旅行先で現地人との出会いを通した感動を生むサービス:meetripに注目する理由

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The Startupとしては異例のリリース関連記事です。シードステージにおける魅力的なディールが相対的に減ってきていると感じている中で、注目に値するディールである、meetripが本日ローンチした模様。

meetripは簡単に説明すると、Airbnbの現地人ガイド版といえる。スマホのウェブアプリで旅行先を案内してくれる人(リリース時は日本と台湾で展開)を探し、例えば5ドルや10ドルで現地を案内してもらうとうサービスだ。 meetripの構想や実現したい世界観に関して、meetripを運営するDuckdive社のCEO貴山氏にお話をお伺いした。

原体験:旅行先で現地の人と交流して感動した

貴山氏はこの種のサービスの展開者のご多分に漏れず、大の旅行好きである。中でもはじめて一人で海外旅行に行った18歳の時の体験はmeetripが実現したい世界観の核心を突いていると思われる。

ネパールに行った貴山氏であったが、そこでたまたま知り合った現地のネパール人と仲良くなる機会があった。よくよく話を聞いてみると、そのネパール人は昔日本に出稼ぎに行ったことがあり、日本にいた際にお世話になった日本人に手紙を渡したいといい、手紙を届けてくれないかと貴山氏は頼まれたという。帰国後、貴山氏はネパール人に教えてもらったお世話になった日本人の電話番号を手掛かりに、手紙を届けにいった。手紙を受け取った日本人は懐かしさのあまり?か泣き出してしまったという。非常に思い出深い旅行であったそうだ。

貴山氏は起業前に農業体験のNPOである田舎時間を運営している。田舎時間は主に都会の若者が週末に山形などの田舎を訪れ、農業体験をする。今まで800人ほどが参加したようだが、農家などの現地の人との交流を含めた非日常的な体験を通して、帰りには感動で泣き出す女性もいたという。

このような事例に代表されるように、旅行先で現地人と触れ合う機会を持つことによって、その旅行の体験価値は上がり、心に残る特別な旅行になる場合が多いという。たしかに旅の醍醐味は現地の人との交流であると話す人は少なくないと、著者も思う。しかし、英語を含めたコミュニケーション力がよほど高くないと旅行先で現地人と交流することはできない。その問題をmeetripで解決し、現地人と触れ合える旅行を通して、ユーザーに旅行の感動を提供したいのではないかと考えられる。

スマホとソーシャルが加速させる旅行体験サービス

meetripに限らず、Umeki界隈ではローンチを控える旅行サービスの構想を持つスタートアップが少なくなかった。貴山氏によると、特にスマホの浸透により海外旅行の際も現地でスマホをガイドブックなどの代わりに使える点が、旅行におけるイノベーションであるという。ソーシャル面では主にFacebook連携による実名性の担保により、とりわけmeet upの敷居は下がってきている。

たしかに私が見た他の旅行サービスの構想も、スマホがメインデバイスで、Facebookログインを必須とするものが多かった。meetripのような現地人と出会うものもあれば、旅行プランを作成し一緒に旅行する人を募るtrippieceのようなサービスもあった。

世界的には旅行マーケットは90兆円あるといわれ、スマホ×ソーシャルで既存の市場を徐々にリプレイスしていけるイメージは持ちやすい。Airbnbなどは宿泊地の候補に、ホテルだけでなく他人の家もFacebook連携での信頼性を担保に加えたという好例であろう。

注目ポイント:Cyta有安先生もジョイン

冒頭で説明した通り、The Startupでは単なるサービスの紹介記事は書かない。そういう依頼は全てお断りしているので、読者の皆様にはその点は覚えておいていただきたい。今回meetripを取り上げたのは、若干冷えてきていると個人的には思っている国内のシードステージの案件として成功確度が高いと思ったからである。理由は2つ。

1つ目にmeetripには明確なニーズがあると思ったことだ。私も旅行する時に現地人と交流してみたいという気持ちはあるものの、チキンで英語もあまりできないため中々難しい。meetripをmeet up軸で考えると、国内で展開されるスタートアップのmeet upサービスが目的や必要性が曖昧であることに対し、meetripの場合はターゲットである現地人と触れ合いたいという旅行者に対して必要性がとても高い。既存の旅行ガイドによるマニュアル的な案内ではなく、現地人による現地の視点でガイドされたいというニーズは明確にあり、旅好きなユーザーにとっては必要性が高く、夢のようなサービスともいえるであろう。 

2つ目はチーム。ここ最近、大きな成長ポテンシャルを感じる国内スタートアップは30代がファウンダーであることが多い。貴山氏は30代で、かつ自分自身がこのサービスのターゲットユーザーであると思っている。自分が好きなサービスをやるよりも儲かるサービスを。との声も世の中的にはあるが、私は自分の好きな分野のサービスに取り組んだ方が、辛いときも乗り越えられるため、中長期的には良いと思っている。

CTOには著名エンジニアがおり、共同創業者として、習い事のCtoCサービスであるCytaのCEOである有安氏が名を連ねている。世界的なCtoCサービスの権威である有安先生の知見を注入することにより、立ち上げまでのスピードを大幅に短縮できるはずであると貴山氏は語る。有安先生がメンバーに名を連ね、実務サポートをすることにより、成功確度はかなり上がるといえるのではないだろうか。

「ITの中心には人間がいるんだ」

と有安氏は言っていたようないなかったような気がするが、貴山氏は「人を中心とした設計のwebサービスが競争優位性を持つ時代になるだろう」と話っていた気がする。meetripは人を軸にした事業モデルのようだ。

ちなみにこのメンバー3名は年代が違えど、みな慶應SFC出身である。

上記の理由から本誌では注目しており、下半期のスタートアップ系イベントに仮に出場すれば、タイトルを総ナメするポテンシャルを感じている。

台北に行く機会がある人はぜひ使ってみてはどうであろうか。東京版でも試しに使ってみると面白いかと思う。

meetrip

Umesudaxキャンペーンでもこういう魅力的な案件が来てくれると嬉しいなあ…。ちなみに、貴山氏&有安氏と私の出会いはソーシャルランチだったことも付け加えておこう。

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