バブル期の名作と言われた企画の最新版である、新東京いい店やれる店
という書籍を最近出した、ホイチョイ・プロダクションズ。ホイチョイ・プロダクションズは広告ではなく、コンテンツクリエイター集団と自らを規定しています。珍しい形態ではないかと。詳細はwikipediaに譲ります。
最近はテレビ朝日の深夜番組で東京上級デートという10分程度の番組の企画も手掛けています。不覚にも特に後者のコンテンツはピンポイントで私の心を射抜きました。ああ、これが私の欲しかったコンテンツですわ。と。あったらいいなと思っていたコンテンツが見事に実現されていました。
新東京いい店やれる店や(前作も含めて)東京上級デート、これらのコンテンツは私のみならず多くの男性を虜にしていると思われます。その理由について、本稿では軽く考察してみます。
従来の切り口に捉われない実践的なコンテンツストーリー
2つのコンテンツに共通する切り口は「飲食店」というスポットと「デート」というストーリーです。男性は気になる女性を誘って食事に行く際には、下調べして相手に喜んでもらえそうな店を探すわけです。そこで食べログやRettyなどのニーズがあるわけですが、飲食店のレビューというのは「味」「価格」「シチュエーション」せいぜいこの3つの切り口についてその店で完結するレビューが書かれるくらいです。
従来のレビューサイトでは、単純にその店の善し悪しを判断する基準にはなるのですが、あくまで具体的にどういうデートにおいて有効であるか。相手の属性や何回目のデートに適しているか、立地は適しているか。などのデート視点での切り口というのは男性としては非常に実践的で助かるわけです。
食べログの膨大なレビューを読んでデートに使える店か否かをジャッジするのはめんどくさい。まずは「点」の情報として、デートに適した店か否か、ストレートにいえば「その店でのデートを通して、やれる確率が上がるか」を判断できることは、男性にとっては極めて実践的で投資判断もしやすい。
この「点」の話を繋いだのが「東京上級デート」という企画。デートは大抵はワンスポットで終了するものではなく、街を起点に複数のスポットで時間を共にする場合が多い。街ごとに具体的なデートコースを提示してくれるのは、そのままパクることはないにしても、男性にとっては「線」となるデートコースを考える貴重な引き出しとなることは間違いないです。
「デートの楽しさの最大化」を実現するための切り口であり、デートという切り口でみた飲食店(そのコンテンツにはストーリー性がある場合が多い)そしてデートというそれ自体にストーリ性のあるもののヒントとなるコンテンツであることが、男性にウケる大きな要因ですね。
センス良く思われたい男性のニーズにドンピシャ
ホイチョイ・プロダクションズは、新東京いい店やれる店の中で「35歳以下の男性は読んではいけない」とR35指定をしています。こういう制限宣言も興味深いです。ダメといわれると見たくなりますw 言い分は「若い女性を口説くための情報であり、若い男性は若さで頑張れ。オヤジは年取ってる分、知恵で勝負するんだよ」的な感じでした。
ホイチョイのコンテンツが最も刺さる層は、記事タイトルにあるように「ある程度感度の高い男性」だと思います。レストランで女性とデートすることに興味がなく、安い居酒屋でなんとかなるだとと思っている人には理解に苦しむかもしれません。ある程度東京のレストランを知っていて、より高みを目指したい(効率よくやれる店を知りたい)人に最も刺さるかなと。
ホイチョイのコンテンツで、実際に自分が行ったことがある店を見るとテンションが上がり、やっぱそうだよねとか、そういう使い方があったか!など想像力が膨らみます。個人的には、ハイセンスな女性をエスコートする際にどんな店であれば相手の意外性を突き、喜ばせることができるか。そうした研究の際に燃える、最適なコンテンツであるといえます。そうした男性は見栄っ張りだなとも思えますが、単純に「センスが良いと思われたいだけ」だと思います。
きっとファッションと一緒です。LEONの愛読者などと親和性が高いコンテンツといえるでしょう。男性同士でもデートに適したお店の情報交換はわりとあるもので、聞いたり尋ねたりすることは私は実は結構あります。この本の情報を元に友人と情報交換する「男子会」もわりと楽しいかと思います。ホイチョイのコンテンツは、そうした感度の高い男性のバイブルとなり、彼らの引き出しとなるでしょう。
東京上級デートが秀逸なコンテンツである理由
デートコンテンツというのは、TVで街をベースとした企画であれば、昔は恋するハニカミなどがありました。高校時代にこの番組を見ながら東京生活を夢見たことは私の青春時代の思い出です。しかし、この番組は芸能人同士の疑似恋愛を街を通してリアルに描くというものであり、そのデートコースがキラーコンテンツとなっていたわけではないように思えます。
今回の東京上級デートは、企画名にある「上級」というのが肝で、ハイセンスなデートコースの紹介がメインコンテンツであることが企画名だけで伝わり、実際のコンテンツもそうであることが、ターゲットとなるであろう「感度の高い男性」を惹き付ける最大の要因かと思います。
たしかに20代の男性が仕掛けるには難度の高いスポットもあり、R35指定を謳っているだけありますが、むしろ20代は背伸びしなければならない感に惹かれそうです。
映像も、ハニカミのような男女のデートではなく、映像に登場するのはモデル一人で、自分とデートしているような錯覚に陥る、グラビアアイドルのビデオに近いながらも健全な構成であるいえます。あくまでクリーンです。
現に深夜2時台の開始時間にも関わらず、私は起き続けて見てしまうほどのコンテンツ力がありました。これは我々世代の若かりし日のギルガメ○シュナイトなどにも通じる心理があるでしょう。夜更かししてまで見たい魔力のあるコンテンツということです。
ということで、本誌の読者(R35付近の男性が大多数と想定しています)にはぜひ一度見て欲しい番組ですね。東京上級デートのwebでもデートコースをホイチョイ独自のイラストコンテンツで見れて、アーカイブされているのも最高です。特に本誌をご覧の起業家の方は、さすが起業家と思われるセンスの良いデートをしていてほしいものです。やれる店の方はアプリもあるようですね。これはR35付近の男性は思わず月額課金してしまうかもしれません。
私がやりたいことの一つって、こういうことなんだなと思いました。今後は非ITのアウトプットを多く出していきます。
注:2013年3月4日追記
有料会員は男性限定で利用できる、人気レストラン予約サイトであるポケットコンシェルジュの監修を手掛けています。ホイチョイ掲載店舗も多数掲載されているため、本記事をご覧の皆さんには有益なサービスになるかと思われますので、ぜひ画像とリンクをクリックしてご覧下さい。
■参考記事
ホイチョイ好きにはたまらない、男性限定人気レストラン予約サイト:ポケットコンシェルジュ