カップルSNS市場が激化している。韓国が本拠地のBetweenはDeNAから資金調達していたが、最近グローバルブレインと500startupsから追加で資金調達している。DeNAのラウンドの調達額は非公開だが、けっこうあるんじゃないか?という説もあり、国産のPairyとしては涙目であろう。尚、Pairyを運営するTIMERSは2013年12月にインキュベイトなどから1億円を調達している。
グローバルブレインの投資により、Pairyがドコモインキュベーションビジレッジ出身であることから、そのうちBetweenがauにグノシーの如くプリインストールされる展開もあるかもしれない。
そんなPairyを運営するTimersが次なる打ち手を披露する。カップル関係の先にある結婚後をの市場を取りに行く、子供の成長記録×夫婦間メッセージ、子育て家族アプリ「Famm(ファム)」を5月14日にリリースした。
冬も夏も変わらぬ白Tシャツベージュ短パンで、度がない眼鏡を頭に掛けているTIMERS代表取締役高橋氏に話を聞いた。Wantedlyによると…すごいことになっている。
カップル市場のみだとすぐに限界が見えます。Pairyは国内で数十万DLありますが、カップルのその先の市場に需要があると考えました。
Fammは子供の成長記録をコアコンテンツと捉えて設計しています。夫婦間でもPairyを使えないことはないのですが、Pairyのような二人の写真を軸にしたコミュニケーションから、子供を軸にしたコミュニケーションへとシフトしていきます。
そこで子供の成長記録を軸として、夫婦間メッセージ機能も入れ、「子育て家族アプリ」としました。(もう、デザインなんてやりたくないらしいTIMERS高橋CEO)
Fammは子供の成長記録を手軽に記録し、シェアできる機能もある。たしかにこれは便利だ。
筆者の肌感覚では、Facebookに子供の写真をupしている人も多いことから、潜在的にはかなりの確率で子供の成長記録をスマホで撮影しているのではないかと感じている。多くの夫婦にとっては日常的なユーザー行動であるため、子供の成長記録を撮るのに夢中な生後3ヶ月くらいはアクティブに使われそうで、ライフタイムが長そうだ。しっかり普及すればインフラになる可能性がある。
ここはBetweenがまだ手を出していない領域であり、カップルのその先にある夫婦市場を押さえることで、BetweenがカップルSNSで限界が来た時の打ち手を先にFammで押さえておくというのが、TIMESの今回の打ち手だ。
ちなみに、子供に特化した写真アプリではサイバーエージェントでbaby picというものが存在したはずだが、ググっても出てこないため、撤退したか撤退間近と思われる。たしかbaby picはmy365の子供特化版であり、カレンダーで成長記録を取れて、フォローフォロワー機能があったと思う。
しかし、他人の子供の写真を見て「いいね!」をつけあうのはお互いに疲弊するだけだ。誰が他人の子供にそんなに興味があるのか。興味あるフリをしている人は多そうだが、実際に興味はないだろう。「ソーシャル機能なくてもログに需要が!」という主張もあっただろうが、こうした本質的な需要を喚起できていないサービスに未来はない。
その点、Fammに関しては夫婦で子供の成長記録を共有する需要は確実にある。従来は写真を焼いてアルバム化していたところをスマホアプリに置き換えただけだ。おそらく、baby picのようにはならないと思う。
Betweenの派手な資金調達でグローバルレベルでカップルSNSとして差を付けられそうなPairyを擁するTIMERSは、Fammで夫婦間市場のデファクトスタンダードを取れるか。その先にどのような課金モデルが待っているのか。これから夏だし、TIMERS高橋CEOの短パン姿に今後も目が離せない。
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内容の参考:【きまぐれUmeki Salon第1号】LINE田端氏の降臨など
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