らかに伸びる市場であるため
現状の売上高ではなくシェア争い、将来配信可能imp数が一番重要なKPI。

VCから見るとKPI設定を見誤るとビッグディールを逃すことになるであろう。
将来配信可能imp数から売上高予測を作ることもできるだろうが
スマホアドネットワーク市場の盛り上がりを考察することから
現状の数字からのValuationはほとんど意味をなさないことを
VCは学ぶべきではないだろうか。

Admobに対してスタートアップ連合がどこまで接近できるか?
という 流れに世界的に合従連衡しながら進むのかなと思います。

■日本のスタートアップのグローバル戦略

日本のスタートアップで華麗にグローバルで事業提携を進めているという事例では
本案件は非常にいい事例です。
グローバルを狙いやすいスタートアップの分野としては
今はソーシャルアプリでFacebookなどのメガSNSで横展開するというものでしょうが
英語版をローンチするだけでそんなに容易に向こうでヒットするとは思えません。

昨今では日本のメガベンチャーであるGREEやサイバーエージェントが
シリコンバレーに会社のNo.2を送りこみ
「シリコンバレーはジャパンITオールスター化しつつある」という流れを耳にします。
それだけ現地で直接仕入れる情報やネットワークが重要であるということが伺えます。
グローバルに展開したければ日本国内じゃなくシリコンバレーにでも最初からオフィスを構えろ
と言われればそれまででしょうが
資金力や日本が好きだという理由で日本でやっているスタートアップも多いと思います。

ノボットの小林さんにお話をお伺いしたところ
海外業務提携担当の方が年に何度も海外に足を運んで提携を実現させてきている、とのこと。

シンプルなことではありますが世界を狙うには世界を直接知れ。
という考察になっていない当たり前の言及で筆を下します。
サムライ軍団はまた今月シリコンバレーに飛びこむとか耳にしたりしてます。
自分も早く行きたいですね、シリコンバレー。
リサーチ要員として榊原さん連れてってくれないかな―w



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