B Dash Camp2019Spirngのレポート8本目。最後です。ピッチアリーナファイナル。優勝はRevcom(サービス名はMiiTel)、でした。
優勝:Revcom
準優勝スペシャルアワード:inaho
ラクスル賞:モノグサ
パーソル賞:inaho
パラマウンドベッドActive Sleep賞:ネクストイノベーション
Lexus Crafted賞:RevCom
今回はスポンサー側にスタートアップが多かったのが印象的でした。進出企業は下記の通り。
☆ファイナル進出起業7社()はサービス名
モノグサ
Nature Innovation Group(アイカサ)
inaho
A1A(RFQクラウド)
ネクストイノベーション(スマルナ)
RevComm(MiiTel)
AILL
決勝はいつもの感じだと6社だと思っていました。The Startup予測はこちらの記事にて下記でしたので、7社中5社は的中しています。優勝企業も的中ですね。今回は的中率が高い。
☆TheStartup予想
<優勝候補>
レグミン(ここだけ予選敗退)
レブコム
<進出候補>
A1A
inaho
モノグサ
ネクストイノベーション
審査員は下記の通り。
Pitch Arenaファイナルラウンド
審査員:(敬称略)
江幡智広(mediba)
木村新司(DasCapital)
國光宏尚(gumi)
佐藤裕介(ヘイ)
玉川憲(ソラコム)
こちらもざっくりなご紹介です。ご容赦ください。
モノグサ(EdTech学習アプリ)
https://corp.monoxer.com/
投資家:UB Ventures、iSGS インベス トメントワークス、ツネイシキャピタルパートナーズ
調達額:1億
UW評価:B
参考記事:リンク
プレゼン:「覚えやすさを個人に最適化」するアプリ。問題の自動生成ができる。単語、画像、挿絵、漢字など「正解を登録するだけ」で問題を生成してくれる。
ビジネスモデルは、塾や予備校を中心に提供。学習者1人あたり3,000円で提供。トラクション、早くてメモ仕切れず。市場規模は下記。
国光:スタディサプリで良くね?
A:前職でスタディサプリの事業開発をやっていました(笑)あちらは映像授業確認のサービス。当社は定着のプロセスや単純記憶のサポーターであり、スタディサプリとは被らない。
玉川:具体的にどの教科でどれくらいサポートできるのか
A:算数では幾何分野以外は全て。国語も理科も社会も全ていける。
江端:予備校で先生が生徒に一律同じ問題を作るのか?
A:そうだが、一人一人によって出てくる問題は違う
木村:塾などでこの手のサービスはどれくらい使われているか
A:案外使われていない。導入はされているが、定着していない
Nature Innovation Group(アイカサ・傘シェアリング)
プレゼン:ビニール傘市場は400億で、国内だけで年間で8,000万本消費されている。単価600円で、原価は数十円。傘をシェアするだけ。デジタル管理で無人運営できる。
傘のQRコードを読み込むと、暗証番号が送られてきて、その番号で傘が開く。返却率はほぼ100%。使い放題で420円、1日70円。
2019年3月は都内で130箇所で設置。福岡でLINEと組んで置いている。完全にドミナント戦略。月次成長率80%(梅木注記:この辺の数値は立ち上げ時なのであまり参考にならない)都内を2020年に制覇したい。
佐藤:エコノミクス知りたい。
A:傘の自動販売機のイメージ。タイムズのカーシェアを参考にしている。原価は小さいので、1本あたり2-3人のサブスクしてると2,3ヶ月で回収できる。スペースプロバイダーへの手数料は10%くらい。もしくは、導入したいというスペースに関しては逆に設置料をもらったりする。
国光:Uberなどの自動車と比べると需給マッチが難しそう
A:チャレンジングではあるが、頑張りたい。
玉川:盗難リスクについて
A:誰がどの傘を持って行ったか暗証番号でわかる。
江端:返却と借りる場所の集中もあると思うがどうか。設置場所の選定基準。どうやって面を作っていくのか
A:AIで予測はして準備はできるが、始まりと終わりは自宅かオフィス。面の展開は鉄道会社やディベロッパーと交渉して行っている。傘がありすぎる状態は今のところはない。
木村:コンビニに置くという話があったが、ビニール傘販売とバッティングしないか
A:ローソンなどに既に入っているが、環境的な話でビニール傘を売り続けるべきなのかという問題はある。傘を借りる層と買う層は若干ずれている。
inaho(AI自動野菜収穫ロボット)
プレゼン:ロボットの収穫高の15%が手数料というモデル。RaaS(ロボットアズアサービス)です。
国光:競争優位性は?
A:先行者としてデータを獲得していくこと。個別のユニークデータを取って、スイッチングコストが高くなる
玉川:向いている野菜と向いていない野菜あるのか。かかるコストはどれがロボットや、人件費など一番重いのか。
A:トマトは問題ないが、かぼちゃとかは重いのできつい。ハード代が高いが、0.6年で回収できるが、3年で50億円くらいの資金調達したい。年間1,000万円以上の売上がある農家がターゲット。農家の平均売上は1,250万円なので、野菜9割をロボットで取れれば、手数料15%はペイする。
江端:市場規模知りたい
A:1,000万の売上だとロボット1台でちょうど良い。施設園芸だと、1,000万以上の売上がある農家が大多数(平均売上1,250万だから)
梅木:ロボットは単発で提供より、SaaS的にRaaSとするのは良いですね。ロボットビジネスは単発で売り切りモデルが多そうに感じる点が個人的には気になっていました。
A1A(RFQクラウド):見積もり査定効率化
https://www.a1a.co.jp/
https://resources-lp.a1a.co.jp/5
投資家:BEENEXT、PKSHA Technology、コロプラネクスト、個人投資家
調達額:5,300
UW評価:A
参考記事:リンク
プレゼン:キーエンス出身で、購買情報の管理に課題があることを発見した。見積もりフォーマットがバラバラとか、そういう課題がある。価格の妥当性把握が困難。RFQクラウドを導入後見積もり査定工数が1/5になった例もある。大企業の導入検討が多く、44%が年間売上1,000億円以上。
マネタイズはID単価2万円で、購買チームが数名から数十人で使う。
佐藤:セールスが成長ドライバーなのか?
A:展示会経由が多く、かつSEOも弱いので、インバウンドが多い。バイヤー企業に営業し、そのあとサプライヤー企業に営業していく。最初はサプライヤーには無料で利用してもらう。ネットワーク効果を見込んでいる。
国光:バイヤーがこれ使えといったら、サプライヤーは使うのか
A:そうです
ネクストイノベーション(スマルナ):ピルのサブスク
https://nextinnovation-inc.co.
https://sumaluna.com/
投資家:ニッセイ、KLab Venture Partners、あなぶきスタートアップ支援ファンド、セゾン・ベンチャーズ、ベンチャーユナイテッド
調達額:1億
UW評価:未カバー
参考記事:リンク
プレゼン:スマルナというサービスがメイン。Women’sヘルスのサービス。オンライン診察サービス。メッセンジャーで医者の診断を受ける。例えば、ピルの処方。物理的心理的ハードルが高い。
マネタイズは、診察ではなく薬の郵送。10ヶ月で課金ユーザー1.5万人。サブスク。単価は0.4万円〜1万円。国内の市場規模は3,000億円。粗利率60%のビジネス。Winner takes allの市場になると考えている。最初はピルから始めたが、ほか領域も拡張したい。
佐藤:医師が参画するインセンティブを知りたい。ユーザー獲得手法は
A:自由診療で医師とレベニューシェアしている。生理日予測アプリにダイレクトにマーケティングをかけている。
国光:平均単価
A:6,500〜7,000円。緊急避妊薬があるので若干高い。それを除くと5,000円。
江端:ライフタイムをどう考えるか
A:平均受診期間は2年半だったので、30ヶ月くらい。避妊フェーズから妊活フェーズに変わったり、パートナーがいなくなって、ピルの利用をやめる人が多い。
RevComm(MiiTel):セールステック
https://www.revcomm.co.jp/
投資家:ビズリーチなど
調達額:非公開(資本金は1.71億円)
UW評価:未カバー
参考記事: リンク
プレゼン:電話営業のログ化やPDCA精度が上がる。ID単価4,980円でユーザー数は810件(これだけで見ると月商403万円)。AIによるアポ取り、クロージングの自動化をしたい。
SaaSからPaaS(Platform as a Service)に進出したい。
国光:なぜ安いのか。導入企業数と企業ごとの平均単価
A:内製してるから。人件費しかかかっていない。すべて有料ユーザーでフリーミアムやってない。データログを数ヶ月保存するオプションプランがあり、平均ID単価は1.3万円になっている(月商換算1,053万円)
木村:競合は
A:国内にはないが、米国には4社くらいある。次はインドネシア市場を狙っている。インドネシアはインフラが整っていないが、インターネットは整っている。今後インサイドセールスが伸びると予想している。
佐藤:ユーザー数が増えていくとサポートコストがどれくらいと見るか
A:サポートコストは労働集約なので低くしたい。採用を強化する一方で、いかに自動化するかが大事。動画を10-20本作れば自動化できるのではないか。今後は電話ではなく解析の方に力を入れようと思っている。
玉川:オンボーディングシステムを知りたい。
A:CRMはほかのツールを使って欲しい。電話はMiiTelで。
AILL(AIによる恋愛チャットサポート)
https://aill-navi.jp/
投資ラウンド:不明
プレゼン:コンセプトは「結果をクリアに、傷つかない恋愛を。」AIで男女のコミュニケーション手法の最適化をする。相手からの好感度をAIが感知、通知する。デートに行けるタイミングをAIが教えてくれる。
デート成約率はAIだと76%まで上がり、AI無視の28%の3倍になっている。
法人向けの福利厚生サービスで、月額50万円で利用可能。AIILのシステムを海外にSaaS展開したい。恋愛だけではなく、夫婦や上司と部下のコミュニケーションにも使える。
国光:LINEとかにも付けれるのか
A:単独アプリのみ。通信法の問題でできない
木村:デートに誘うのが成功するかを楽しむのもあると思うが、デートに行った際のギャップが大きいのではないか
A:そういう方もいると思うが、デートにそもそもいけない方が非常に多い。現在は会話ナビゲートだけではなく、リアルナビゲートもしたい
佐藤:ユーザー獲得をどう考えているか。女性ユーザーの満足度が論点だと思うが、迷える子羊の男性ユーザーが多いと思うが、どういうベネフィット(笑)があると考えているか
A:女性は同じ階層のユーザー同士で恋愛したいと考えている人が多い(ベネフィットはある)
国光:企業向けだけ?個人向けはないのか
A:プラットフォームを綺麗にしたいので、企業のみのプラットフォームの方が良いと判断した。既に導入が決まっている企業もある。
梅木:予選落ちと予想していましたが、プレゼンはすごい面白かったです。やはり、法人向けのみというのがよくわからず、いろんな企業の会社員が登録して、会社員のみが使えるマッチングサービスとなるのでしょうか。
以上です。