「フリーランス・ライター」と名乗ってはいませんが、僕の実際の仕事はライターの仕事も多いです。フリーランス・ライター。「ボジョレー・ヌーボー」のような美しい響きです。という記事に(表現が面白いという意味で)噴き出したため対抗して書いてみます。僕はこのネタをコーナー化できるかは極めて怪しいですが、とりあえず1本書いてみます。
■0:フリーランス・ライターになった背景:プロとしての経験はないよ
僕は雑誌編集者(ライフスタイル誌)に憧れていたこともあり、大学2年次に宣伝会議の「編集者・ライター養成講座」に通っていました。2006年のことです。結果的には広告に大きく依存したビジネスモデルに嫌気が差し、編集者を志すことは辞めました。
書くことは昔から純粋に好きで、学生時代も1,000本以上は記事を書いていましたし、なんだかんだでずっと1週間に1本くらいは何かを書いていました。まともな仕事といえばサラリーマン時代にインタビュー記事をいくつか書いたことくらいでしょうか。原稿料をいただいて他メディアで書くようになったのは独立してからです。量をこなせばいつかは質に転換するというのは、同意できますね。
■1:最も心掛けることは、強い表現を探すこと
ここからがライターとして普段心掛けていること。編集者に同行していただいた取材では内心キレられたこともありそうな気がしますが、とりわけ取材記事に関しては、その人やそのサービスにまつわる最も強い表現を探すことに最も力を入れています。そのため雑談比率が相当高いはずです。強い表現を軸に構成を組みます。取材記事ではなくても、強い表現を探し、極力タイトルや小見出しに付ける習慣があります。ありきたりなタイトルや小見出しは避けるようにしています。
■2:大枠のストーリーを描く
タイトルだけで伝えたいことが終わってしまうこともあるにはあるのですが、伝えたいことの背景となるファクトをどの順序で見せれば魅力的に見えるかを考えます。分析や考察であれば納得感が出るような見せ方にし、インタビュー記事であれば読み手に興味を持ってもらいやすい構成でのストーリーや、自分が聞いていて一番面白いと思うストーリーを拡げます。
■3:言葉を整理する感覚
これが記事を書いていて、ここ1年くらいで一番変わってきたことですが、どの言葉を用いれば上手く伝わるだろうかということを意識して、言葉を整理するようになりました。推敲をきちんとするようになったとも言い換えられるかもしれません。気がつけば横文字ばかりのルー大柴的な記事になっていることもおかしくないです(意図的にそうすることもありますが)最近は極力清く正しい日本語を用いるように心掛けています。
■4:レコーダーなどでの録音は一切しない
おそらく多くの方が取材ではテープレコーダーを回すと思うのですが、僕は一切回しません。理由は3つあって、1つ目はその場で印象に残ったことをメモすればそれで十分。2つ目はわざわざ聞き返さない。録音しているとという保険的な感覚がライブでの集中力を落とすから。3つ目は録音を追うと、話した順番に文章を整えることに引きづられてしまうから。聞きそびれたことのバッファとしての録音という意味合いが大きいでしょうが、そのほとんどが無駄ですし、クリエイティビティを奪いすらします。よほど失敗できない時以外は録音はしません。
■5:できるだけ取材した日に記事を書く
これは業務効率化の観点でもあるのですが、おそらく8割くらいの確率で取材した場合はその日に記事を書いています。記憶があるうちに書いた方が良いというのが最大の理由ではありますが、取材対象者も早くフィードバックが欲しいと思うものでしょう。諸処の確認ですぐに取材対象者へ確認依頼を送れないことも多いですが、仕事が早いに越したことはない。
こんなところでしょうか。継続的に文章を書いて発信している人は案外少ないもので、数本バズったブロガーでもすぐに記事を書かなくなり消えていく人も少なくないです。もったいないなといつも思います。逆に大手メディアで継続的に書いている人でも、「この人の記事、面白い?」と思うものも少なくないです。
「こいつの書く記事はつまらないな」と思われないよう、粛々と表現力を上げて頑張っていきたいと思います。
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