「月9」や「30日コーデ」はコンシューマ向けサービスのプロデューサーに参考になる

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私を良く知る方であれば私が「月9ドラマ」的なものや「CanCamの30日コーディネート」的なものを定点観測していることをご存知かと思います。実はこれらのコンテンツには企画を考える上でのヒントが満載です。特にコンシューマー向けのサービスのプロデューサーやマーケティング担当者は定点観測しておくことをお勧めしたいです。

必ずしも月9やCanCamである必要はないですが、この2つのコンテンツの「正統派かつストライク度」が高いのはいうまでもありません。

月9はクールによっては「リアルな東京」が垣間みえる

昔ほどの視聴率による影響力がなくなったとはいえ、依然月9はリアルな東京がストーリー仕立てで垣間見える希有なコンテンツであると考えています。私が過去20年分の月9のタイトルを洗い出して、そのストーリー性を思い出した限りにおいては、年に1クールは「正統派東京ライフ」をモチーフとしていると思われるクールがあります。

月9は現代のトレンドとなる考え方やその時々の空気が伝わって来ます。直近ではネット業界で人気を博したリッチマン・プアウーマン。サイバーエージェント的なリア充感溢れたオフィスや美女と、学生ベンチャーによる共同創業がリブセンスに類似しているという、ネット業界人にはたまらない設定となりました。ネット業界人であれば「日向徹名言集」など、共感できる点も多々あり、楽しめたかと思います。

ネット業界外の人にとっては、ネット業界ってこんなとこなのか…とネット業界の今っぽさを知ることができた点が(あれが現実と思う人はさすがにいないでしょうが、それっぽいところは多々ある)今の東京のトレンドや雰囲気を知るのに一役買ったといえるでしょう。

東京、というか「時代を切り抜いている」感覚があるんです。月9には。

30日コーデは「東京の女性の今」を知る格好のヒントに

スクリーンショット 2013-04-11 11.32.51ファッション雑誌の30日コーデは月9よりもっとリアルです。ストーリー構成は、月初にパーティーなどのイベントで素敵な彼と知り合って、近所の公園でたまたま再会して、気になり出して、デートに誘われて、気づいたら商社勤務の彼がNYに転勤することになって、「NYに行くんだけど、付いてきてくれないか?」って付き合ってもいないのにプロポーズまがいの告白を受け、しっぽを振って喜んでokする。というパターンが典型であり、大体その焼き直しである。

注目すべきはそのディティールで、どういうイベントに参加しているとか、どんな職種のカレが登場するとか、どんなレストランやスポットでデートしているかという情報が面白いのです。とりわけ流行になってそうな出来事が30日コーディネートに登場すると、これはその現象が確実にティッピングポイントを超えていると断言できます。例えば、「街コンで出会ったカレとはじめてのデート♡」とかいうシーンがあれば、街コンは完全にマスに浸透しているフェーズである。と予測がつくわけです。

「何が流行っているか」という細部の感覚を掴むために、30日コーディネートは有用であります。ファッションはどうでもいいのです。舞台設定やそこで繰り広げられるストーリーが重要なのです。

月9でマクロ、30日コーデでミクロを掴め

綺麗にそれらしくまとめると、月9を見ることで東京のマクロな感覚を掴むことができ、30日コーデで東京のミクロな感覚を掴むことができます。

そしてなぜこれらの感覚を掴むことをコンシューマ向けサービスのプロデューサーやマーケターにお勧めするのかというと、マスとしてのコンシューマの興味を認識しておくことで、そこに連動する企画の発想が浮かびやすくなるからです。企画のインサイトを導き出すインプットの有用な引き出しの一つになる。時代のささやかな変化であったり、定点観測することでその変化の過程や蓄積を自身に内包しておくことで、時代に連動した企画を発想しやすくなるのではないかなと。

私自身、マーケティングといってもSEOやSEMに強いわけではなく、強いて言うならば独特の切り口で思い付く企画力が強み。であったりします。その企画力の源泉の一つに、月9や30日コーデの定点観測が挙げられます。企画の前段階には何かに気づく「観察力」が重要です。一見遊んでいるだけのように見えますが、その遊びの中からインサイトを導き出す思考習慣を付けるようにしています。

遊ぶように働く。それが私の仕事のスタイルの一つです。

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