Livlisが手掛けるPinterest系サービス「Clipie」、ソーシャルコマース決定版となるか?

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本日、ソーシャルコマースサイトLivlisを手掛けるkamadoが新サービスClipieを発表し、事前ユーザー登録の受付を開始した。

Clipieは大まかにはPinterest系サービスと位置づけられる。Pinterestは先日「なぜ女性はPinterestにハマるのか」でお届けした通り国内でも流行の兆しが見えてきたサービスである。

少し前だとGroupon、最近だとEtsyのように多くのクローンサービスが乱立すると早くも予想されるPinterest市場だが、日本国内で先手を打ってきたのはソーシャルコマースの雄、Livlisを手掛ける川崎氏であった。

滅多に取材を行わない方針であるThe Startupであるが国内web業界でホットな話題であるためClipieローンチに際して急遽、川崎氏に独占取材を行った。

昨日リリースのティザーサイトにより、既にスタートアップ業界では話題になっており今後の動向に注目が集まる。川崎氏の取材に本誌独自の考察を加えて「Clipie」を紹介する。

なぜ「ビジュアルブックマーク」なのか?

上記のUIの通り、ほぼほぼPinterestを踏襲しているとみて間違いない。

▷写真しかやらない

ショルダーコピーに持ってきているだけあり「写真投稿しかやらない」と川崎氏は言い切る。動画やテキストリンクをコンテンツの一角とするクローンも登場しそうだが後述のソーシャルコマースを目指すことから購買意欲をそそりコンバージョンに繋がりやすい写真に絞ったと考えられる。 

▷Pinではなくブックマーク

「日本人に『Pin』という言葉は馴染みにくいのでは」というワーディングの意識。「写真」というとinstagramなどとの比較があるが写真にはその先にリンクがない場合も多くリンクを取り遷移先を閲覧できる点に力をいれるため
「ブックマーク」という表現にしているとのこと。

ソーシャルコマースを目指すことを意識したブランディングといえるでしょう。尚、今後の本稿はClipieとPinterestがほぼ同じUIであると仮定して話を進める。

LivlisからのPivotではない

kamado社はスタートアップ界隈では良く知られたソーシャルコマースサイト
Livlisを手掛けていることで有名であるが、今回のClipieローンチに際して、LivlisからのPivotではないという点は留意する必要がある。Livlisで培ったノウハウをClipieに活かすという方針のようである。

Livlisでいう「あげる」「もってる」が所有をベースとしたコミュニケーションであり所有をベースとしてしまうとモノの物量に制約が掛かってしまう。

一方でLivlisでいう「ほしい」にフォーカスしたのがClipieであり厳密には「ほしい」の手前となる「興味関心」を収集する サービスである。「興味関心」「ほしい」の情報 の方が所有をベースとした情報よりも制約がなく、仕組み次第ではコンテンツが集まりやすい背景にある。将来的にはClipieで「ほしい」を集め、Livlisで「あげる」「もってる」との連携も考えられるだろう。

■ソーシャルコマース決定版としてのClipie

にわかにPinterestを認知している方は、先日の本誌でお届けしたような「tumblrと似たようなものが出てきた」という感覚の方がほとんどのはずである。たしかにそういう考え方もできるのであるが、Pinterest系サービスは「ソーシャルコマース」としての顔も持っている。

▷マネタイズポイント

Pinterestは 「好きな写真」を集めることで、ユーザーの購買意欲を掻立てリンク先へ遷移してその商品を購入するというソーシャルコマース的な活用の仕方も十分でき現にPinterestでも「Gift」コーナーがありリンク先へ遷移して商品を購入できるようになっている。

あくまでClipieはソーシャルコマースと位置づけており、受動的に流れたきた情報を「ブックマーク」することで「あげる」「ほしい」「もってる」を投稿するLivlisよりもコンテンツ流通量が伸びやすい性質にあることは容易に想像できる。

情報量が増えることでプラットフォームとして価値を上げていき、トランザクションが増えることを狙っているようである。

欲しいものがすぐに思いつきますか?

川崎氏のこの問いがソーシャルコマースとしてのClipieの本質を突いており、私に重く響いた言葉である。

私自身は洋服好きなので物欲はそれなりにあるはずである。しかし、こう問われて具体的に挙げられるものはそう多くなかった。2,3個くらいが関の山であった。

「猛烈に欲しい!」という心理になるには、前段階としてモノへの「興味関心」が起こるはずであり「ユーザーの興味関心を持つモノ」の情報を多く保有することがソーシャルコマースの一つの解といえそうである。

▷人の購買行動の段階

スタンダードにAIDMA理論で説明すると、Clipieは一覧性のあるUIでより多くの情報に触れることで「Attention」「Interest」を多く獲得しやすい構造にある。

その多数のブックマークの中から何度も眺めているうちに
(実際に特に女性はPinterestの自分のPinやLikeを何度も眺める習性にある)
「Demand」「Motivation」が高まり、最終的には「Action」に繋がる。

▷類似サービス「Sumally」との比較

ソーシャルコマースとして捉えると多くの情報がサイト内に流通する必要があり、国内での既存類似サービスと思われるSumallyとの最大の違いはメインページのUIにあこれが大きな意味を持つ。

Sumallyはカテゴリを選択し情報を能動的に取る必要があるのに対し、Clipieは一覧性があり情報量の多いファーストビューで受動的に情報を得る。特に女性には後者の「受動的な情報取得」が相性が良いと思われる。

このUIによる「ワンアクションの有無の違い」のUXによりユーザーの取得する情報量ひいてはサイト内で流通する情報量は圧倒的に違ってくるであろう。

投稿を集めるという発想はない。勝手に集まる仕組みを作ること。初期ユーザーを「ぼっち状態」にせずサイトの世界に入り込みやすいようにユーザーのコンテンツ取得ハードルを下げることが大事である。という川崎氏。

どちらの手法がプラットフォームに近づけるかは明白であろう。

今後のPinterest市場での差別化ポイント

▷PinterestとClipieの差別化

正直、米国発と日本発ということ以外に際立った違いは感じない。一つだけいえるのはPinterestは多くのカテゴリを抱えているが、カテゴリの中にもPinterest系サービスに向くものと向かないものがある。

一つだけオススメできる戦略を挙げるとすればPinterestのように総合カテゴリを取りにいかないことだ。ニッチで攻めればまだ勝機はあるかもしれない。 

現に写真アプリにしても、instagram、Snapee、Decopic、my365は
各アプリでそれぞれの特徴があることで、上手く棲み分けて生き残っていくことが推察される。

今後日本国内で多く生まれてくるであろうPinterestクローン。
Clipieがどう戦っていくのか、見物ですね。



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